改訂高等学校学習指導要領の展開 総則編平成11年版

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21世紀の高校教育の基本的骨格を示した総則。その内容を改訂担当者が簡潔に解説し、各校の教育課程編成にすぐに役立つ基本図書。


復刊時予価: 3,014円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-257810-4
ジャンル:
学習指導要領・教育課程
刊行:
対象:
高校
仕様:
A5判 224頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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まえがき
改訂のねらいと基本方針
1 改訂の背景
2 教育課程の基準の改定の基本的枠組み
3 改訂の概要
改訂構想のビジュアル解説
§1 全体構造図
1 学校教育法施行規則の改正の要点
2 「総則」の構成
§2 新旧対比と解説
1 教育課程編成の一般方針
2 各教科・科目及び単位数等
3 各教科・科目の履修等
4 総合的な学習の時間
5 各教科・科目,特別活動及び総合的な学習の時間の授業時数等
6 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項
7 単位の修得及び卒業の認定
8 通信制の過程における教育課程の特例
総則の改訂事項の解説
§1 「教育課程編成の一般方針」の解説
1 教育課程編成の原則
2 道徳教育
3 体育・健康に関する指導
4 就業やボランティアにかかわる体験的な学習の指導
§2 「各教科・科目及び単位数等」の解説
1 卒業までに履修させる単位数等
2 普通教育に関する各教科・科目及び標準単位数
3 専門教育に関する各教科・科目
4 学校設定科目及び学校設定教科
§3「各教科・科目の履修等」の解説
1 必履修教科・科目
2 専門教育を主とする学科における各教科・科目の履修
3 総合学科における各教科・科目の履修等
§4 「総合的な学習の時間」の解説
1 創設の経緯
2 「総合的な学習の時間」の性格とねらい
3 学習課題と学習活動
4 学習活動の形態や配慮事項
5 職業教育を主とする学科における特例
6 授業時数と単位の認定
7 評価
§5 「各教科・科目,特別活動及び総合的な学習の時間の授業時数等」の解説
1 全日制の課程における年間授業週数
2 全日制の課程における週当たり授業時間数
3 定時制の課程における週当たり授業時間数等
4 ホームルーム活動の授業時数
5 定時制の課程におけるホームルーム活動の授業時数の取扱いに関する特例
6 生徒会活動及び学校行事の授業時数
7 総合的な学習の時間の授業時数
8 授業の1単位時間の運用
§6 「教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項」の解説
1 選択履修の趣旨を生かした適切な教育課程編成
2 各教科・科目等の内容等の取扱い
3 指導計画の作成に当たって配慮すべき事項
4 職業教育に関して配慮すべき事項
5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項
§7 「単位の修得及び卒業の認定」の解説
1 単位の修得の認定
2 卒業までに修得させる単位数
3 各学年の課程の修了の認定
4 大学入学資格検定合格科目の単位認定
5 別科の科目の単位認定
6 その他の学校外における学修等の単位認定
§8 「通信制の課程における教育課程の特例」の解説
1 通信制の課程における教育課程
2 通信制の課程の教育課程の編成
総則具体化の課題と展開
§1 基本方針の解説と具体化
1 豊かな人間性や社会性、日本人としての自覚の育成
2 自己教育力の育成
3 基礎・基本の重視と個性を生かす教育の充実
4 特色ある学校づくりの推進
§2 単位数の考え方と取扱い
1 主題についての考え方
2 実践化への基本的事項
3 具体的展開への課題
§3 各教科・科目の履修についての考え方と取扱い
1 主題についての考え方
2 特色ある教育の実践
3 各教科・科目の授業時数等
4 選択履修に基づく教育課程
5 専門教育を主とする学科における各教科・科目の履修
6 総合学科における各教科・科目の履修等
§4 学校設定科目・教科の考え方と取扱い
1 主題についての考え方
2 特色ある教育の実践
3 「産業社会と人間」
4 学校設定科目・教科設置の留意点
§5 総合的な学習の時間のねらいと展開の方法
1 総合的な学習の時間のねらい
2 総合的な学習の時間の学習活動
3 総合的な学習の時間の展開における配慮事項
4 職業学科における総合的な学習の時間の特例
5 総合的な学習の時間の評価
§6 様々な学習活動の重視
1 様々な学習活動と特色ある学校づくり
2 体験的な活動の重視
3 体験的な活動の配慮事項
4 問題解決学習の方法の例
5 様々な学習活動の主な内容
§7 教育課程編成・実施についての考え方と配慮事項
1 背景にある考え方
2 編成・実施にあたっての課題
3 教師に望まれること
§8 単位の修得と認定の考え方と配慮事項
1 単位の修得と認定
2 履修と修得
3 評価の在り方
4 単位の修得及び卒業の認定に関する留意事項
§9 通信制の特例の考え方と配慮事項
1 通信制の課程の現状
2 通信制の課程の教育課程の特例に関する留意事項
§10 教育課程の編成と評価
1 教育課程編成の主体と編成の原則
2 特色ある教育課程の編成―これからの学校に求められること―
3 教育課程評価の在り方
§11 中高一貫教育にかかわる教育課程の基準
1 中高一貫教育の導入と実施形態
2 中等教育学校の教育課程の基準
3 併設型中学校・高等学校の教育課程の基準
4 連携型中学校・高等学校の教育課程の基準
変遷から見た今次総則改訂の特色
1 新制高校発足時の教育課程 ─昭和22年4月7日付の通達─
2 民主的実践人の育成を目指す教育課程の改訂─昭和26年の改訂─
3 戦後教育転換期における教育課程の改訂 ─昭和30年及び35年の改訂─
4 高度経済成長を背景とした教育課程の改訂 ─昭和45年の改訂─
5 国民的教育機関としての高校を目指す教育課程の改訂 ─昭和53年の改訂─
6 21世紀を展望した教育課程の改訂 ─平成元年及び平成11年の改定─
付録 学校教育法施行規則(抄)
高等学校学習指導要領「総則」

まえがき

 第二次世界大戦後における高等学校の教育課程の基準の改訂は,昭和26年以降6回行われ,今回の改訂は7回目の改訂となる。今回の改訂は,中等教育改革の流れの中で行われたという点に大きな特色がある。平成3年の第14期中教審答申において,新しい学科の設置や新しいタイプの高校の創設等が提言され,平成5年には全日制課程における単位制の導入が可能となった。また,同年総合学科が創設され,平成12年度現在,144校が設置されている。さらに,平成11年度からは,公立の中高一貫教育校制度が実施に移された。このような一連の改革の流れは,学校教育制度や学科・課程編成をより柔軟なものにするものであり,21世紀前半の中等教育の姿を先取りしたものといえよう。

 一方,学校運営の在り方についても,学校の自主性と自律性の確立を目指した改革が進められている。平成12年度から学校運営に関し,保護者や地域住民の意見を反映させる学校評議員制度の導入や,校長・教頭の資格要件緩和の措置が実施された。これらの動きは,教育課程の編成や学校運営について各学校の主体性を求めるものであり,一方では教育活動についての責任を一層求めるものとなっている。

 このような改革の中で学習指導要領の改訂が行われたが,その特色は,概ね以下のとおりである。1学力の方向性として自ら学び,自ら考える力等の「生きる力」の育成を掲げたことである。2総合的な学習の時間や学校設定教科・科目の新設,1単位時間の柔軟化など教育課程の基準の一層の弾力化を進めたことである。3必履修単位数が縮減されるとともに,履修の仕組みに選択必修方式が採用され,卒業に必要な最低単位数についても縮減が行われたこと,4教科情報の新設や外国語の必修化が行われたことである。

 1については,各教科・科目のねらいや内容構成に具体的に反映されており,見方や考え方の重視,課題追究的な学習の充実等として具体化されている。各学校においては,改訂の趣旨を生かした指導計画の作成が望まれる。2については,特に総合的な学習の時間のカリキュラム開発はこれまでにない経験であり,カリキュラムの開発・実施・評価・改善の全体にわたる検討が求められる。学校設定教科・科目についても,学習指導要領に定める教科・科目との関連を踏まえながら,各学校としての基本方針を明確にする必要がある。3については,生徒の特性や進路に対応した教育課程の編成を可能とするものであり,各学校においては,生徒の希望なども勘案しながら教育課程の在り方について検討することが必要である。4については,新しい時代や社会に対応できる力の育成を求めるものであり,指導体制の整備を進める必要がある。

 学習指導要領の総則は教育課程編成の基本的な枠組みを示したものであり,全教職員でその趣旨を理解し,その上で各教科等の指導計画の作成にあたることが大切である。本書は,平成11年3月に告示された高等学校学習指導要領の「第1章 総則」をできるだけ分かりやすく解説したものである。校内での研修等に大いに活用していただければ幸いである。


  平成12年7月   編者

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      明治図書

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