- まえがき /新牧 賢三郎
- 算 数
- 向山型算数では、【評定】と【評価】を、うまく判断して使う /石川 裕美
- ケアと評価の一体化で子どもを伸ばす向山型算数 /山口 正仁
- 国 語
- 個別評定で音読力・作文力をアップする /村野 聡
- やる気を引き出し、力を伸ばす「個別評定」五つのポイント /長野 藤夫
- 「向山洋一式個別評定」で、読み書きの力を伸ばす /佐々木 誠
- 物語文の要約指導における個別評定のポイント /小野 弘之
- 八の鍵で音読スラスラ /奥田 嚴文
- 個別評定で生徒から言葉を引き出す /富永 浩史
- 理 科
- 観察記録カードで全員A評定(四年) /田中 忠
- 分かっているかどうか学力実態把握チェックポイント /田中 忠
- (四年理科全単元)
- こうする、観察の授業の個別評定と授業のポイント /吉元 輝幸
- こうする、実験の授業の個別評定 /吉元 輝幸
- 社 会
- 夏休み自由研究は、向山型個別評定でばっちり評価! ――向山型個別評価の効用―― /溝端 達也
- 雪小モデルを使うことで、写真の読み取りにおいて効果的な個別評定が可能になる! /貝沼 浩晃
- 明確な「ものさし」(雪小プラン)をもって個別評定を行うから写真読み取り能力が身に付く /松本 俊樹
- 体 育
- 阿波踊りの個別評定 /根本 正雄
- 指示と評定のセットが、子どもの意欲と力を引き出す /川口 達実
- 三種類の「向山洋一個別評定」を使った体育の授業で、子どもは汗だくになる。運動が上達する /東田 昌樹
- 低学年のマット運動五種目――やればやるだけ上手くなる柔らかな体づくり―― /石橋 健一郎
- 低学年の鉄棒運動五種目――鉄棒遊び、休み時間は大にぎわい―― /石橋 健一郎
- 低学年の跳び箱運動五種目――体育嫌いをつくらないために―― /石橋 健一郎
- 特別活動
- 子ども自身が向上する方向を見いだす向山型個別評定 /向井 ひとみ
- 子どもの可能性を引き出す向山式演劇指導法・個別評定 /太田 政男
- ノート指導法
- 個別評定で「見開き二ページのまとめノート」を高める /村野 聡
- 通知表の書き方指導
- 向山型評価法―所見欄の書き方 /堤 信之
まえがき
「向山洋一先生(TOSSランド代表)の評価指導法をもっと先生方に知ってもらったほうがよい」
と、樋口雅子氏(明治図書)から教室ツーウェイ誌編集会議のときに提案があった。
すぐに実行ということで、編集担当になった私は、TOSSのメーリングリスト(ML)・教室ツーウェイ誌(明治図書)・教育トークライン誌(東京教育技術研究所 TEL03-3787-6564 通信販売のみ。書店では売っていない)に原稿の公募のお願いを出した。
すぐに応募があった。TOSS中央事務局で活動している根本正雄氏や石川裕美氏からも応募があった。
つまり、本書のライターはすべて応募で決まった。依頼して書いてもらったというものではない。
それだけに、論文一本一本に力が入っている。読み応え十分である。
「向山学級の子どもたちはなぜあのようにすべての子どもたちが力をつけるのか」
向山氏の実践を知った教師なら必ず考える疑問である。その一つの答えが「向山型評価指導法」なのだ。「向山型評価指導法」には、次の二つの効果がある。
効果1 子どもを伸ばす。
効果2 子どもを認める。
どちらも大切である。向山氏は、場面によってこの二つの効果をみごとに使い分けている。
「向山型評価指導法」は、非常に応用範囲が広い。その証拠に、応募された論文の教科領域は、国語・算数・社会・理科・体育・特別活動・ノート指導と、多様になっている。
だからこそ、「向山型評価指導法」をどの教科領域のときに、どのように行えばよいのかが分からない教師が多いのだろう。そのところを解明しようとして本書が生まれたのである。
「向山型評価指導法」と一言でくくっているが、「向山型評価指導法」は、「評価」と「評定」とにきちんと区別して行うことから始まる。だから、正確に言うなら「向山型評価評定指導法」となる。
「向山型評価指導法」の特徴は、次の通りである。
個別評定。
向山氏は毎時間に必ず一回は個別評定の場を設定する。算数なら、子ども一人一人のノートをすべて見る。だからこそ、子どもは伸びる。「悪いものは悪い」「間違っているものには×をつける」など、個別に評定するから子どもは何度でも挑戦してくる。解決すべき目標が明確だからだ。
補足がある。「瞬時に行う」。
向山氏の評価評定は瞬時に行っている。なにしろ、ノートを見るのに、子どもの列を作らないのだから。列を作らない手立てはしているが、それでも、ノートを見るときに、少しでも指導しようものならすぐに列ができてしまう。本書にも収められているが、「向山型阿波踊り指導法」は、その最たるものだ。
「個別評価評定を必ず行う」、しかもそれを「瞬時に行う」ことが「向山型評価指導法」の大きな特徴である。それはどのようにすると可能なのか。それを本書で解明しようとしている。
編集担当 /新牧 賢三郎(教室ツーウェイ誌編集部)
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