21世紀型授業づくり53
カリキュラムづくりと学力・評価

21世紀型授業づくり53カリキュラムづくりと学力・評価

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新しい学習指導要領にもとづくカリキュラムづくりが「学力低下」論の前に危惧や懐疑が広がっている。では学力・評価をふまえてどうカリキュラムを具体化するかを提案する。


復刊時予価: 2,563円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-211814-6
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T カリキュラムをどう創り出すのか
一 人権総合学習のカリキュラムづくり
1 学校文化と人権教育の課題
2 人権総合学習のカリキュラムとは
3 学力保障を目ざす――奈良県御所市立大正小学校
4 地域と結ぶ――大阪府松原市立布忍小学校
5 学校のシステムづくり――大阪府大東市立北条小学校
6 セルフ・イメージを育てる――福岡県北九州市立城野小学校
7 感性と表現を大切に――広島県湯来町立湯来南小学校
8 同和教育を基盤として――京都府京都市立楽只小学校
9 ヒューマンタウンの試み――大阪府松原市立第三中学校
10 ヘワ・ハートタイムの試み――高知県土佐市立戸波中学校
11 高校での人権総合学習の可能性 ――教材集「わたしナビゲーション」
12 見えてきたこと、教えられてきたこと
二 カリキュラム改革と「地域」との接点をさぐる
1 「地域」はいまや教育改革の切り札か
2 「地域」からの教育改革をとらえるいくつかのアプローチ
3 カリキュラム改革と総合学習
4 「地域」と総合学習の関係をどうする
U 学力と評価をどう考えるのか
一 変わる教育評価と指導要録
二 「絶対評価」提案を問い直す
三 情報公開と指導要録のあり方
四 学力における基礎・基本とは
五 学力低下批判をどう受け止めるか
1 ポリティカル・イシューとしての学力低下批判
2 学力低下批判のポリティックス分析
3 「学力問題」への新たなポリティックスの視点と課題
あとがき・初出一覧

まえがき

 二〇〇二年の四月から、新しい学習指導要領に基づくカリキュラムが全面的に始まることになった。しかし、この段になって、新しいカリキュラムの行く先に思わぬ暗雲が立ちこめてきた。それは、御存知の「学力低下」批判である。新カリキュラムでは、教科内容が三割も削減されている。おまけに、新設された「総合的な学習の時間」については、いまだ教育現場ではとまどいや不安が根強いという。最近は、分数や小数のできない大学生もいると言われているなかで、子どもたちの学力は大丈夫なのか。こうしたところから、新しいカリキュラムそのものについての危惧や懐疑が広がっているのである。

 加えて、これまで「ゆとり教育」や「生きる力」をかかげての教育改革を呼びかけていた文部省(現文部科学省)の腰つきも妙に振れ始めている。先般(一月一七日)、遠山文科相が示した「学びのすすめ」のアピールなどは、これまで「ゆとり教育」といわれてきたことからすれば大いなる違和感をやはり禁じえないものとなっていた。

 こうしたなかで、教育現場にはとまどいを越えての混乱すらが見られ始めている。これまでからの引き続きの課題であった「総合学習とは」「総合学習をどうする」ということに加えて、「総合学習か、それとも教科の基礎的基本的学力か」との問いかけがなされ、そこからは、「そもそも学力とは何か」「学力をどうとらえ評価するのか」との問い直しが求められてきているのである。しかもこれらの問いかけは、まさしく「問われるべき問いかけ」であり、今日の教育のあり方の心臓部に突きささっていくような問いかけとなっていよう。

 『カリキュラムづくりと学力・評価』と題する本書は、こうした「問われるべき問いかけ」に対し、日頃あれこれと考え、書いてきたことのいくつかを集めたものである。

 総合学習の構想と展開にあたって、私は「テーマ性」と「立場性」が欠かせないものだと考えてきている。このことからすれば、人権に焦点をあわせての総合学習(人権総合学習)は、総合学習のあり方を具体的に検討していくなによりの素材となっている。本書の「T カリキュラムをどう創り出すのか」においては、現在、人権総合学習に様々な形で取り組んでいる学校、そうした学校との出会いとかかわりのなかで考えてきたことが中心となっている。続いての「U 学力と評価をどう考えるのか」においては、学習指導要領の改訂に連動して行われることになった指導要録の改訂を通しながら、教育における評価とは何かを考えることになっている。と同時に、現在、大きな注目を集めることになっている「学力問題」、とりわけ「学力低下」批判をどのように受け止めるべきかについても検討することになっている。

 本書に収録された論稿の初出については、「あとがき」に譲るが、こうした形での本書の刊行に際し、明治図書江部満編集長には、色々とお世話になった。記して感謝を申し上げておきたい。


  二〇〇二年六月   /長尾 彰夫

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