総合的学習への挑戦3総合学習をつくる北条小プラン30の実践

投票受付中

ドキュメント・「総合学習」の実践から/総合学習をつくる「共同企画システム」/これからの総合学習・北条小21委員会案/具体的な事例集。


復刊時予価: 2,387円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-227918-2
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
4刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 136頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第一章 ドキュメント・「統合学習」の実践から
1 ぽくもわたしも名人・博士! 三年 『つばさタイム』
T OUTLINE
U REPORT
V INTERVIEW
(1) 「マイプラン的学習」はシリーズ化されている:
(2) 休み時間にやりたい、家でもやりたい、全校生で楽しんでみたい
(3) 親も教師もともに「マイプラン」を楽しむ姿勢を
2 街を歩いて 私達の街のじまん発見! 五年 『館山市再発見』
T OUTLINE
U REPORT
V INTERVIEW
(1) 幕張新都心への学習旅行がきっかけに
(2) 自分の生まれ育った館山を見直す
(3) この子ども達が館山市について、将来何を考え何をしていくのかが楽しみ
3 演劇家から学べ! 五年 『子ども文化祭』より『演じる』
T OUTLINE
U REPORT
V INTERVIEW
(1) 「統合学習」と教科学習との関連〜「統合学習」を学力で語りたい
(2) 「統合学習」は「広がりの学力」
(3) 地域の方との共同企画の実践
(4) 無意識に自己表現する不思議な感覚を大切にしていってほしい
4 私達にも生活デザインできる! 六年センター活動 『情報センター』
T OUTLINE
U REPORT
V INTERVIEW
(1) 情報をコントロールし、表現できる子どもを
(2) キーワードは「ギブアンドテイク」
(3) 社会に目を向け、社会にはたらきかける人間に
第二章 総合学習をつくる「共同企画システム」
1 これからの実践は「共同企画システム」で
(1) 「開かれた学校」と「共同企画システム」
(2) 「名人芸」と「共同開発システム」
(3) 「一人一人が経営者」「分担に耐え、分担を超える」
2 プラン実践・検証シスラムとカリキュラム管理室
(1) 自前の「プラン」をつくる、改訂する
(2) カリキュラム管理室
(3) 「プラン実践・検証システム」の流れ
3 「共同企画システム」の実践例
(1) 全学年・全教科にまたがる加配T・T運営システムをつくる
T・Tの実践例 二年統合学習「のびのびタイム」
(2) サークルを校内につくる〜「Q」という名の読書教育サークル
レポートの検討とイベントの企画が、生命線
イベントQ・1〜ストーリーテリングとパネルシアターのホンモノにふれる
イベントQ・2〜学習展開と話し合いで、これからの読書教育実践を考える
(3) PTA・地域社会との共同プロジェクトを進める〜「北条ふれあいフェスタ」
境界線上に立つイベント「北条ふれあいフェスタ」とは
各イベントの紹介
「フェスタ」を支える共同企画プロジェクト「フェスタプロ」
4 「共同企画システム」は総合学習を豊かにする
(1) 総合学習を生み出していくための条件
(2) キーワードは「開くこと」と「統合すること」
第三章 これからの総合学習・北条小21委員会案
1 総合学習とは
(1) 総合学習と教科書学習の違い
(2) 総合学習を支える「課題性の原理」とは
2 総合学習を生かしたカリキュラム構造の提案
(1) カリキュラムの全体構造
(2) 「総合学習の層」 〜その核と領域
あとがき

まえがき

 本書は、次の三つの問題意識に答えるべく構成されている。

 T 総合学習の実際の内容を知りたい。

 U 総合学習の実践のつくり方を知りたい。

 V 総合学習の基礎理論を知りたい。

 著者が住む千葉県の南房総は、花の名産地である。

 本書の構成を花作りに例えるならば、次のようになる。

 館山市立北条小学校という「花畑」に咲いた総合学習(「統合学習」)の花々をじっくりと見よう。そして、その花々を丹精こめて育てた農夫の話を聞こう。

 次にこれらの花々の育つ北条小学校の「花畑」の土壌に目を向けよう。そして農夫の仕事ぶりから、総合学習の花花の育て方を理解しよう。

 さらに、その農夫は何を考えて花々を育てているのか。これから考えなければならないことは、何か。そんなことにもちょつとだけ耳を傾けよう。

 こんな感じになる。

 第一章では、北条小学校の「統合学習」の実践を紹介する。

 北条小学校では昭和四十年代後半より、総合学習の一種である「統合学習」が提唱され、以来数々の実践がつくり出されてきた。

 ここでは、最近二、三年の実践に的をしぼり、四つの実践をとりあげた。

 そしてそれぞれの実践について、その全体のアウトライン、そして特定の一時間のハイライトを載せるとともに、中心になって開発・実践を行った教師へのインタビューも収録した。

 総合学習の実践を知り、自分の実践に生かしていくために大切なことは、その実践の全体像、言わば実践の「おもて側」を知るとともに、その実践がつくり出されてきた背景やプロセス、言わば実践の「うら側」を知ることであると考える。その「うら側」が見えるように、インタビューを行ったのである。

 なおこのインタビューの話し手は、すべて本書の著者である「北条21委員会」のメンバーである。


 第二章では、このような「統合学習」の実践をつくり出してきた北条小学校の、独特の経営システムを紹介する。

 総合学習をつくり出すためには、学校の経営システムから見直していかなければならない、という主張をここではしたい。

 そのキーワードは「共同企画」である。

 北条小学校の経営システムについて紹介することによって、これからのあるべき学校像、教師像を示したつもりである。


 第三章は、本書唯一の理論編である。

 総合学習と教科学習はどうちがうのか。

 総合学習を生かしたカリキュラムをどう構想すればよいのか。

 理論はシンプルな方がよい、と考え、以上を十ページにまとめてみた。

 北条小学校の「統合学習」の理論、そしてカリキュラムの理論をふまえて、ここでは「北条小21委員会案」という私案の形で、総合学習の基礎理論を展開する。


 以上、本書は、北条小学校の「統合学習」や経営システムを紹介しつつ、これからの総合学習の在り方、そして学校や教師の在り方について提案したい、という意図でうみ出された。

 広くこれからの教育の在り方について考えている方々に、少しでもお役に立てれば、幸いである。


  一九九七年七月十九日   著 者

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ