- まえがき
- 【特別寄稿】道徳科の授業の指導と評価の一体化
- /浅見 哲也
- 1章 道徳授業のPDCA
- 指導と評価の一体化に基づく授業づくりの必要性
- 「P」−道徳授業の計画(Plan)
- @全体計画と年間指導計画
- A年間指導計画作成のポイント―実働性を高める―
- B特徴のある年間指導計画例1
- C特徴のある年間指導計画例2
- D授業計画の進め方
- 「D」−道徳授業の実践(Do)
- @計画に基づいた授業実践
- A計画からぶれてはいけないポイントと臨機応変な対応
- 「C」−道徳授業の評価(Check)
- @道徳科における評価の考え方
- A子供の学習状況及び成長の様子についての評価
- B道徳科の授業に対する評価
- 「A」−道徳授業の改善(Action)
- @評価を生かした授業改善のポイント
- A具体例で見る改善の方法
- 2章 学年別 PDCAを生かした道徳授業&評価
- 低学年
- 「金のおの」の授業モデル(A−(2)正直,誠実)
- 「ぐみの木と小鳥」の授業モデル(B−(7)親切,思いやり)
- 「およげないりすさん」の授業モデル(C−(13)公正,公平,社会正義)
- 「ハムスターの赤ちゃん」の授業モデル(D−(19)生命の尊さ)
- 「空いろのたまご」の授業モデル(D−(20)自然愛護)
- 「くりのみ」の授業モデル(B−(10)友情,信頼)
- 中学年
- 「見つからないリコーダー」の授業モデル(A−(3)節度,節制)
- 「心と心のあく手」の授業モデル(B−(7)親切,思いやり)
- 「雨のバスていりゅう所で」の授業モデル(C−(12)規則の尊重)
- 「ブラッドレーのせい求書」の授業モデル(C−(15)家族愛,家庭生活の充実)
- 「ひきがえるとろば」の授業モデル(D−(19)生命の尊さ)
- 「ヒキガエルとロバ」の授業モデル(D−(19)生命の尊さ)
- 高学年
- 「うばわれた自由」の授業モデル(A−(1)善悪の判断,自律,自由と責任)
- 「手品師」の授業モデル(A−(2)正直,誠実)
- 「ブランコ乗りとピエロ」の授業モデル(B−(11)相互理解,寛容)
- 「六年生の責任って?」の授業モデル(C−(16)よりよい学校生活,集団生活の充実)
- 「真海のチャレンジ―佐藤真海―」の授業モデル(D−(22)よりよく生きる喜び)
- 「一ふみ十年」の授業モデル(D−(20)自然愛護)
- 3章 道徳科の通知表&指導要録作成のポイント
- 道徳科の通知表&指導要録作成について
- 通知表&指導要録の記入文例
- @低学年
- A中学年
- B高学年
- 通知表&指導要録のNG例
- 4章 道徳授業&評価に関わるQ&A
- Q1 大くくりな評価とはどのようなことでしょうか?
- Q2 評価をどうやって次の授業に生かせばよいでしょうか?
- Q3 通知表と指導要録に記入する文章にはどのような違いがありますか?
- Q4 1時間で一人一人の学習状況を確認するのは難しいです。どのような方法がありますか?
- Q5 道徳授業に否定的な保護者がいます。どのような配慮が必要でしょうか?
- Q6 道徳科の評価は,なぜ個人内評価なのでしょうか?
まえがき
平成30年4月より「特別の教科 道徳」(以後「道徳科」)がスタートしました。
全面実施された学校現場からは,「教科化になって道徳授業はどう変わるのか」「道徳の評価をどうすればいいのか」「通知表になんとコメントすればいいのか」そんな声が多く聞かれます。教師の不安を解消し,子供たちの道徳性を育成する具体的な提案をすることは大事です。それは,「考え,議論する」道徳へと質的転換を図ることであり,子供の心と頭をアクティブにする道徳授業へと改善することです。
道徳科は,よりよく生きるための基盤となる道徳性(内面的資質)を育てることをねらいとしています。また,道徳教育には子供一人一人が,今後出会うであろう困難な問題に主体的に対処することのできる実効性のある力を育成していくことが強く求められています。道徳教育の要となる道徳科は,道徳性を養うために重視すべきより具体的な資質・能力とは何かを明確にし,道徳的価値の自覚や自己の生き方についての考えを深め,いかに生きるべきかを自ら考え続ける姿勢や道徳的実践につなげていくことが求められています。
この実現のためには,「主体的・対話的で深い学び」のある道徳授業を構想することが大切です。また,そのような授業をつくるサイクルを構築することです。
教師は,常に学習指導過程や指導方法を振り返りながら,子供の学習状況の把握を基に,授業に対する評価と改善を行うことが重要です。教師が,自らの指導を評価し,その評価を授業の中でさらなる指導に生かすことが,指導の改善につながります。計画から授業実施,評価までを一つのサイクルと捉え,授業改善や子供の成長に生かしていくことが大切だと感じます。
本書では,これらの考え方を基に,道徳授業のPDCAサイクルを提案するとともに,指導と評価の考え方や具体例をしっかりと見えるものにし,根幹をおさえたバイブルのような1冊にしたいと考えています。
本書の出版にあたって,特別寄稿をいただきました文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の浅見哲也先生をはじめ,お忙しい折にもかかわらず,原稿を寄せてくださいました執筆者の皆様,また関係する学校・子供・同僚の多くの皆様に御礼申し上げます。
最後に,道徳科が,子供たち自身が自らの命を最大限に輝かせて,幸せな人生を歩む原動力となることを切に願っています。
編著者 /毛内 嘉威
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- 明治図書
- 毛内先生の本なので興味があり、購入しました。PDCAへの理解ができました。2019/9/750代・小学校教員
- 学習指導要領との関連がよくわかり、日常の授業への生かし方を理解することができます。2018/12/1440代・小学校教諭
- 特に、通知表や指導要録の具体的記入例が解説とともに書いてあり、今後の道徳評価の参考になりました。2018/11/1950代・中学校管理職