高校英語のアクティブ・ラーニング 成功する指導技術&4技能統合型活動アイデア50

高校英語のアクティブ・ラーニング 成功する指導技術&4技能統合型活動アイデア50

好評4刷

インタビュー掲載中

4技能統合型の全員参加授業で生徒の学びを深める!

英語教育推進リーダーであり「愛情を持って生徒に接し、アクティブな授業をすること」を大切にする著者が、全員参加型授業になる指導技術や4技能を統合した「主体的・対話的で深い学び」につながる言語活動アイデアを詳しく紹介した高校英語の授業改善に役立つ1冊。


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PDF
ISBN:
978-4-18-245421-9
ジャンル:
外国語・英語
刊行:
4刷
対象:
高校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年10月11日

Contents

もくじの詳細表示

まえがき
Chapter1 アクティブ・ラーニングがうまくいく!英語授業改善のポイント
▽モデルを示す
▽教師の発話量に気を付ける
▽「Repeat after me.」から脱却する
▽内容理解で終わらせない
▽授業のゴールはCAN-DOリスト形式で事前に示す
▽Authentic materialsを使用する
▽授業規律の基本1・時間を守る
▽授業規律の基本2・メリハリをつける
▽スピーキング活動は10の原則を押さえる
▽授業は常に公開する
▽授業アンケートを実施する
Chapter2 アクティブ・ラーニングを実現する英語授業の指導技術
1 発問に対する応答のルールを作る
2 協働学習を機能させる
3 学習ログ(振り返りシート)で自己評価をする
4 導入で主体的・協働的な授業を組み立てる
5 発問を工夫して生徒の意見を引き出す
6 発表形式を工夫して生徒の不安感を取り除く
7 レベル別Summaryで要約活動に変化をつける
8 文法は会話文と質問で指導する
9 Comprehension questionsは本文の表現と変えて作成する
10 Rubricを活用した評価で主体的な学びを促す
11 授業の振り返りは付箋で可視化する
Chapter3 アクティブ・ラーニングが成功する場面別活動アイデア
授業開き・振り返りの場面
1 英語の授業目標を生徒と一緒に考える
2 夏休み明けのウォームアップ活動
3 長期休業明けに使えるDo you know your neighbor?
4 授業の振り返りを行うExit Card
ウォームアップの場面
5 YouTubeや小道具を使った異文化体験のジグソー活動
6 全員の意識を向けさせるウォームアップ活動
7 授業の開始はQでスタート―スピーキング編
8 授業の開始はQでスタート―ライティング編
9 生徒によるオーラルクイズとオーラルインタラクション活動
10 1minute chat
11 絵並びリスニング
12 語彙力,創造力,書く力をUPする作家体験
13 主体的にストーリーを想像するPicture description
発音・語彙指導の場面
14 アクティブな単語連想クイズ
15 音節とリズム感覚を養うLimericks
16 新聞記事を利用した語彙学習
17 日本語を使った発音練習English 5-7-5
18 個別式発音テストとBack-and-Forth Writing
19 発音セルフモニタリング
20 神経衰弱からのSurvey活動
教科書本文の内容理解・音読・読解の場面
21 リスニングを通したリーディングTimeline reading activity
22 写真を使って英文をたくさん読ませる活動
23 映像を使った飽きさせないリスニング活動
24 教科書本文を様々な形に変える活動
25 友達に説明して理解を深める活動
26 協働学習を促進させるCan-Do statements
27 InputからOutputへの橋渡しをするIntakeの音読活動
28 生徒の変容が見えるリテリング活動
29 3コマ漫画リテリング活動
30 グループで協力して行うリテリング活動
31 コスパの高い口頭要約―中間発表から最終発表まで
32 グループで行うQ&A伝言ゲーム
33 ゲーム的要素を加えたペア活動
34 全員参加のオーラルクイズ発問
35 ウルトラクイズ式TPR
36 評価を可視化する加算システム
37 ランキングで主体的な学びを促すRating activity
文法指導の場面
38 スポーツ選手なりきりInterview活動
39 気づきを促す文法指導
40 付箋を使ったIt is〜(for 人) to…の構文定着活動
41 文法を意識したスピーキング活動Finding a lie game
42 ジグソー法によるターゲット文法の定着活動
自己表現活動の場面
43 グループで創作する英語スキット(劇)
44 サイコロを使った自己表現活動Story cubes
45 ターゲットワードを用いた自己表現活動
46 Persuasive SpeechのためのPersuasive Writing
47 ペア・グループで行うBuild Up Discussion
48 身近なものを題材にした自己表現活動
49 5 Stepロールプレイング
50 5 Points Rotation
コラム
アクティブ・ラーニングの成功は生徒との人間関係作りから
ペア・グループ学習がうまくいかない時の打開策
教師がアクティブ・ラーナーになる

まえがき

 本書は高校英語教師およびその志望者を対象とした,授業づくりの指南書です。4技能を統合した活動によって思考を深めていく授業づくりのためのヒントやアイデアを多数紹介しています。

 「Chapter1 アクティブ・ラーニングがうまくいく!英語授業改善のポイント」では,英語であろうと他教科であろうと,小学校や中学校や高校であろうと,教科や校種を超えて共通している授業の根幹に当たる「心構え」の部分に焦点を当てています。教師として授業への姿勢の示し方や生徒との向き合い方を具体的に述べ,生徒が英語で言語活動する時間,発信する時間を確保するための原則についてまとめています。


アクティブ・ラーニングの定義

 アクティブ・ラーニング(AL)とは,「一方的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での,あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には,書く・話す・発表するなどの活動への関与と,そこで生じる認知プロセスの外化を伴う」(溝上,2014)。

 次期学習指導要領においては,主体的・協働的に問題を発見・解決していくことが求められ,その基礎となる思考力・判断力・表現力等を育成することが視点となっています。目に見えて生徒が積極的に参加している状態だけでなく,静かにしているように見えても,脳が活性化されている状態を作り出すことが,アクティブ・ラーニングの視点を取り入れた授業づくりへの第一歩と言えます。


全員参加型授業の仕掛け

 「Chapter2 アクティブ・ラーニングを実現する英語授業の指導技術」では,発問や発表形式を工夫し,主体的・対話的な学びを通して,様々な英語の技能を育てる可能性を探ることによって,授業の中での指導の広がりや深い学びを目指します。

 「Chapter3 アクティブ・ラーニングが成功する場面別活動アイデア」では,すばらしい実践というよりは,「アクティブ・ラーニングの視点を取り入れれば誰にとっても手が届くような」教室現場での実践例を紹介することにより,「やってみよう」という意欲が湧くような内容を目指しました。高校生だけでなく,中学生も対象とした様々な実践例を紹介します。


Take Action!

 生徒の「つまらない」「わからない」といった授業に対するコメントや授業中の寝ている態度は,その教師が生徒にしていることの裏返しなのかもしれません。このように伝えてきてくれた生徒のメッセージを大切にし,目の前の生徒をどうにかして伸ばしてやりたいと考え,授業改善をしなければいけません。

 英語教育推進リーダーや東京教師道場の指導助言者,教員向けセミナーの講師として様々な所で授業公開や授業観察をさせていただく時に,「愛情を持って生徒に接し,アクティブな授業をすること」を必ず伝えています。熱意が生徒に伝われば,前向きな姿勢で授業に取り組んでくれるからです。やる気に満ちた生徒を見た教師は,さらにやる気が出ます。この好循環のサイクルを作れるかどうかは,教室でただ1人しかいない私たち教師次第です。自立した学習者を育てるためにはまず教師がアクティブ・ラーナーである必要があります。

 以上のような特徴を持った本書を十二分に活用して,多くの読者の方々が,よりアクティブになり,その授業を受けている何百人,何千人もの生徒がアクティブになるようなきっかけになれば,これにまさる幸せはありません。

 最後になりましたが,常に最も的確で愛情たっぷりな助言をしてくださり,英語教育という幸せな道にお導きくださった,靜哲人先生に,この場を借りて最大の感謝と尊敬の念を表したいと思います。


  2017年1月   /小林 翔

著者紹介

小林 翔(こばやし しょう)著書を検索»

 東京都立白鴎高等学校主任教諭。1983年大阪府生まれ。関西外国語大学外国語学部卒業。関西大学大学院修了(外国語教育学修士)。東京都立千早高等学校を経て現職。専門は英語授業実践学。大学院時代は,On the Orders of Presenting Keywords to Improve Students’ Ability of Listening について研究する一方,『英語発音の達人ワークアウト:Englishあいうえお』に出演。千早高等学校では,SELHi(Super English Language High School)研究事業に従事。東京教師道場外国語高等学校部員,教育研究員,研究開発委員を経て,現在は東京教師道場外国語高等学校リーダー,文部科学省委託事業英語教育推進リーダーとして中核となる高等学校の英語担当教員の中央研修や授業・評価の改善のための指導・助言を行っている。その他にも認定講師として教員研修プログラムやセミナーの講師も務めている。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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