- まえがき
- 第1章 21世紀を拓く心豊かな子ども
- §1 研究テーマと背景
- 1 子どもをとりまく背景
- 2 これまでの研究とテーマ
- 3 求める子どもの姿
- §2 テーマに迫るための全体構想
- 1 テーマに迫るための3年間の計画
- 2 自ら生活を拓いていく子どもを育成する個と集団のとらえ
- 3 個と集団のかかわりを押さえた研究
- 4 研究部の組織と研究内容
- 第2章 心か通い合う 魅力ある学校生活
- §1 心の時間
- ―心の時間を軸にした学級づくり
- 1 「温め合い育て合う」心の時間を求めて
- 2 実践に向けての視点
- 3 豊かな心の育成に向けての実践
- 「○○を大切にする心」の学習の実際(第3学年)
- 「自分を見つめて」の学習の実際(第5学年)
- 4 21世紀に向けた心のために
- §2 ふれあいの時間
- ―縦割りによる子どものかかわり合い
- 1 ふれあいの中で仲間と共に
- 2 めあてに向かってかかわり合うクラブ活動
- 3 豊かな人間関係を育て合う生活班活動
- 4 自らつくる委員会活動
- 5 自分たちの手でつくった新学校行事「なかよし夢広場」
- §3 ばらの日
- ―オリジナリティーを発揮し,達成感を味わう
- 1 自分らしさを発揮して
- 2 オリジナリティーの発揮へ
- 3 ばらの日の活動にみる子どもの姿
- 第3章 認め合う・みがき合う・高め合う
- §1 教科学習
- ―心がふれあい,学びを深めていく
- §2 国語科
- ―互いの読みや表現を広め深め合う
- 「ゲームを取り入れた音声言語学習」の実際(第2学年)
- §3 社会科
- ―互いの見方・考え方を生かし合いながら学びを深める
- 「交通事故防止○○作戦」の学習の実際(第4学年)
- §4 算数科
- ―ひらめきや筋道だった考えをみがき合う
- 「かわり方」の学習の実際(第4学年)
- §5 理科
- ―学び合うよさに気付きながら,見方・考え方を深める
- 「体験コーナーのある学び合い」の実際(第4学年)
- §6 生活科
- ―ふれあいのなかに,ゆめを育み合う
- 「いいとこ いっぱい ぼくのまち」の学習の実際(第2学年)
- §7 音楽科
- ―かかわり合いを生かしながら学びを深める
- 「かかわり合いを生かした鑑賞」の学習の実際(第5学年)
- §8 図画工作科
- ―表現を温め合いながら,自己表現を豊かにしていく
- 「風さんがあそぶパビリオン」の学習の実際(第6学年)
- §9 家庭科
- ―自分を見つめ,よりよい生活を創造する
- 「思いや願いを生かした被服学習」の実際(第6学年)
- §10 体育科
- ―互いの取り組みのよさにふれあいながら,学びを深める
- 「わたしたちの○○ランド」の学習の実際(第1学年)
- あとがき
- 研究同人
まえがき
最近,私たち教育関係者を取り巻く状況の変容,児童のからだや健康状況,生活や生活観,学習環境や学習への取り組みの変化など,一つの方法で解決できる課題や問題ではないように思えます。複合的な課題構造とそれに対応する多重な方法論の獲得や実践が求められ,日々の努力や精進が今こそ必要不可欠とする思いに身を引き締めております。
本校では,平成6年から,3年間計画で「自ら生活を拓いていく子ども」の姿を求めて―認め合う・みがき合う・高め合う―の主題のもとで研究を始めました。私たちは,「自ら生活を拓いていく子ども」の姿を「物事を選択し,決定することができる」「めあてがもてる」「物事の追求ができる」「他とのかかわりを自分に生かせる」こととおさえています。このことが「自分の力」で結果的に「深め高める」ことにつながって展開していく行動が期待できると考えています。そこでは心にゆとりがもて,お互いに成長していける喜びを感じ,個人だけの喜びや生きがいにとどまらず,広がりや深まりをもった姿が,自己実現の姿であり,それが求める「自らを生活を拓いていく子どもの姿」であるというコンセプトに立っています。これらの課題を教育の現場で一つ一つ丁寧にきめ細かく実践し,解決していくことが,現状での教育課題に迫る方法の一つと考えています。
まだまだ研究の途中ですが,この研究の成果を「明治図書」より出版し,ご批判を仰ぐことになりました。何卒ご賢察頂き,厳しいご意見,ご指導を頂ければ幸いです。
最後になりましたが,今回の研究活動や出版に際し,多くの先生方から頂きました温かいご助言,ご指導に対し,心よりお礼申し上げます。
平成8年2月 茨城大学教育学部附属小学校長 /野田 洋平
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- 明治図書