21世紀型授業づくり123
授業批評の力を鍛える

21世紀型授業づくり123授業批評の力を鍛える

書評掲載中

授業力向上を図るには、授業批評のできる人間が必要である

授業批評は各教師の授業自己点検を励ますものでなければならないと著者は主張する。授業批評は授業目標を実現する方法や技術を創るのであり、どの方法や技術がより善く、より悪いかを発見する営みだ、とも強調する。そのための方法と多様な提案を事例で示す。


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ISBN:
978-4-18-216319-7
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 164頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年7月18日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

はじめに
1 教育改革が進行中であるけれども
1 変わったこと
2 授業システム
2「かかわり」の発生とその様相
1 人間的関係
2 関係のなかの児童生徒
3 なにものかについての意識
4 かかわるということ
5 こだわるということ
6 かかわり合うということ
3 教育的関係の具現
1 現象学的態度
2 ふれる教育
3 心のまなざしによる感得
4 教育的関係のシェーマ
4 教育学的ケアリング
1 新潟県中越大震災
2 生徒指導上のケアリング
3 学習指導上のケアリング
5 ケアリング・カリキュラム
1 ケアリング教育
2 ケアリング・カリキュラム
6 ケアリングの教育方法
1 モデルの追っかけ
2 練  習
7 漢字指導のユースウェア
1 放課後学習チューター
2 漢字指導法
3 筆順の正答率
4 ユースウェア
8 知覚と志向
1 教育実習システム
2 教材提示
3 選択肢を限定する
4 研究授業での振り返り
9 明確な発問・指示
1 原典を見る
2 TOSSランド
3 学習プリント
4 授業実践
5 省  察
10 視点の転換
1 ニセ札問題
2 視点の転換
11 問いと答えの水準を高める
1 経験するできごと
2 新潟の冬の暮らし
3 学際的な学習スキル
4 不確実の状況で挑戦する
12 体験の経験化
1 体  験
2 経  験
3 体験の経験化
4 描 写 力
13 学習活動の構造
1 学習活動
2 学習活動の構造
14 二律背反
1 二者択一ではない
2 両極的緊張
3 時間をかける
4 知と行動
15 自己評価の活動
1 評価の設計
2 評価観点の提示
3 他者評価
4 ルーブリック
5 太郎は何を学んだのか
6 サトイモパーティー
7 総合と教科
16 かけてもよい迷惑
1 テンダーな道徳教育
2 道徳授業
17 授業評価の再考
1 学生による授業評価
2 自由記述欄
3 ポピュリズム
18 授業思想
1 翔んでるアマを越えられるか
2 校内研修
3 第三者評価
4 授業思想
19 達成に基づく説明責任
1 「力」という枠組み
2 「選択」という枠組み
3 客観主義と構成主義
4 パートナーが必要
あとがき

はじめに

 わたくしは、かつて述べた。


  すぐれた授業といわれるものは、

  (1) 人間観、教育観、授業観。

  (2) 教育や授業の理論。

  (3) 教師の主体性。

  (4) 高度な教育技術。

 に基づいている。

 授業が見えるということは、すぐれた授業を学び、授業を構成している重要な教育技術と要因(子ども、教材、教師、目標)とを分析、総合して、説明することができることである。授業が見える力とは、授業批評の力でもある。

            (『授業技量の上達』明治図書、一九八八年、一八ページ)


 この考え方は、今でも変わっていない。

 「なぜ教育技術に注目するのですか」という質問を今でも時々受ける。

 授業が片々の教育技術の組合せからなっているからである。

 片々の教育技術の組合せである授業を通して、学校における人間形成や人間制作が営まれている。

 わかる力、できる力、決める力、学び続ける力、教師力、学校力、学力、体力など、「力」のオンパレードからも知ることができるであろう。

 最近は、学「力」問題が日本の社会的経済的水準にみあったものであるかどうかの観点から検討されている。

 調査研究を行うに従って、子どもの生活習慣、とりわけ炭水化物(穀物……ごはん、納豆、パンなど)を食べているかどうかと相関があることになってきた。教師の問題というよりも、家庭教育、子育て支援の問題なのである。

 また、リテラシー(読み書き能力)という教養の問題は、総合的な学習の時間の充実を求めている。

 教科の学力とリテラシーとの関連を教育課程として再編成して、授業力を向上させていくことが肝要である。

 授業力の向上があって、授業批評である。

 そして、


  授業批評は、各教師の授業自己点検を励ますものでなければならない。


 TOSS( Teacher's Organization of Skill Sharing )が展開している職能開発としての授業ライセンス評価表は、三〇級から一級まで、そして初段格から八段まである。審査員の資格も定めてある。

 これは、教師の授業自己点検を励ますものである。

 授業技量では、形成や制作の力がなによりも大切なのである。だから、授業づくりが問われ続けている。

 この評価表が「客観的ではない」と認識論的レッテルを貼る意味はない。この批難は、授業論をとりちがえている。授業は行為論で語ることが必要である。

 この種の批難は、事実と価値の二分法から来ているのであろう。この種の批難に賛同して、授業の「作文では、子どもに事実と意見をはっきり区別して書くように」指導する教師も見られる。少し考えてみれば、作文で事実と意見を分けることなどできないことが了解されるであろう。

 授業という行為においては、事実と価値を分けることができない。それゆえ、授業批評も、事実と価値を分けることができない。

 授業批評は、授業目標を実現する方法や技術を創るのであり、どの方法や技術がより善く、より悪いかを発見する営みである。

 本書の出版をすすめてくださった明治図書の江部満様に心から感謝したい。


  平成一八年八月   /齋藤 勉

著者紹介

齋藤 勉(さいとう つとむ)著書を検索»

昭和21年4月生まれ。

新潟大学教育研究院教授(人文社会・教育科学系)

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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