- はじめに
- 生徒指導主任の仕事 年間スケジュール
- CHAPTER1 12年ぶりの大改訂!「生徒指導提要」から令和型生徒指導を読み解く12のポイント
- 「支える」生徒指導へ
- 生徒指導の定義を押さえる
- 生徒指導の目的をいつも意識する
- 自己指導能力について理解する
- 生徒指導の実践上の視点@自己存在感の感受
- 生徒指導の実践上の視点A共感的な人間関係の育成
- 生徒指導の実践上の視点B自己決定の場の提供
- 生徒指導の実践上の視点C安全・安心な風土の醸成
- 生徒指導の構造[2軸3類4層構造]を押さえる
- 時間軸に着目する「2軸」を見る
- 課題性と対応の種類の視点で見る「3類」
- 生徒指導の「4層」を見る
- COLUMN ルールは子どもとつくる
- CHAPTER2 生徒指導主任拝命!生徒指導主任っていったいどんな人?
- 学校全体の「安全・安心」をつくりだす
- 学校全体の「安全・安心」な場づくりを推進する
- 学校全体の実態をつかむ―子ども編
- 学校全体の実態をつかむ―先生編
- 学校全体の実態をつかむ―地域編
- カウンセリングマインドを忘れない
- ルールとは何かを押さえておく
- 日ごろから先生たちとコミュニケーションを図る
- 子どもたちの様子に敏感になる
- COLUMN 規律があるから自由な学びが生まれる
- CHAPTER3 これでバッチリ!生徒指導主任 365日の全仕事
- 生徒指導の方向性を打ち出す〜「生徒指導提要」をもとに〜
- 生徒指導の基本的な方向性を確認する
- 自己指導能力について共有する
- 「自己存在感の感受」について共有する
- 「共感的な人間関係の育成」について共有する
- 「自己決定の場の提供」について共有する
- 「安全・安心な風土の醸成」について共有する
- システムにエラーはなかったかチェックする
- 現場主義を徹底する
- 生徒指導の方法の共通認識を持つ〜「生徒指導提要」を具現化する〜
- 何かあったときにはすぐに報告する
- 解決に必要な人への連絡を
- 自分だけで抱え込まずに相談を
- 全教職員がすべての児童生徒を把握する
- 事実と指導は分けて考える
- できるかぎり記録に残すシステムづくり
- 学校全体の生徒指導を運営する〜「生徒指導提要」を浸透させる〜
- 生徒指導部会を運営する
- 職員会で先生に話す
- 全校朝会で子どもたちに話す
- 長期休業の前に子どもたちに話す
- 生徒指導課題について保護者と共有する
- 月の生活目標を運用する
- 避難訓練を実施する
- 集団下校を実施する
- 1年生のお迎えを上級生に託す
- 各担当と連携して生徒指導を強化する〜「生徒指導提要」を実装する〜
- 校長先生と方針の確認をする
- 教頭先生と日々の連携をマメにする
- 児童会主任とタッグを組む
- 道徳教育推進教師と両輪で進める
- 教務主任と年間指導計画を話し合う
- 研究主任とそれぞれの役割を話し合う
- 養護教諭と子どもについて話し合う
- 学年主任と日々の生徒指導を交流する
- 学級担任に小さな声かけを行う
- 他校の生徒指導主任と情報交換を行う
- トラブル事案をチームで解決する〜「生徒指導提要」を活用する〜
- トラブルを発見した際の基本的な流れをつかむ
- まずは状況を把握する
- 解決に必要な見通しを持つ
- 子どもたちへ聞き取り調査を行う
- 問題点を明らかにする
- 必要な指導を実施する
- フォローを欠かさずに行う
- いじめに対する基本方針を打ち出す
- いじめアンケートを実施する
- カリキュラムの中にいじめ対策を組み込む
- 不登校とは何かを押さえる
- 不登校児童生徒を把握する
- ケース会議を開催する
- 対応を担任まかせにしない
- 長期的な視野で考えることを押さえておく
- 一年間の生徒指導を振り返る〜チェック機能としての「生徒指導提要」〜
- 子どもたちの実態と次年度の課題を把握する
- 私たちの生徒指導について振り返る
- 校則を見直す
- 避難訓練などを振り返る
- カリキュラムを見直す
- COLUMN 規律をつくれなかった初任時代
- CHAPTER4 学校の「安全・安心」をつくりだそう!生徒指導主任としての心構え
- 生徒指導主任は学校の安全基地である
- 生徒指導主任は学校の防人である
- 昔ながらの厳しい指導と決別する
- 厳しい指導とは何かをわかっておく
- 森信三先生の教育に学ぶ
- 「共感」「同感」「社会」を使い分ける
- 生徒指導は学校の緊急車両の役割である
- 生徒指導とは子どもたちの自律を育てるためにある
- COLUMN 学校の手綱はだれが引く?
- おわりに
はじめに
2022年12月,「生徒指導提要」が12年ぶりに改訂されました。
そもそも「『生徒指導提要』って何????」と思っている方も少なくないと思います。
「生徒指導提要」とは……
小学校段階から高等学校段階までの生徒指導の理論・考え方や実際の指導方法等について,時代の変化に即して網羅的にまとめ,生徒指導の実践に際し教職員間や学校間で共通理解を図り,組織的・体系的な取組を進めることができるよう,生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書として作成したもの(文部科学省HPより)
とされています。
これだけ長い定義を読んでも「なんのこっちゃ……?」と思う方も多いかもしれません。
さらに,今回の生徒指導提要は,前回の生徒指導提要よりも60ページも増え,約300ページにもわたる大作となっています。とても現場の先生が読みあげることができないような文章量となっています。
「どうしてそんな大量の情報を……」
「そんなにたくさんのことを書いてあっても,どこを現場で活かしたらいいのかわからない」
「そもそも,これまでの生徒指導とこれからの生徒指導はどう変わるの?」
様々な声がみなさんからここまで届いてくるようです。
これだけの文章量を読み込み,現場で使えるポイントを抽出して現場の学校の生徒指導に活かすということは至難の業です。とてもではありませんが,そのような時間は現場の先生にはありません。
そこで,本書です。
本書では,最新版の「生徒指導提要」のポイントを盛り込みながら,初めて生徒指導主任(生活指導主任)を受け持つ先生が,実際にどのようにして生徒指導主任として現場で活かすことができるのかをできるだけわかりやすく記させていただきました。
本書では,今回の「生徒指導提要」の以下のキーワードに着目しました。
・自己指導能力
・2軸3類4層(プロアクティブな生徒指導とリアクティブな生徒指導)
・いじめ・不登校対策
・チーム学校
・校則の見直し
「生徒指導提要」で書かれたこれらの要素を盛り込みながら,実際にどのように活かしていくか,私の現場での実践で得た知識と経験を織り交ぜながら記させていただきました。
いわば
最新の「生徒指導提要」と現場での知見をかけ合わせ,実践に即して仕上げた
ともいえるでしょう。
今回の「生徒指導提要」の大切な考えである「支援する生徒指導」をどのように学校現場で具現化していくのかをわかりやすく記しています。
ぜひ,本書の内容を学校の生徒指導にお役立ていただければと思います。
本書がこれまでの生徒指導の良さを活かしつつ,これからの生徒指導のお役に立てることを心から願っています。
※なお,本書は主として小学校現場で役立てていただくことを前提に記しております。実態に合わせて,置き換えてお読みください。
令和5年2月 /丸岡 慎弥
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- 明治図書
- 読みやすかった2024/6/3020代・小学校教員
- 生徒指導提要が代わり、生徒指導観をアップデートしていく上でそれを具体的に日頃どのように活かすかが書かれていて参考になった。2023/7/730代・中学校教員