教師修業への挑戦13
模擬授業で授業力を磨く 国語・社会編

教師修業への挑戦13模擬授業で授業力を磨く 国語・社会編

投票受付中

模擬授業に向けた血のにじむ過程を通して授業技量が高まる。

平成15年、TOSS島根はTOSS広島と摸擬授業対決を2回ほど実施した。代表の吉川廣二氏はその時の体験を「心地よい惨敗」と評した。サークルによる摸擬授業対決は講師と参加者により勝敗を決める。チャンスがあればぜひ体験をと吉川氏は呼びかけている。


復刊時予価: 2,170円+税

送料・代引手数料無料

電子書籍版: 未販売

電子化リクエスト受付中

電子書籍化リクエスト

ボタンを押すと電子化リクエストが送信できます。リクエストは弊社での電子化検討及び著者交渉の際に活用させていただきます。

ISBN:
4-18-214224-1
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 136頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第
キャッシュレス・ポイント還元事業
テキスト採用品見本お申込みはこちらから

もくじ

もくじの詳細表示

はじめに
T 子育て期こそが教師の力をつける最良の時
─―「母ちゃん先生」の教師修業一四のキーワード
一 忙しいときにこそチャンスは巡ってくる
1 名人の前で模擬授業ができる─―迷ったら「はい、やります」/ 2 成果は忘れた頃に出てくると信じよう/ 3 仕事をしていれば「悪い母ちゃん」になる覚悟も必要/ 4 「母ちゃん先生」が授業力を高めるのは「緊張場面」
二 後手に回ったことでの失敗、しかし自分を責めるのは止める
1 迷ったまま指導案を提出─―「それでよし」とふんぎる潔さ/ 2 本番直前の練習─―「これで精一杯だったのだ」と割り切る/ 3 そして、本番─―「大丈夫、私が一番」と思い込む厚かましさ/ 4 実感! 授業は甘くない─―「恥をかくだけですごい」と自分に誇りをもつ/ 5 一番下手だと思って練習をし、自分が一番上手いと思って授業をする
三 必見! 母ちゃん教師の時間の作り方
1 「何とかなっちゃうものよ」―─タフでなければ仕事はできない/ 2 日々の工夫─―時間があればいい仕事ができると思うのは間違い/ 3 休日の工夫─―授業も生活もリズムとテンポ/ 4 通勤時間の工夫―─忙しい時に時間をつくる真剣さ/ 5 仕事のやり方は絶えず工夫をする―─悩まない、迷わない
U 模擬授業対決は私の基礎体力不足を一つ一つ洗い出す場
一 教材研究は音読百回から始める
1 教材との葛藤には三つの定石/ 2 メモを取りながら百回音読/ 3 読む毎に解釈も深まる/ 4 たくさんの疑問を持つことが発問づくりにつながる
二 百発問は誰でもできる!
1 「調べ尽くす」「捨てる」は高段の芸/ 2 「調べ尽くす」の「尽くす」がポイント/ 3 何を捨てるのかが難しい
三 稽古のものさしは、授業に入るまで
1 稽古のものさしを意識し始めたきっかけ/ 2 イスを立つ時に意識する四つの所作/ 3 教壇にたどり着くまでに意識する四つのポイント
四 何度も見てもらい、サークルで基礎体力をつける
1 サークル内模擬授業検定を行う/ 2 参加者が見えないことへの気づき/ 3 多動を排し、集団を把握せよ/ 4 組み立てを疑い、練りに練るべし/ 5 百を目標にする
五 忘れられない「あとかくしの雪」の授業
1 教師は役者でなければならない/ 2 「軽い国語」―─発問を冒涜/ 3 プロは、教材の本筋を見極める
六 授業のレベルは、小さな所作の積み重ねにある
1 恥を堪え忍んだ五分間/ 2 迫田氏の圧倒的な対応能力/ 3 敗北から一年/ 4 目線を意識する
V 模擬授業上達のステップはこれだ!
一 「ペア研究」はQ&Aの研究方法
1 ペア研究はテーマを限定する/ 2 「わからないことは聞く」&「知っていることは教える」
二 メーリングリストの活用で教材研究を活性化
1 他人の尊い経験を学ぶ/ 2 「教えてください」と聞く
三 授業の直前にはこの二つを再検討
1 最初の発問・指示の必然性を検討/ 2 誰もが答えられる発問から
四 この授業で闘った─―社会「医学の進歩を支えた人々」
五 TOSSだからこそ学べた授業開始一五秒の重要性
1 一五秒で子どもをわしづかみにする工夫/ 2 無駄な言葉を削るための「一分間テープおこし」/ 3 「言葉を削る」&「すぐに本題に突入する」
六 歩き方から意識せよ!
1 歩き方だけで授業の腕はわかる/ 2 力のある人に見てもらう/ 3 自分の頭の先からつま先までに気を配る―─授業がうまい人はおしゃれである
W 模擬授業対決でドラマを創る
―─心得ておきたい七つのポイント
一 先行実践にあたる作業が宝になる
1 型を知ることから勝負は始まる/ 2 日々の授業準備の中で基礎体力を培う/ 3 ターゲットを絞り、より深く追究する
二 修学旅行中も資料収集
1 模擬授業対決は夢に挑む場/ 2 事前に手に入らない資料だけを探す/ 3 案内に目を配り一瞬のチャンスをものにする
三 夢を描き、ドラマを創る
1 自らが行動することでドラマは生まれる/ 2 ダメでもともと、挑戦すべきである/ 3 南こうせつ氏の教え「あきらめなければ必ずことは動く」
四 サークルの検討で授業の質を上げる
1 直前では手がつけられないと心得よ/ 2 変わりたいなら百発言を心がけよ―─あたって砕けろ派のメタモルフォーゼ
五 稽古のステップを踏まえ、全てについて吟味せよ
1 ベースになるプランを一言一句たたき込む/ 2 極限まで削ることで授業のスリム化を/ 3 立って練習するとウイークポイントが見えてくる
六 グレーゾーンの子に対応していない! 教育の進歩に敏感に反応する大切さを知った
1 授業の実際「被爆者の高齢化に立ち向かった人たち」全発問・全指示/ 2 教育の進歩をきちんと学んだ上で授業を組み立てる
七 全ては教室の子どもたちのために
1 卒業式後のドラマ─こうせつ氏子どもたちを歓迎/ 2 全ては教室の子どもたちに還元される
X 第一声にこだわる
―─ 一流の役者のごとく
一 第一声を意識するようになった
1 第一声でひき込まれた授業/ 2 思い出せない自分の第一声/ 3 第一声を子どもの心に届かせる/ 4 最高の芸のイメージで/ 5 第一声のタイミングと大きさを意識する/ 6 授業の始まり一五秒でひきつける
おわりに

はじめに

 平成一五年五月二四日。TOSS島根は、TOSS広島代表の迫田一弘氏のご厚意で、摸擬授業対決を行うことになった。会場は、島根県頓原町。そして、第二回目は、平成一六年一月四日に広島市にて。

 どちらも、広島サークルの胸を借りた訳だが、勝敗は別にして私たちTOSS島根の仲間は、多くのことを学ばせていただいた。

 一回目の記録をまとめた冊子に、次のような巻頭言を書いた。その一部である。


摸擬授業対決 巻頭言   TOSS島根代表 /吉川 廣二

(1〜7は省略)

 8 心地よい惨敗!(摸擬授業対決)

 予想通り、広島の先生方に圧倒されてしまった。もちろん、惨敗である。結局は、島根の仲間の経験不足をさらけ出したのである。まあ、当然のことだ。私も含めてこれまで修業を怠けていたからだ。

 まさか、広島の先生方に勝とうと思った仲間はいなかっただろうが、それにしても明らかな違いに愕然とした。その中で、中川さんが、迫田先生に果敢に挑戦し、見事に散ってしまったことだけが、さわやかだった。中川さんが摸擬授業中に震えているのが、手に取るようにわかった。

 (中略)

 12 5/24は、TOSS島根の開戦記念日

 この日を、開戦記念日とした。そして、宣言した。この瞬間に立ち会った仲間は、いつまでも忘れないだろう。広島の先生方の凛々しさ。島根の仲間の修業不足。それぞれの新たな目標。次々に起きるであろう、厳しく楽しいイベントや修業の数々を予想したこと。私も忘れない。島根の仲間が、果敢に広島の先生方に挑戦し、見事に散った三時間を。そして、嬉しそうに語り合う仲間の表情を。

 (後略)


 サークルによる摸擬授業対決は、講師と参加者により、勝敗を決める。文字通り対決なのである。これまでは、一部の名人対決しか見たことがなかった。しかし、迫田氏のお陰で、島根の仲間もこのような貴重な経験をすることになり、私も「代表者対決」、「代表に挑戦」という貴重な対決の経験をした。いくら相手が若くても、油断などできない。勝敗は、経験だけで決まるモノではないからだ。教材の決定、資料の収集、展開の構想、指導案の作成、サークルでの検討会、当日までの何十回もの練習……。本番に至るまで、文字通り血のにじむような期間が必要である。また、中には、その場で数分間だけ教材研究を行い、即摸擬授業を行う、という対決もあった。

 本書で執筆している仲間も、二つの広島との対決を中心に、県外・県内で厳しい経験をしている。そういう経験をした者にしか書けないことが、本書には凝縮されている。教師の世界では滅多に経験できないことを、本書により疑似体験していただきたい。

 そして、チャンスがあれば、ぜひそういう経験をしていただきたい。そのためには、全国の都道府県にあるTOSSサークルに加入して、先ずは修業をすることから始めていただきたい。修業をしなければ、対決の結果は目に見えているからである。

 本書を執筆するにあたり、島根のいくつかのサークルに募集をした。希望したサークルの中で、最も刺激的だったのが、TOSS石見代表丸亀貴彦プロットだった。TOSS石見には、二〇代の仲間が多く、摸擬授業対決にも、TOSS授業技量検定にも、積極的に参加する。そういう勢いもあり、四教科共に、丸亀貴彦を中心とするTOSS石見の仲間に決定した。

 ところで、本書を執筆したTOSS島根の仲間は平成一六年末で、正会員四一名、準会員十数名である。法則化島根の結成以来二〇年になるが、これほど会員が充実したことはなかった。結成時は、吉川、(本書を執筆している)横田裕二を中心に十数名だった。その後、仲間の異動や脱会・入会、そして私自身の異動や昇任等で、少ないときには実際に活動する仲間が三名だったこともある。一〇年前に、本書を共に編集した丸亀貴彦に出会ってから、少しずつサークルが充実し始めた。

 そして、三年ほど前から、TOSS石見を中心に二〇代の仲間が増え、会員数、例会の活動、イベント等で充実し始めた。また、向山洋一先生の指示による平成一五年春の「TOSSデー」開催以降、島根の仲間にも結束力と活動への意欲が見えてきた。

 これを機に、一五年七月より、月刊サークル通信「教師の仕事」を発刊し、ほとんどの会員が原稿を執筆した。五号までは、私と編集担当者でほとんどの原稿に朱を入れ、訂正していた。その後、少しずつ読めるような原稿になり、朱を入れることが減った。それでも、タイトル、小見出し、句読点等には注文を付けている。TOSS代表の向山洋一先生には、超多忙な中でも目を通し、有り難いコメントを頂いている。

 また、私どもの地道な活動に目を掛けて下さった明治図書の江部編集長(実際の肩書きは違うが、呼び慣れているので失礼ながらそのままで)からは、サークル共著を発刊する機会をいただくようになった。中でも『勉強ができない子の指導法』全四巻(明治図書)は、会員の総力を挙げて執筆させていただくという、願ってもないチャンスだった。その後も、いくつもの幸運をいただいている。

 本書は、島根県石見部の仲間が執筆し、編集は私と丸亀貴彦が行った。しかし、途中で、吉川、丸亀共に家庭の事情により編集作業が遅れたが、完成させることができたことを、大変幸せに思う。

 今回も、明治図書の江部満編集長には励ましと大変なお骨折りをいただいた。この場を借りて心より感謝する。また、いつも温かくTOSS島根の仲間を見守りご指導下さる向山洋一先生にも心より感謝する。


  二〇〇五年一月五日   TOSS島根代表 /吉川 廣二

著者紹介

吉川 廣二(きっかわ こうじ)著書を検索»

TOSS島根代表

1952年 島根県 大社町生まれ

1977年 北九州大学経営学部卒業

2003年 島根県仁多町立三成小学校勤務

丸亀 貴彦(まるがめ たかひこ)著書を検索»

TOSS石見代表

1968年 島根県 大田市生まれ

1991年 島根大学教育学部卒業

2002年 島根県大田市立志学小学校

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ