人気塾講師直伝!イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55

人気塾講師直伝!イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55

好評11刷

インタビュー掲載中

学校と塾は違う。が、その磨きぬかれた指導技術には壁はない。

授業評価アンケートで1位を獲得。早稲田アカデミーの人気現役塾講師である著者が、「授業コミュニケーション9つのスキル」「分かりやすい授業5つのスキル」「魅せる授業4つの演出」など、プロ教師の授業づくり・学級づくりについて学校向けに解説した教師必読の書!


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ISBN:
978-4-18-206520-0
ジャンル:
授業全般
刊行:
11刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 152頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2024年3月19日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 学習する空間作り
1−1 今,最も重要な教師力
1−2 学習する空間を作るための習慣12のポイント
(1) イメージ作りの重要性
1)イメージ作りの重要性/ 2)イメージ向上のためのチェックポイント/ 3)心にゆとりを持つこと
(2) 「表情」「声」の重要性
4)「表情」「声」で教室のリズム感・雰囲気作りを
(3) 自分のキャラクターを理解する
5)自分のキャラクターを理解する/ 6)自己分析を活かして授業に活かす
(4) 生徒のキャラクターを理解する
7)生徒のキャラクターを理解する
(5) 板書の役割
8)ポイントが明確になる板書をするために
(6) 書く姿勢で差をつける
9)書く姿勢で差をつける/ 10)コミュニケーションの基本/ 11)板書を書く姿勢
(7) 信頼感で差をつけよう
12)信頼感を生み出すことによる好循環/ 13)信頼感が土台になった運営を/ 14)信頼感で差をつけよう
(8) 指示は細かく明確に
15)指示は細かく明確に
(9) 教室全体を巻き込む習慣
16)教室全体を巻き込む習慣
(10) 授業の目的を明確にする
17)授業の目的を明確にする
(11) ルール作りの重要性
18)ルール作りの重要性 その@/ 19)ルール作りの重要性 そのA/ 20)チーム意識はコミュニケーションの土台/ 21)「師」と「弟子」の関係を作る
(12) 退屈しない授業を作るには
22)引き付けられる授業/ 23)作業に変化をつける/ 24)教えることは生徒に「発見」させること/ 25)空白の時間を作らない
第2章 授業コミュニケーションのススメ
2−1 授業はコミュニケーションで成立する
26)コミュニケーション 4つのポイント
2−2 授業コミュニケーション 9つのスキル
(1) 信頼関係作り
27)スタンスは友達ではなく「師」/ 28)コミュニケーションのきっかけ,下地作りは挨拶から
(2) 言葉遣いの効果
(3) 非言語コミュニケーションのススメ
29)非言語コミュニケーションのススメ
(4) 生徒から見れば1対1
30)生徒から見れば1対1/ 31)思い付きで行動を起こす前に
(5) コメント力を養うトレーニング
32)コメント力を養うトレーニング
(6) 生徒の回答を授業で活かすために
33)生徒の回答を活かすトレーニング
(7) 生徒を叱るコミュニケーション
34)生徒に行動改善を促すステップ/ 35)この水を出されて嬉しいか?/ 36)禁止の注意
(8) 教え過ぎの弊害
37)教え過ぎの弊害/ 38)1から10まで教えることが熱心さではない/ 39)自覚と自立心が生み出す力
(9) やる気を引き出す習慣
40)「褒める」「叱る」に依存した指導の問題点/ 41)「認める」ことは信じること/ 42)「無意識の声」の重要性
第3章 分かりやすい授業を作るために
3−1 分かりやすさの原理
43)分かりやすさの原理
3−2 分かりやすい授業の5つのスキル
(1) CMに学ぶ分かりやすさ
44)イメージに訴えて行動を起こさせる
(2) 「分かる」と「できる」は異なる
45)「分かる」と「できる」は異なる/ 46)面倒臭い,やりたくない/ 47)学力向上の学習サイクル
(3) 発見する喜び
48)発見する喜び
(4) 見える化で分かりやすく
49)見える化で分かりやすく
(5) 分からない,を恐れない
50)分からない,を恐れない
3−3 魅せる授業の4つの演出
(1) 印象付けの効果
51)印象付けの効果
(2) 学問を単なる知識にしないために
52)学問を単なる知識にしないために
(3) 話を切り出す演出
53)話を切り出す演出/ 54)指示を出す瞬間はメリハリをつけて
(4) 生徒との駆け引きを楽しむ
55)生徒との駆け引きを楽しむ
おわりに

はじめに

 授業を行なう上で最も重要なことは何ですか,上手な授業ができるコツは何ですか,と質問されることは少なくありません。一言でコツと言われても……と正直,適切な解答が見つけられずに悩んでいた時期がありました。

 しかし,原稿を書き進めていく内に一つの表現に出会うことができ,そうすると様々なことが結び付き始め,これまで点と点であった技術・習慣が一つの言葉でまとまる様になっていくのを感じたのです。


 その言葉が「学習する空間作り」……


 この言葉は,ある教育長の方から頂いた言葉なのですが,私がこれまで授業をする上で重要だと思っていたことや教わったこと,上手な授業をする先生の授業に共通している要素はこれだ,と確信することができたのです。

 学校でも塾でも,どんなに良い言葉を発して,アイデアを尽くしたとしても,仮に楽しく盛り上がったとしても,この要素が欠如していたのなら,それはもはや授業ではなくレクリエーションとなってしまうのです。

 そうであるなら,当然の様に学力向上を望むことなどできないでしょうし,本来,授業で伝えたいこと,身に付けさせたい習慣などを効果的に浸透させることなど不可能であることは言うまでもありません。

 なぜなら,生徒が学習をしようとする環境では無いから……

 要するに,学習する準備が整っていない,聞く準備のできていない相手に話をしても的確に物事を伝達することなどできない,ということなのです。


 学習する環境を作り上げる。それを実現するには生徒を静かにさせて,姿勢を正しくさせて,教師が話をスムーズに進行できる環境を作る。ということも当然,必要なことなのですが,その様な体裁だけを整えることばかりに偏ってしまうと,事あるごとに同じ注意を何度も繰り返し,しまいには怒鳴り,恐怖によって強制力を生み出し,「ガツンと言ってやれば良いんですよ」という言葉の下に「形だけの授業を受ける姿勢」を作り始める先生が出てきてしまうのです。

 それのどこが拙いのかは説明するまでも無いとは思いますが,まずは「学習する空間作り」とは何なのかという大雑把なイメージをつかんで頂いて,その上で詳しく方法論,考え方,スキルに関して触れていこうと思います。

 「学習する空間作り」とは授業を行なう者にとって,最も重要な力なのではないかと考えています。その要素は非常に多岐に渡り,生徒が学習を行なう環境を整える全ての習慣,行動を指しています。

 その中には先程も述べたように,生徒を静かにさせること,姿勢を整えさせること,という体裁を整えることも含まれていますが,授業の内容によって生徒を引き付ける演出,生徒との信頼関係の構築,約束・ルール作り,コミュニケーションの手法などの目に見えることから目に見えないことに至るまで,様々な要素が組み合わさって実現することができるものなのです。

 私はこれを「学習する空間作り」と呼んで,教師にとって最も重要な教師力なのではないか,ということを呼びかけていきたいと考えているのです。


 こんな話をすると怒られてしまうかも知れませんが,私は進学塾講師として成績を上げること,志望校に合格させること,だけで終わらない教育を生徒にしていきたい,という理想を常に持っていました。もっと言えば受験勉強を通じて,さらにその先,10年後,その生徒が伸びるための下地作りをしたかったのです。その様に考えて塾講師という仕事に携わっていくと,進学塾だからこそ見えてきた事柄や可能になった実践なども数多く,しかも私が所属をさせて頂いた早稲田アカデミーという進学塾は首都圏の最大手であるにも関わらず,一講師に与えられる裁量も大きく,試行錯誤を繰り返しながらそれらを実現する上でとても良い環境だったことにも恵まれて現在の私のノウハウを大切に育てていくことができました。その様な指導の結果として生徒が伸びていき,「いい受験をすることができました。」と言って頂けるような結果へと結び付いていったのです。

 学校と塾では役割が違う,とよく言われます。確かにその通りだと思います。しかしながら,その様な考え方の下でお互いのプラスとマイナスに目を背けてしまっているのかも知れないな,と思うのです。学校教育の世界は学校関係者だけで,塾の教育は塾だけで,お互いが関わる余地は無い,という様な考え方ではきっと,本当の意味で子供にとって良い教育環境を整えることはできないのではないか,と感じているのです。なぜならば,学校教育と塾の教育の狭間に立たされているのは他ならない子供達なのですから……

 だからこそ,私は進学塾で実践し,講師研修のインストラクターなどを通じて培ってきた様々なスキルを伝えていくことで,学校教育の現場でも活かせるものがもしあるのであれば,惜しむことなく紹介していきたいと思います。同時に学校の先生やその他の教育関係者の方々との話し合いを通じて,私も様々な学校教育に関する知識・ニーズ・現状を吸収してお互いが良い意味で成長していくきっかけ作りを行なうことができたら,と考えています。この様に建設的な交流が進んでいけば点数を取らせる勉強だけを教える塾はきっと生き残っていくことはできない世界になることでしょう。

 塾の中身やあり方,学校教育との関係性は今後,大きく変貌を遂げていく必要があることは間違いがないと確信しています。その姿はどのようなものなのかは私の中に明確な絵を描けている訳ではありませんが,その最初のステップはきっと学校教育との相互理解と交流なのではないかと思うのです。


  T's skill教育技術研究所代表

   早稲田アカデミー チーフインストラクター   /諸葛 正弥

著者紹介

諸葛 正弥(もろくず まさや)著書を検索»

工学修士。大手進学塾,早稲田アカデミーにて13年間指導を行い,同塾で実施される夏期合宿では生徒による授業評価アンケートで1位も獲得。講師研修インストラクターも担当する。

その経験を生かしT痴 skill教育技術研究所を設立,進学塾で培った授業スキルを学校教育へ活かす教育セミナーを開催し,教師力向上のための活動を行なっている。また,建築設計事務所での実務経験もあり,意匠設計とプレゼンテーション技術を授業へと活かした手法や学校建築のデザイン設計にも深い関心を持つ。

T痴 skill教育技術研究所 代表。

株式会社早稲田アカデミー 経営企画室/講師/チーフインストラクター。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • 塾というと勉強のノウハウだけを教えているというイメージがありましたが、「教育者」としてのすばらしい姿勢と、熱いお人柄を察することができ、面白かったです。
      2008/4/9YKK
    • 初任者の指導をする立場になってしまった。
      だからこそ更に学ばなければと思い、本書を購入した。

      ・信頼関係を築く。
      ・子どもに背を見せて板書しない。
      ・挨拶を大切にする。
      ・分かりやすい授業をする。

      そうするものだ、と駆け出しの頃から言われてきた。
      今度はそうすることの意味を添えて若い人に伝えてあげられそうだ。
      いや、待て。
      著者がこの本で訴えていることはそんなことではない。

      教師を職業に選んだのだ。
      先生という仕事の面白さをたくさん感じられたら幸せだ。
      だからこそ、教師力をアップさせたいと思う。
      「おわりに」の著者の言葉には大いに共感して読み終えた。


      左ページを読んだら右ページのイラスト図でまとめてある。
      こうした本の作りも画期的ですばらしい。

      2007/1/31Brass
    • 授業を通じて「教師自らも生徒から学ぶ、学ばせていただくという視点」に感銘を受けました。

      そういう真摯な気持ちを持った先生に教えてもらう生徒は幸せですね。

      真の意味でのプロフェッショナルとは、永遠に成長し続けるアマチュアなのかもしれない・・・。


      諸葛先生の実践されてきた「授業空間作り」の様々なヒントを、実際の授業の中で活用させていただきたいと思います。
      2007/1/24桃太郎
    • 塾にある独自のノウハウを盗もうと思って購入しました。

      ですが、特別な技術を盗み、簡単に成果を得ようとしていた甘さを感じ、当たり前だけれども本当に大切な基本の実践の積み重ねの重要性を再確認することができました。

      読み進めている中で一つ一つは決して特殊な事ではないけれど、そうだよな、大切だな、という事を数多く納得させられました。私は10年近く教師をしていますが、初心・基本の大切さを振り返ることができて良かったと思います。

      そして、読み終えてふと気付いてみると、塾のノウハウを盗むという当初の思いはすっかり忘れていました。結局、塾も学校も授業の基本は同じなのかも知れません。
      2007/1/12大切なこと
    • 「学習する空間づくり」という早稲田アカデミーの学校出張研修の記事を某新聞で読み、“人気塾講師”と言われる人の授業とはどんなものだろう?と興味を持っていたので購入しました。

      正直、「塾は点数だけ」との先入観がありましたが、本書を読み、今や学校での取り組みより進んでいる部分があるのかも、と感じざるを得ませんでした。
      生徒のやる気をどのように引き出すか、授業に取り組ませるにはどうしたらよいか、など大きなヒントが得られた気がします。

      子どもが塾に行くのは公教育が衰退したから―などとメディアで言われ腹立たしい気持ちもありましたが、人気のある塾にはそれだけの授業力があり、一教師として真摯に学ぶべき部分もあるのでは、と感じました。
      著者いわく、プロの先生になるために大切なことは「反省する心」、そして「情熱」。
      これは塾も学校も同じなのかもしれません。
      2006/12/27初心に返る
読者アンケート回答でもれなく300円分のクーポンプレゼント!

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