次代を創る
学びを深め合う授業の実現から

次代を創る学びを深め合う授業の実現から

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子どもが問題意識をもち主体的に学ぶ授業がここにある!

問題意識をもつ・問題意識を共有する・学びを深め合う・学びを深め合う価値を自覚するの4つの学習過程を位置づけ、問題解決的学習課程を重視した9教科の具体的な実践例と教科で身につけた学び方、ものの見方や考え方を活用・応用する場f−MAPを紹介した実践研究。


復刊時予価: 2,783円(税込)

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ISBN:
978-4-18-208922-0
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 192頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

グラビア
巻頭:「f-MAPで創るわたしの夢」
はじめに
総 論 編
1 愛知教育大学附属岡崎中学校の教育
子ども主体の教育活動/ 創り上げる過程を重視する/ 授業で育てる
2 研究主題
3 次代を創る主体として
4 学びを深め合う授業を実現するために
四つの学習過程を位置づける/ 子どもの問題意識に問い直しを図る/ 授業に深まりの契機をしくむ/ 単元の中に、「注目生徒」と「核となる生徒」を位置づける
5 次代を創るカリキュラムの構築
9教科で育つ/ 次代を創るカリキュラム
6 9教科の枠を越え、子どもの将来に生きるf-MAP
f-MAPで、新たな自分を創り続ける/ 9教科が生き、9教科に生かす
教 科 編
国語科 豊かな言葉で自他に問い続け、熟慮する
社会科 社会と向き合い、生き方を探る
数学科 数学を楽しみ、数学で見つめる
理  科 自然を探究する楽しさを味わう
音楽科 思いを奏で、表現する
美術科 色と形で自分を創造する
保健体育科 運動のよさを見つめ続ける
技術・家庭科 技や知恵を見抜き、生活を創る
英語科 REJOICE
f-MAP 未来(future)・開拓(frontier)・予測(forecast)
f-MAPとは/ 自ら未来を描く姿/ f-MAPの運用
/ さまざまな立場から見た裁判員制度
追究事例1年生 「人との出会いを楽しみ、自らの追究エネルギーに変えていく」
/ ペクチンは世界を救えるか
追究事例2年生 「自分で確かめてみないと気が済まない」
/ 謝らなくてすむ世の中へ
追究事例3年生 「理想とする将来を見据え、一歩ずつ前進する」
研 究 編
次代を創る教師をめざして(附属岡崎中学校の研究)
1 生活教育の理念
受け継がれる附中教師のあり方/ 生活教育の理念
2 本研究「次代を創る」のあゆみ
研究一年次(平成19年度)/ 研究二年次(平成20年度)/ 研究三年次(平成21年度)
3 附属岡崎中学校の研究体制
研究組織/ 本校の研究の歴史
4 研究の節をつくる
時期ごとに位置づけた研究授業/ 参観カード
5 教師が学びを深め合う研究全体会
「この子の輝き」/ 「この1枚」/ 深め合う「全体研」の授業審議/ 全体研事前研究/ 全体研事後研究
6 研究成果を問う生活教育研究協議会
協議会に向けての研究授業/ 子どもの姿で問う協議会/ 研究のあしあとを示す「研究のあゆみ」/ 参加者への土産となる「教科別協議会資料」
7 教師の研究に対する心構え
おわりに
研究同人

はじめに

 一昔前、自然の中で仲間と遊び回る子どもの姿はあたり前のように見ることができました。毎日のように、子どもは自然の中で仲間とふれ合い、互いにはたらきかけることを楽しみ、自分たちで小さな社会を形成してきました。その中には、自分勝手に振る舞っているようでも、無意識のうちに、仲間のことを気遣いながら、よりよくかかわる方法を見いだし、互いに成長をしていく子どもの姿がありました。

 時代は移り変わり、近年、子どもの遊び場所は、自然の中から離れ、テレビやパソコン、携帯電話などの情報器機の中へと移りつつあります。子どもは、時や場所を選ばず、簡単に特定の仲間と連絡を取り合うことができることをあたり前に思い、興味や関心がある情報を世界中から瞬時に手に入れることができる世界に引かれているのです。一昔前には、予想もしなかったこの世界に、人々は無限の可能性を見いだし、大きな魅力を感じています。それゆえ、社会に急速に広がりをみせてきました。今日では、このような情報化の影響のみならず、さまざまな要因が複雑にからみ合い、日々、社会全体をめまぐるしく変化させています。

 本校は、そのような急激な社会の変化の中においても、学校教育の不易と流行を見きわめ、たゆまぬ議論を交わし続けてまいりました。そして、生活の中で人とのかかわりを大切にし、学びを深め合うことができる魅力ある場としての学校のあるべき姿を問い直し、学校生活のあらゆる場面で、子ども主体の教育活動を築き上げてまいりました。常にわたくしたちは、時代のさきがけとなる教育課程の編成を中心に研究を推進してまいりました。このように、生活教育を教育の根底にある理念と考え、子どもの姿を見取り、生活を見つめることから、継続して研究を進め、実践を重ね、深化を図る姿勢は、昭和22年の開校以来、変わることなく続いております。

 今日の教育現場では、新しい学習指導要領が実施されようとしています。「生きる力」をはぐくむという理念のもと、子どもの人間として調和のとれた育成を目標に、地域や学校の実態及び子どもの心身の発達の段階や特性等を十分考慮して、適切な教育課程の編成が進められています。

 本研究は、平成19年度より研究主題「次代を創る」を掲げ、新たな教育課程の編成に着手し、目の前の子どもを見つめながら、学びを深め合う授業の実現をめざしてまいりました。わたくしたちは、めざす人間像を「次代を創る主体として生きる人間」とし、9教科のカリキュラムを中心に実践を重ねてまいりました。この研究は、将来、子どもが、理想とする社会の創造を考えたときに、先達の思いを知り、その時代の流れに順応するだけでなく、新たな時代に求められる価値観を追究し、創り上げていくことができる姿をめざした研究であります。

 ここに、わたくしたちの4年間の研究の成果をまとめ、ご提案させていただきます。わたくしたち自身も、次代を創る主体として生きる人間をめざし、新たな時代に求められる教育を創り上げてまいりました。わたくしたちの研究と実践に、ご叱咤、ご教示いただければ幸いでございます。そして、さらにわたくしたちが踏み出す先にある、理想の社会を創り上げる一端を担うことができるよう、努めてまいりたいと思います。

 最後になりましたが、本研究に対しまして、数々のご指導、ご支援を賜りました先生方、実践にご協力いただいた多くの方々、ならびに、出版に際しご尽力いただいた明治図書編集部の皆様に、心より感謝申し上げます。


  2010年10月

   国立大学法人 愛知教育大学附属岡崎中学校長 /矢ア 太一

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      明治図書

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