- まえがき /竹川 訓由
- T 補助簿をどのように活用するか
- 1 指導と評価の一体化
- (1) 評価基準を取り入れた補助簿/(2) 学習や生活の様子を記す補助簿
- 2 「評価基準」によって生きる「評価規準」
- (1) 評価規準の作成/(2) 単元ごとの評価規準/(3) 評価基準の作成
- 3 補助簿を支える教師修業
- (1) なぜ、放課後の孤独な作業が必要なのか/(2) 座席表補助簿の作り方と使い方/(3) 座席表補助簿の利点と難点
- 4 評価基準を取り入れた補助簿
- (1) 補助簿の機能 〜新構想〜/(2) 日常の成績を子ども・保護者に示すことの効果 〜提案その一〜/(3) 客観的な「数値入り評価基準」を明記することの効果 〜提案その二〜/(4) 評価基準を取り入れた「補助簿」の作成/(5) 家庭教育への効果/(6) 学校の説明責任
- U 補助簿を支える評価基準をどう導き出すか
- 1 どのような評価基準が必要なのか
- 2 評価基準を作成する実態調査
- V 補助簿の活用事例
- 1 「音読」の授業
- (1) 音読することの意義/(2) 「音読」の補助簿記入は、このように進める/(3) 音読力アップのための授業
- 2 視写」の授業
- (1) 視写することの意義/(2) 「視写」の補助簿記入は、このように進める/(3) 視写力アップのための授業
- 3 「作文」の授業
- (1) 作文を書くことの意義/(2) 「作文」の補助簿記入は、このように進める/(3) 作文力アップのための授業
- 4 「漢字」の授業
- (1) 漢字を習得することの意義/(2) 「漢字」の補助簿記入は、このように進める/(3) 漢字力アップのための授業
- 5 「計算」の授業
- (1) 速算することの意義/(2) 「計算」の補助簿記入は、このように進める/(3) 計算力アップのための授業
- あとがき /坂本 秀行
まえがき
「評価の基準を数値化した」
衝撃的な言葉であった。
これは、『学校版ポートフォリオ「進潮」』創刊号(熊本県葦北郡田浦町海浦小学校)二〇〇二年八月(二八ページ)に示された言葉である。
そこには、確かに基準となる数値が示されている。例えば、「新出漢字、読みかえの漢字(二六字)を二三字以上読むことができる」というようにである。このように基準が数値化されていれば、クラス間での評価のぶれを見ることはない。保護者に対して、評価に関する説明責任も果たすことができるのである。
「評価基準」は、子どもたちが「評価規準」をどの程度、達成・習熟しているかを具体的に判定するために設定された量的な尺度であり、「評価規準」は、「評価基準」の設定によって、実際の授業の結果改善や「評定」に生かされるのである。
では、この「評価基準」はどのようにして導き出されるのか。前述の例でいうならば、なぜ二六字のうち二三字なのかということである。
本書は、この素朴な疑問に挑戦した。さらに、これらの「評価基準」を「補助簿」にどう活用すればいいのか、授業は具体的にどうすればいいのかを追究した。問題提起の一つになれば幸いである。
二〇〇五年四月 /竹川 訓由
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- 明治図書