- まえがき
- 1 授業力がなぜ問われるのか
- 2 授業力アップは最初の三年間が勝負
- (1) 初任者でもこれだけ差がつく
- (2) 型を学ぶか否かで差がつく
- (3) 身銭を切って学ばないと差がつく
- 3 授業力の核は「対応力」
- 4 授業力は事実把握に依拠する
- 5 授業力は「統率力」と「リズム&テンポ」に表れる
- 6 授業力は教材と格闘することで育まれる
- 7 授業力は目の前の子どもが教えている
- 8 学校全体の授業力は学校評価のレベルで分かる
- 9 模擬授業で授業力をアップさせる
- 10 授業力アップのために
- (1) 模擬授業こそ修業の場
- (2) 腹の底からの実感に依拠する
- (3) 第一発問・第一指示にこだわる
- 11 授業力アップは脳科学と医療の最先端情報が不可欠である
まえがき
次のキーワードがある。
□ 授業力
これと類似した言葉がある。
□ 教育力
□ 指導力
教育力は、「家庭の教育力」「地域の教育力」「社会の教育力」などというように使われる。
指導力は、「教師の指導力」「国語の指導力」「サッカーの指導力」などというように使われる。
教育力、指導力は教師にも耳慣れた言葉である。使われる頻度も高い。
では、授業力はどうか。
教師の中には、本書で初めて知ったという方もいるかもしれない。それくらいに耳慣れない言葉である。
授業力を教育行政の文書で使用したのは、東京都教育委員会が最初だとほぼ断定できる。
東京都教育委員会は授業力を次のように定義している。
教育の資質・能力のうち特に実際の授業の場面において具体的に発揮されるものを「授業力」ととらえ、その構成要素を六つに整理した。
(東京都教育委員会ホームページより)
六つの構成要素とはどのようなものだろうか。
□ 使命感、熱意、感性
□ 児童・生徒理解
□ 統率力
□ 指導技術(授業展開)
□ 教材解釈、教材開発
□ 「指導と評価の計画」の作成・改善
構成要素のなかで注目すべきものがある。
それは、なにか。
統率力
統率力が授業とどのように関わるのか。不思議に思う教師が多いのではないだろうか。
子どもの動かし方
個としての動かし方と群れ(集団)としての動かし方がある。真剣に子どもの動かし方で悩み、苦しんだ経験のある教師ならば「統率力」と聞いて合点がゆくはずである。
学級崩壊という事態は、統率力のない教師には立てなおすことができない。全校の子どもを前にした、あるいは学年の子どもを前にした話も、統率力のない教師とそうではない教師とでは雲泥の差がつく。教師ならば日常的に目撃しているはずである。
東京都教育委員会が教師の授業力をアップするために採用したものがある。
模擬授業
模擬授業を教員採用試験に取り入れている都道府県は多い。なぜ、これほどまでに模擬授業が採用試験で取り入れられたのかである。
授業力、指導力が一目で分かる。
模擬授業は、教員採用試験から、教職研修へと広がりつつあるのだ。
これは、厳しい。
校内の授業研究どころではない。他校の教師の前で授業をすることになるからである。
それも、である。
自分一人がするのではない。次から次へと研修に参加した教師が模擬 授業をするのだ。どうなるか。
授業力、指導力の「差」が一目で分かる。
実力がはっきりと、くっきりと見えるのだ。
東京都の話と思ってはいけない。
石川県教育委員会は発表した。
初任者研修、五年目研修、十年目研修、十五年目研修、すべてで、模擬授業を取り入れる。
例えば、十年目研修をみてみよう。
十九日間の研修期間のうちの九日間を模擬授業にあてる。
ここまできているのである。
模擬授業研修の動きは加速されるであろう。
授業力という限定された力だけに、「実力差」がくっきり、はっきりと分かる。
すぐにでも、校内で模擬授業研修を行い、授業力のアップを図らなければならない事態なのである。
本書は、このような事態を受けて、「授業力アップの修業術」を提供するものである。
いち早く、授業力に注目をした江部満明治図書相談役の提案によって本書ができあがった。感謝申し上げるしだいである。
平成十七年の年明け /大森 修

















非常に読みやすくお勧めです!!
読み進めるうちに、今の私の授業に必要な課題を浮き彫りにさせてくれました。この本を読み終わった後、「発問」の研究をし始めました。
自分の課題に気づけ、またその課題に取り組もうとさせる本です。