- まえがき
 - 第一章 ドキュメント・「統合学習」の実践から
 - 1 ぽくもわたしも名人・博士! 三年 『つばさタイム』
 - T OUTLINE
 - U REPORT
 - V INTERVIEW
 - (1) 「マイプラン的学習」はシリーズ化されている:
 - (2) 休み時間にやりたい、家でもやりたい、全校生で楽しんでみたい
 - (3) 親も教師もともに「マイプラン」を楽しむ姿勢を
 
- 2 街を歩いて 私達の街のじまん発見! 五年 『館山市再発見』
 - T OUTLINE
 - U REPORT
 - V INTERVIEW
 - (1) 幕張新都心への学習旅行がきっかけに
 - (2) 自分の生まれ育った館山を見直す
 - (3) この子ども達が館山市について、将来何を考え何をしていくのかが楽しみ
 
- 3 演劇家から学べ! 五年 『子ども文化祭』より『演じる』
 - T OUTLINE
 - U REPORT
 - V INTERVIEW
 - (1) 「統合学習」と教科学習との関連〜「統合学習」を学力で語りたい
 - (2) 「統合学習」は「広がりの学力」
 - (3) 地域の方との共同企画の実践
 - (4) 無意識に自己表現する不思議な感覚を大切にしていってほしい
 
- 4 私達にも生活デザインできる! 六年センター活動 『情報センター』
 - T OUTLINE
 - U REPORT
 - V INTERVIEW
 - (1) 情報をコントロールし、表現できる子どもを
 - (2) キーワードは「ギブアンドテイク」
 - (3) 社会に目を向け、社会にはたらきかける人間に
 
- 第二章 総合学習をつくる「共同企画システム」
 - 1 これからの実践は「共同企画システム」で
 - (1) 「開かれた学校」と「共同企画システム」
 - (2) 「名人芸」と「共同開発システム」
 - (3) 「一人一人が経営者」「分担に耐え、分担を超える」
 
- 2 プラン実践・検証シスラムとカリキュラム管理室
 - (1) 自前の「プラン」をつくる、改訂する
 - (2) カリキュラム管理室
 - (3) 「プラン実践・検証システム」の流れ
 
- 3 「共同企画システム」の実践例
 - (1) 全学年・全教科にまたがる加配T・T運営システムをつくる
 - T・Tの実践例 二年統合学習「のびのびタイム」
 
- (2) サークルを校内につくる〜「Q」という名の読書教育サークル
 - レポートの検討とイベントの企画が、生命線
 - イベントQ・1〜ストーリーテリングとパネルシアターのホンモノにふれる
 - イベントQ・2〜学習展開と話し合いで、これからの読書教育実践を考える
 
- (3) PTA・地域社会との共同プロジェクトを進める〜「北条ふれあいフェスタ」
 - 境界線上に立つイベント「北条ふれあいフェスタ」とは
 - 各イベントの紹介
 - 「フェスタ」を支える共同企画プロジェクト「フェスタプロ」
 
- 4 「共同企画システム」は総合学習を豊かにする
 - (1) 総合学習を生み出していくための条件
 - (2) キーワードは「開くこと」と「統合すること」
 
- 第三章 これからの総合学習・北条小21委員会案
 - 1 総合学習とは
 - (1) 総合学習と教科書学習の違い
 - (2) 総合学習を支える「課題性の原理」とは
 
- 2 総合学習を生かしたカリキュラム構造の提案
 - (1) カリキュラムの全体構造
 - (2) 「総合学習の層」 〜その核と領域
 
- あとがき
 
まえがき
本書は、次の三つの問題意識に答えるべく構成されている。
T 総合学習の実際の内容を知りたい。
U 総合学習の実践のつくり方を知りたい。
V 総合学習の基礎理論を知りたい。
著者が住む千葉県の南房総は、花の名産地である。
本書の構成を花作りに例えるならば、次のようになる。
館山市立北条小学校という「花畑」に咲いた総合学習(「統合学習」)の花々をじっくりと見よう。そして、その花々を丹精こめて育てた農夫の話を聞こう。
次にこれらの花々の育つ北条小学校の「花畑」の土壌に目を向けよう。そして農夫の仕事ぶりから、総合学習の花花の育て方を理解しよう。
さらに、その農夫は何を考えて花々を育てているのか。これから考えなければならないことは、何か。そんなことにもちょつとだけ耳を傾けよう。
こんな感じになる。
第一章では、北条小学校の「統合学習」の実践を紹介する。
北条小学校では昭和四十年代後半より、総合学習の一種である「統合学習」が提唱され、以来数々の実践がつくり出されてきた。
ここでは、最近二、三年の実践に的をしぼり、四つの実践をとりあげた。
そしてそれぞれの実践について、その全体のアウトライン、そして特定の一時間のハイライトを載せるとともに、中心になって開発・実践を行った教師へのインタビューも収録した。
総合学習の実践を知り、自分の実践に生かしていくために大切なことは、その実践の全体像、言わば実践の「おもて側」を知るとともに、その実践がつくり出されてきた背景やプロセス、言わば実践の「うら側」を知ることであると考える。その「うら側」が見えるように、インタビューを行ったのである。
なおこのインタビューの話し手は、すべて本書の著者である「北条21委員会」のメンバーである。
第二章では、このような「統合学習」の実践をつくり出してきた北条小学校の、独特の経営システムを紹介する。
総合学習をつくり出すためには、学校の経営システムから見直していかなければならない、という主張をここではしたい。
そのキーワードは「共同企画」である。
北条小学校の経営システムについて紹介することによって、これからのあるべき学校像、教師像を示したつもりである。
第三章は、本書唯一の理論編である。
総合学習と教科学習はどうちがうのか。
総合学習を生かしたカリキュラムをどう構想すればよいのか。
理論はシンプルな方がよい、と考え、以上を十ページにまとめてみた。
北条小学校の「統合学習」の理論、そしてカリキュラムの理論をふまえて、ここでは「北条小21委員会案」という私案の形で、総合学習の基礎理論を展開する。
以上、本書は、北条小学校の「統合学習」や経営システムを紹介しつつ、これからの総合学習の在り方、そして学校や教師の在り方について提案したい、という意図でうみ出された。
広くこれからの教育の在り方について考えている方々に、少しでもお役に立てれば、幸いである。
一九九七年七月十九日 著 者
- 
明治図書
 















