- まえがき 英語授業に探究を
- Chapter1 探究とは?探究型英語授業の基本
- 1 英語科における探究型授業とは?
- 2 教室はどう変わる?教師と生徒のBefore&After
- 3 英語授業で探究に取り組む3つの理由
- 4 「主体的・対話的で深い学び」との関係
- 5 普通の授業を探究型に変える10の要素
- まとめ 探究型英語授業の土台をつかもう
- Chapter2 これで分かる!探究型授業6つのプロセス
- 1 プロセス@ 問いの設定
- 2 プロセスA 情報収集
- 3 プロセスB 整理・考察
- 4 プロセスC 成果物の作成
- 5 プロセスD 発表・共有
- 6 プロセスE 振り返り
- 7 6つのプロセス活用ガイド
- まとめ 探究型英語授業の流れを理解しよう
- Chapter3 時間がなくてもできる!探究型授業5つのモデル
- 1 探究型授業5つのモデル
- 2 モデル@ 教材を活かす「ゼロ時間探究」
- 3 モデルA 5分でできる「帯活動探究」
- 4 モデルB 問いで深める「発問探究」
- 5 モデルC 単元に1〜2時間の追加で深まる「教科書探究」
- 6 モデルD 3時間で挑戦「テーマ別じっくり探究」
- まとめ 「プチ探究」と「じっくり探究」を使い分けよう
- Chapter4 テーマで選ぶ!「教科書探究」8つの授業レシピ
- 1 テーマ別一覧と活用のヒント
- 2 実践例@ 自己分析探究「10年後の私は?」 未来を想像する「未来予測型」×プレゼン
- 3 実践例A SDGs探究「私のアイデアで世界を変える」 SDGsを深掘る「課題解決型」×意見文
- 4 実践例B 地域課題探究「地域を活性化する提案をしよう」 地域を再発見「社会参画型」×観光ポスター
- 5 実践例C 科学と未来探究「AI社会で求められる力とは?」 AI時代を考える「STEAM型」×ミニディベート
- 6 実践例D 文化&エンタメ探究「私が影響を受けた推し作品」 心に残る作品を語る「批評型」×英文批評プレゼン
- 7 実践例E 異文化理解探究「理想の海外旅行プランをつくろう」 旅の魅力を伝える「シミュレーション型」×パンフレット
- 8 実践例F 学校生活探究「学校生活について意見を交わし合おう」 学校生活を語る「意見交換型」×ディスカッション
- 9 実践例G 年度末探究「1年の学びをポスターで振り返る」 学びを振り返る「メタ認知型」×ポスター
- まとめ 8つの探究型英語授業を比べてみよう
- Chapter5 探究の成果をどう測る?評価・学力・入試とのつながり
- 1 「今」の学びを見取る「形成的評価」
- 2 実際の活動で多様な力を測る「パフォーマンス評価」
- 3 プロセスと成果を見える化する「ルーブリック評価」
- 4 生徒が評価に関わる「自己・相互評価」
- 5 定期テストはどう変わる?
- 6 英語探究で「学力」は育つのか?
- 7 英語探究は「入試」とどうつながるか?
- 8 生徒の声から見る英語探究
- まとめ 評価を探究の味方にしよう
- Chapter6 授業づくりを支える!探究の視点とツール
- 1 教室に「探究文化」を育てる
- 2 ICT・AIを活かす授業アイデア
- 3 「ブルームのタキソノミー」で思考を深める
- 4 提案で終わらず,社会や生活につなげる工夫
- 5 特別な支援が必要な生徒への配慮と工夫
- まとめ 探究を支える仕組みを整えよう
- Chapter7 実践しよう!探究型授業の単元デザイン
- 1 探究を授業に取り入れる基本ステップ
- 2 課題設定を工夫し,リフレクションシートを作成する
- 3 単元構成をデザインする
- 4 授業の随所で「探究心」を引き出す
- 5 単元の最後は発表と振り返りで締めくくる
- まとめ 探究型英語授業を5つのポイントでデザインしよう
- 参考文献
まえがき
英語授業に探究を
「生徒が問いを立て,調べ,考え,英語で伝える」――そんな探究型の英語授業が,いま少しずつ広がり始めています。
本書で紹介する「探究型英語授業」(略称「英語探究」)は,英語力だけでなく,思考力や表現力,そして社会とつながる力を育む学びです。
「英語授業で探究なんて難しそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが実際には,「いつもの授業」にちょっと工夫を加えるだけで,探究型授業は無理なく始められます。例えば,「問いを工夫する」「活動に目的や相手を加える」「評価の観点に多様性を持たせる」――こうした取り組みだけでも,生徒の学びは少しずつ探究型に変わっていきます。
ご存知のように,いま学校教育では「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実が求められています(文部科学省)。
このうち「個別最適な学び」には,学習のペースや理解度に合わせて支援する「指導の個別化」(Personal)と,生徒の関心や特性を出発点にする「学習の個性化」(Individual)という,2つの側面があります。
前者の「指導の個別化」は,タブレットやデジタル教科書の活用,自由進度学習などの広がりによって少しずつ進みつつありますが,後者の「学習の個性化」,つまり,生徒の興味や価値観から始まる学びについては,まだまだこれから,というのが現場の実感ではないでしょうか。
探究型英語授業は,この「学習の個性化」を,日常の授業で具体的に実現できる方法のひとつです。同時に,「主体的・対話的で深い学び」を体現する実践でもあります(詳細はChapter4 で紹介します)。
本書では,英語授業に探究を無理なく取り入れる方法として,授業モデルやテーマ別の実践例,評価の方法,ICT・AIの活用まで,すぐに役立つ具体的なアイデアを幅広く取り上げます。
教師の工夫や問いかけが,生徒の目の輝きを変えます。そして何より,「教える側も面白くなる」――それが,探究型授業の大きな魅力です。探究を通して,生徒は,「もっと知りたい」「自分の考えをかたちにしたい」「伝えたい」「違う考えを知りたい」という実感を得ていくのです。
探究型授業では,以下のような変化が生まれます。
○「正解探し」から,「自分なりの問いと答えを考える」学びへ
○単語や文法を「覚える」から,「何かのために使う」活動へ
○英語を「教わるもの」から,「生活や社会とつながる力」へ
こうした変化が起こるからこそ,教師自身にとっても「教えていて楽しい」「生徒の多様な考えにワクワクする」授業になるのです。このような学びは,皆さんの教室でも実現できます。
本書は,「教科探究」の実践を目指す一冊です。あわせて,探究学習の理解を深める『高校教師のための「探究学習」ガイドブック』(明治図書/中学校でも活用可能)や,英語発表力を高める『英語リテリング&ショート・プレゼンテーション指導ガイドブック』(明治図書)も刊行されています。3冊を組み合わせて「探究」「発表」「授業デザイン」がつながる「探究3部作」としてご活用いただけます。授業づくりの一助となれば幸いです。
それでは,ご一緒に―─
探究する英語授業への冒険,ここから始めましょう!
2025年12月 /上山 晋平
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明治図書

















