自己表現が未来を開く教科・複式の学習そして総合学習

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子供たちが自分の意志に基づいた思いや願いの実現に向かって行動する「自己表現力」という観点から学習対象をより総合的に捉えた実践研究成果。


復刊時予価: 3,036円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-210415-3
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 180頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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序にかえて
第T章 自己表現力を発揮する子を育てる
1 自己表現力を発揮する子
2 自己表現力が育つ学習
3 実践の視点
4 新しい教育―総合学習
第U章 自己表現力を発揮する子の姿
1 国語 コミュニケーションを通して,自分自身の考えや言葉を磨く
1 国語科での「自己表現力」
2 一人一人の考えが深まる学習
〔実践例〕大造じいさんとガン(5年)/ ガラスの小びん(6年)
3 コミュニケーションの場で子供が変わる
2 社会 社会の出来事に働きかけていくことで,自分なりの立場や思いを浮かび上がらせていく学習
1 社会科における自己表現力の発揮
2 浮かび上がる自分の立場や思い
〔実践例〕ふるさとおこし商品企画会議―「さかな屋さん」を売り込む他(4年)
3 学びの共同性と,そこから抜け出すこと
3 算数 コミュニケーションのなかで育つ自己表現力
1 算数科における自己表現力の育ち
2 自分の立場を明らかにしたり共感したりする学習
〔実践例〕平均(5年)
3 共感的受容が自己表現力を育て,学習集団を育てる
4 理科 「見直す」ことによって育つ自己表現力
1 理科学習における自己表現力の育ち
2 自己評価活動を取り入れた学習
〔実践例〕音(3年)
3 能力が意欲をのばし,意欲が能力を引き出す
5 生活 子供の思いが広がる
1 振り返りと自分への気づき
2 子供の思いの実現
〔実践例〕「みつけたよ ふぞくのあき」(1年)
3 振り返ることがさらなる活動へ
6 音楽 表現をみがきあう鑑賞活動
1 鑑賞で表現を育てる
2 鑑賞から表現へ
〔実践例〕ぼくらの『ラララ・ハーモニー』(5年)/ おはなしを音楽で『おむすびころりん』(2年)
3 よりよい表現を自らめざす子に
7 図工 自己表現力を育てる図工科学習の工夫
1 自己表現力が働く学習のプロセス
2 見る活動を取り入れた学習活動の展開
〔実践例〕×○して見たら―海岸に流れ着いた不思議な木―(3年)
3 実践から明らかになったこと
8 家庭 主体的に生きようとする子をめざして
1 家庭科の学習と「自己表現力」
2 主体的に生きる子をめざして
〔実践例〕ゴミのしまつと不要品の活用(5年)
3 より高い自己表現力を育むために
9 体育 「振り返り活動」を繰り返すことで運動に主体的にかかわる子供
1 体育科における自己表現力
2 運動に主体的にかかわる子供の姿
〔実践例〕ミニビーチバレーボール(2年)
3 振り返りから活動へ
10 複式(国語)ちがいがわかることによって育つ複式の子
1 ちがいがわかることと自己表現力
2 自己表現力を発揮する子供を育てるために
〔実践例〕登場人物をさぐろう他(3年・4年)
3 主体性をもった複式の子供を育てるために
第V章 総合学習活動の実際
1 総合学習のめざすもの
2 「かかわり」を広げる姿
〔実践例〕動物とかかわるぼくの世界,わたしの世界(3年)
〔実践例〕「こんにちは ニイハオ アンニョンハシムニカ──わたしたちは友達」(4年)
〔実践例〕かがやけ! おく山’97(複式部)
3 「かかわり」で育つ子供
あとがき

序にかえて

 これからの社会がさらに変化の激しい社会であると予想される中にあって,自ら学ぶ意欲や思考力,判断力,表現力などを重視する学力観に立った教育を視野において,私たちは子供の教育を,今後一層充実・発展させる必要があると思います。自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力などの“生きる力”の育成を図ることや,創造性を積極的に伸ばしていくことが一層強く求められていると言えましょう。また,学習の仕方をしっかりと身に付けるようにするための問題解決的な学習や体験的な学習の充実を図ることも,同時に求められていると思います。

 文部省が,平成9年9月に発表した新学力テストの結果を見ましても,子供たちは「覚えるのは得意だが,考えたり,表現するのは不得手」という学力の奥行きの乏しさが浮かび上がっています。つまり,基礎学力は一定レベルに達していると評価していますが,暗記や単純な計算が得意な半面,思考力や表現力に劣る傾向があるとみています。

 そこで本校では,平成6年度より『自己をひらく』を主題として研究を続けてきました。『自己をひらく』とは,自分のよさや可能性の実現に努め,学ぶ楽しさや成就感を味わい,自らの変革と成長の手ごたえを感じながら,新たな自己を実現していくことであろうと考えました。従って,子供たちが『自己をひらく』ということは自己実現そのものであり,それは,自分の意志に基づいた思いや願いの実現に向かって行動していくといった,自己表現によって具現化されるものであろうととらえ,主題の研究を深めようと努めてきました。

 幸いにも,この4年間を通じて延べ6日間の研究発表や研究協議の場を設けることが出来,それぞれにおいて適切なご助言をいただいたり,有意義な議論を展開することが出来ました。

 本校がとりあげてきたこの研究テーマは,大変奥行きの深いもので,その実践研究には,まだ不十分な点が多くあると思われますが,研究の歩みをここにまとめました。多くの方々の忌憚のないご意見やご批判をいただき,私たちの研究をさらに前進させていきたいと願っています。

 ここに至るまでに,ご指導,ご支援くださいました先生方に心からお礼を申し上げるとともに,本書出版に際して格別のご配慮をいただいた明治図書の方々に,深く感謝いたします。


  平成10年9月   和歌山大学教育学部附属小学校長 /松岡 勇二

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