- はじめに
- 教具を活用した授業づくりのポイント
- 1 教具の活用で子どもが輝く!授業が楽しくなる!
- 2 授業への効果的な教具の取り入れ方と注意
- 3 自作する場合のアドバイス
- 参考文献等
- 「わかった」「できた」のコツが味わえる体育教具アイデア100
- 体つくり運動系
- 1 「キャスターボード」を乗りこなそう
- 器械運動系
- [マット]
- 2 身体のシメを創り出す「肩甲骨テープ」
- 3 首・背中・腰の「3点スポンジ」で順に着いているか自分で感じよう
- 4 「ミニコーン」を越えて3連続前転しよう
- 5 「連続写真」の提示で伸膝前転の違いを話し合おう
- 6 「角度君」と「角度テープ」で伸膝前転の腰角度を測り意識させよう
- 7 「目線カード」で腰の高いブリッジを
- 8 後転は「マット3枚重ね」と「丸テープ」で開脚後転からやってみよう
- 9 「ボール」を挟んで伸膝後転にチャレンジ
- 10 「手形足形カード」で側転の軌跡を確認しよう
- 11 「ケンステップ」と「ゾウさんパオーン!」で側転しよう
- 12 「ロープ」でも「ゾウさんパオーン!」で側転しよう
- 13 「鈴付きゴムひも」で側転の着手までを大きくしよう
- 14 「鈴付きゴムひも」で側転の足をピンと伸ばそう
- 15 「指ゴム」で連続側転をスムーズにしよう
- 16 「アンテナさんがピーン!」で肩倒立の腰をグッと引き上げよう
- 17 「ゴムひも」を使って肩倒立から立ち上がろう
- 18 「ゴムひも」を使ってアンテナブリッジで高く足を伸ばそう
- 19 「ブーブークッション」でアンテナブリッジの背中に意識集中しよう
- 20 「見て見てカード」で前転V字バランスをスムーズにしよう
- 21 「ゴムひも」を使って前転ブリッジの腰と足を引き上げよう
- 22 「ゴムひも」を使ってマットを突っぱねよう
- 23 「目印テープ」で倒立ブリッジでステージから下りよう
- 24 「セーフティマット」で前方ブリッジ転回に挑戦しよう
- 25 「手形カード」で前方倒立回転の着手を前向きにしよう
- [跳び箱]
- 26 「セーフティマット」に跳び込もう
- 27 「ブーブー踏切板」を使って両足踏切を確かめよう
- 28 「距離調節器」を置いて遠くから高く踏み切ろう
- 29 「視線カード」で安定感のある横跳び越し・かかえ込み跳びをしよう
- 30 「手形足形カード」でかかえ込み跳びに必要な感覚をつくろう
- 31 「元気玉キック!」で足(膝)がピンと伸びた台上前転をしよう
- 32 「足形カード」で両足踏切を確実にしよう
- 33 「手形カード」でぶれない切り返しをしよう
- 34 「高い高いメーカー」で横跳び越しのウルトラCを目指そう
- 35 「プールスティック」を使って「セブーンブリッジ」で首はね跳びに挑戦しよう
- 36 「プールスティック」を使って「セブーンブリッジ」で頭はね跳びに挑戦しよう
- 37 「友達入りワークシート」で新たな課題を発見しよう
- 38 動画のスクリーンショットを「連続写真」にして動きを分析しよう
- 39 「動画の比較」で上手な動きのポイントを確認しよう
- 40 「ねこちゃん体操」で体幹コントロールを養おう
- 41 効果的な「合言葉」でかかえ込み跳びのイメージを共有化しよう
- 42 効果的な「合言葉」で両足踏切,横跳び越しのイメージを共有化しよう
- 43 先生の「できないお手本」で観るポイントを示そう
- 44 「手づくり跳び箱キャスター」で準備や片付けを効率的にしよう
- [鉄棒]
- 45 「コウモリメーター」でこうもり振りの振り幅をチェックしよう
- 46 スリル満点「腰ピンテープ」で美しいえび回り下りをしよう
- 47 逆上がりは「簡易マット4枚重ね」で鉄棒に身体を巻き付けよう
- 48 「くつしたパット」でこうもり振りの痛さを軽減しよう
- 陸上運動系
- [短距離走]
- 49 「田植えライン」と「スピード曲線」で自分の走りを可視化しよう
- 50 「リボン走」でトップスピードに乗ろう
- [ハードル]
- 51 「箱跳び走」で自分に合ったインターバルを探そう
- 52 「ケンステップ」でどこから踏み切りどこに着地するかを意識させよう
- 53 「ピン!足裏カード」と「危険フラッグ」でハードリングの技能を向上しよう
- [長距離走]
- 54 「1000秒カウントCD」と「ワークシート」でペースランニングをしよう
- 55 「新聞マラソン」で同じペースで走ろう
- 56 「風船マラソン」でスピードを意識して長く気持ちよく走ろう
- 57 「マラソン日本記録」を分析して一定のペースで走ろう
- 58 「持久走セット」で記録しよう
- 59 「飛脚」で駅伝の歴史を追体験しよう
- [リレー]
- 60 「ゴーマーク鬼ごっこ」で全力でボールから逃げよう
- 61 「ゴーマーク鬼ごっこ」でリボンをつかまえよう
- [幅跳び]
- 62 「段ボール」と「ケンステップ」で踏切技術を獲得しよう
- 63 「ペットボトルハルテーレス」で歴史を追体験しよう
- [高跳び]
- 64 「ライダーキック」で楽しく跳ぼう
- 65 「ジャンピングヘッド」で重心を引き上げよう
- 66 「母趾球シール」で母趾球を意識して跳ぼう
- [技]
- 67 「紙鉄砲」で投げる感覚をつかもう
- 68 いろいろなボールを「じゃらじゃらまと」に投げて遊ぼう
- 69 「新聞紙ボール」と「新聞紙的」で遠くに投げよう
- 70 「バトンスロー」で遠くに投げるための身体の使い方を学ぼう
- 71 「水入りペットボトル」を正確に遠くに投げよう
- 72 「ボーラ」で投げる楽しさを味わおう
- 73 「手づくりやり」でやり投げにチャレンジしよう
- 水泳運動系
- 74 「プールスティック」で背浮きをしよう
- 75 「プールスティック」でキックを練習しよう
- 76 「視線カード」で意識集中して浮こう
- 77 「スモールビート板」でクロールの息継ぎをマスターしよう
- 78 「呼吸ライン」の調査で安定して泳ごう
- 79 「あごにボール」で視線と頭の向きの感覚づくりをしよう
- 80 「お手玉」を使って水をつかむ感覚をつかもう
- 81 「たらいや浮き輪」で水をかく感覚をつかもう
- 82 「段ボール」を使ってクロールの腕の感覚を身に付けよう
- ボール運動系
- [ゴール型]
- 83 「オリジナル段ボールまと」で的当てゲームをしよう
- 84 2対1の「段ボールまと」でボールを持たない子の動きを考えよう
- 85 バスケットボールは「ゲーム心電図」をつくってみんながシュートしよう
- 86 「ブルーライン」をつくって戦術的試合をしよう
- 87 「ブルーサッカー」でDFを突破する作戦を考えよう
- [ネット型]
- 88 「アイス伝達ゲーム」でナイスキャッチしよう
- 89 「タオルアタック」で肘を上げる感覚をつかもう
- 90 「足形ステップ」でアタックジャンプしよう
- 91 「アタックカード」でAクイックを決めよう
- 92 「アタックカード」を全面に貼ってよりダイナミックな攻撃をしよう
- [ベースボール型]
- 93 「滑り止めシート」を使って素早くコートをつくろう
- 94 「牛乳パック」でティバッティングをしよう
- 95 「いろいろバット&ボール」で自分に合う道具を探そう
- 96 「ベースボールセット」で準備をラクラクにしよう
- [その他]
- 97 「動画と作戦カード」のセットで自分たちの作戦をチェックしよう
- 保健
- 98 「胎便の写真」からいのちについて考えよう
- 99 「穴あき黒画用紙」でいのちの始まりの大きさを感じよう
- 100 「大型子宮」から生まれてみよう
はじめに
みんなの「わかった」「できた」を求めて
本書は,『楽しい体育の授業』(明治図書)における連載「苦手な子も『わかった』『できた』のコツが味わえる!おすすめ教具アイディア」(全36回,2018年4月号〜2021年3月号)を再編集したものです。そして,本書に出てくる教具等は,目の前の子どもたちに,「わかる」「できる」「つながる」喜びを伝えたいという全国の先生方の思いから生み出されたものが多くあります。それらには,私たち教師の子どもたちに学ばせたい学習内容が内包されています。体育における教具について,丸山真司氏は,『体育科教育2012年6月号』(大修館書店)で,「目の前の子どもの実態を直視して彼らに合った教材を開発していく必要がある」とし,「教材によって方向づけられ意味づけられた道具,学習内容を強調したり引き出したりするための物体」と述べています。また出原泰明氏は,『体育の授業方法論』(大修館書店)で,「子どもたちの認識を引き出し,交流させるための道具,『わからせるための道具』が教具である」と述べています。そこで,本書における教具について,次のように定義付けます。
@ 課題を発見するための教具
A 「わかる」を促進し交流するための教具
B 「できる」を導く教具
山内基広氏(愛知淑徳大学)と剛力正和氏(明星学園小学校)の跳び箱運動やマット運動のビデオを初めて見たときに衝撃が走りました。そこに映る子どもたちは,自分の身体を楽しそうにコントロールし,様々な技を繰り出していました。力づくではないしなやかな頭はね跳びや前方倒立回転跳びをする子どもたちの姿に感動しました。授業づくりでは,運動文化の主人公となることを目指し,「ともにうまくなり」「ともに楽しみ競い合い」「ともに意味を考える」ことを大切にした,子どもたちの学び合いを保証するための教具の存在がありました。
現在,「子供たち一人ひとりに個別最適化され,創造性を育む教育ICT環境の実現に向けて〜令和時代のスタンダードとしての1人1台端末環境〜」(文部科学省)としてGIGAスクール構想が進められ,全国の学校にはタブレットが導入されました。体育においては,学ばせたい学習内容に迫っていくために,目的に応じて,タブレットをうまく活用できれば効果的です。本書においても,「ホールディングバレーボール(林健司氏:熊本県)」や「頭はね跳び」など,タブレットの効果的な使い方を紹介していますので,参考にしてください。
最後に,本書を出版するにあたって,いつも丁寧に相談に応じてくださった明治図書出版の木村悠様には,格別の感謝を申し上げます。
2022年8月 /五代 孝輔
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- 明治図書
- 実践例が多くてわかりやすかったです。2024/4/320代・小学校教員
- アイテムをたつさん知れて役に立った2023/4/1630代教員