- はじめに
- ■総論編
- 1.私たちが考える「確かな学力」…本校のとらえ方
- (1) 流行の学力向上策への疑問
- (2) 「確かな学力」とは
- 2.「学ぼうとする力」を引き出す学習指導
- (1) 「学ぼうとする力」とは
- (2) 各教科等の「学ぼうとする力」
- (3) 3つの場面で育つ「学ぼうとする力」
- (4) 「学ぼうとする力」を引き出す授業
- (5) 授業づくりのポイント
- 3.「確かな学力」をより確かなものに…評価と学習規律
- (1) 5つの力による評価観点の統一化
- (2) 「確かな学力」を支える学習規律
- ■実践編
- 国語科 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.確かで豊かな言葉の力を育む国語科学習
- (1) 学ぼうとする力を引き出し,体験的に学ぶ言語事項の学習
- (2) おもしろさへの気付きが学ぼうとする力を育む読むことの学習
- 2.「分かった」「できた」が生きる国語科学習
- (1) 読書生活を豊かにする読むことの学習
- (2) 学ぼうとする力を高め,漢字や熟語の興味を広げる学習
- 3.自ら学びを深め,広げる国語科学習
- (1) 推理小説を題材にした読むこと・書くことの学習
- (2) 作品と作品,作品と作者をつなぐ読むことの学習
- 社会科 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.自分とのつながりを感じ取る社会科学習
- (1) 地域教材を生かした歴史学習
- (2) 身近な地域と世界を結ぶ学習
- 2.知りたい,調べたい,解き明かしたい社会科学習
- (1) わたしのくらしを見つめる,水のリサイクルの学習
- (2) 社会の仕組みに迫る,警察官の仕事の学習
- 算数科 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.子どもが「問い」や「課題」を生み出す算数科学習
- (1) 式と言葉・文章題を子どもの手に
- (2) ミニトマトの栽培活動を生かした長さの学習
- 2.子どもの思いや疑問を生かした算数科学習
- (1) 子ども同士の交流を重視した小数のかけ算の学習
- (2) 子どもの素朴な疑問からスタートしたかけ算の学習
- 3.子どもの操作活動を生かした算数科学習
- (1) 基準となる単位を生み出す重さ調べの学習
- (2) 答えを確かめたくなるわり算の学習
- 理科 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.科学者気分でものがもつ魅力にひたる理科学習
- (1) モーターとプロペラの魅力
- (2) 光電池の魅力
- 2.自然の巧みさ・すごさを実感する理科学習
- (1) 受粉は不思議と思わないか?!
- (2) 花粉も生きている
- 3.新たな認識を生む理科学習
- (1) 「認識のずれ」を生かした理科学習
- (2) 「体験」により認識を高める理科学習
- 生活科 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.気付きを促し,活動への意欲を高める生活科学習
- (1) 地域の自然を生かした学習活動
- (2) 身近な人とのかかわりを大切にした学習活動
- 音楽科 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.「音楽をしたくなる子ども」を育てる音楽科学習T
- (1) 体を通してリズム表現を学ぶ学習
- (2) 歌から表現を発展させる学習
- 2.「音楽をしたくなる子ども」を育てる音楽科学習U
- (1) リコーダー奏にあこがれ,意欲をもち続けて学習する
- (2) 自分たちの音楽表現への見通しをもって学習する
- 3.「音楽をしたくなる子ども」を育てる音楽科学習V
- (1) 「学ぼうとする力」を持続させる学習展開の工夫
- 図画工作科 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.素材の感じを豊かに感じ取る図画工作科学習
- (1) 心地よさや形づくるおもしろさを見つける砂の造形遊び
- (2) むすぶ・つなぐ力を生かすひもの造形遊び
- 2.表す楽しさと見通しをもって挑戦する図画工作科学習
- (1) 素材や材料のおもしろさを感じ取る
- (2) 感じたことが次への見通しにつながる造形遊び
- 3.表す喜びと確かな気付き・手応えのある図工の学習
- (1) 描く楽しさを感じ,想いを広げる「絵に表す」学習
- (2) 表す喜びを体感し,新しい発見のある「造形遊び」の学習
- 家庭科 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.家庭生活に関心をもち,工夫して生活に生かしていこうとする子どもを育てる家庭科学習
- (1) 家族や周りの人とふれあい,実践につなぐ家庭科学習
- (2) 「できた」という喜びを大切にした家庭科学習
- 体育科 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.楽しさを繰り返しながら感覚・感性を磨く体育科学習
- (1) 運動の魅力を明確にして教材化し,意欲を引き出す学習
- (2) ねうちある運動体験を積み上げる学習
- 2.満足感,達成感が得られる体育科学習
- (1) 仲間とのかかわりの中で高め合える学習
- (2) 自己の高まりや手応えを感じることができる学習
- 3.運動への自立を育てる体育科学習
- (1) 仲間とのかかわりの中で高め合える学習
- (2) 教える内容を精選し,具体的に評価できる学習
- 4.よりよく健康で生きる子どもを育てる保健学習
- (1) 自分がどのように行動するかを考える学習
- (2) 身近な教材と実社会を結ぶ学習
- 人間 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.「よりよく生きよう」とする子どもを育てる人間学習
- (1) 縦と横のつながりを生かした生命尊重の学習
- (2) 目の見える世界と目の不自由な世界の関係を考える学習
- 総合 で伸ばしたい「確かな学力」
- 1.豊かになる自分を自覚できる総合的な学習
- (1) 自分で追究する喜びと実感を自覚できる「調べる」学習
- (2) 人の喜びを自分の喜びとして自覚できる「つくる」学習
- 2.琵琶湖と子どもの心を豊かにつなぐ環境学習
- (1) 発達段階に応じた琵琶湖とのかかわり
- (2) 琵琶湖へのプラスのイメージを膨らませる
- (3) 教科の学習との連携
- ■歴史編
- 1.近代社会に生きる人間を育てる
- 2.子どもの個性を尊重する教育から軍国主義の教育へ
- 3.戦後の民主主義社会の担い手を育てる
- おわりに
はじめに
子どもの「学ぼうとする力」とは,どのようなものか。どうしたら「学ぼうとする力」を引き出す授業ができるのか。子どもが授業の中で,生き生きと学ぼうとする場面はどこなのか。子ども一人ひとりが教科の学習や総合的な学習の中で,学ぼうとする力をもとにして,「確かな学力」を付けていくためにはどういう指導がよいのか。
これらの問いは,この3年間の私たちの重要な研究課題である。2003(平成15)年度から子どもの「基本の学び」の追究をテーマに研究を始め,各教科等の授業研究に力点をおいて,子どもの「学ぼうとする力」についての研究を進めてきた。総論編,実践編ともいまだ研究途上であるが,現段階までの成果の一端をまとめて,多くの方々からのご批判・ご批評をいただき,さらに研究を深めていきたい。
本学にとって,2005年は創立130周年を迎える記念すべき年である。1875(明治8)年に滋賀県小学教員伝習所附属小学校として創立・開校して以来,滋賀県師範学校附属小学校,滋賀大学教育学部附属小学校とたびたび名称が変わってきた。しかし,附属小学校の任務は,第1に教員養成のための教育実習及び現職教員研修のための教育を行うこと,第2に県下の教育研究・実践の中心校であること,の2点は何ら変わっていない。独法化2年目を迎えて,二大任務はいっそう重要な責務になってきている。歴史編において,戦前・戦後を貫く本学の教育研究の特色として,低学年教育論,郷土教育・地域教育論,発達段階を踏まえた教科指導論の探究が明らかになる。
最後に,滋賀県の大正新教育運動の実践家谷騰の言葉をあげたい。「読書,観察,労働は人格完成の3要素なり。読書の中に思索あり,観察の中に思考あり,労働の中に自覚あり」。21世紀を生きる子どもの人格を発達させていく上で,谷の含蓄ある言葉を胸に刻みつつ教育実践にあたりたい。
校長 /木全 清博

















いずれも子どもの「学ぼうとする力」に焦点を当てた、臨場感溢れる授業記録となっている。
同校の教員たちの「確かな学力」を伸ばす授業づくりへの真摯な取り組みとチームワークが際立つ好著。