- はじめに
- 第1章 仲間と学ぶ
- 1 学習の心がまえ
- 学習の基盤はよい生活習慣/学校での学習/家庭での学習
- 2 共に学ぶ学習
- 学習グループと小集団学習/生活グループづくり
- 3 教科リーダーとリーダー学習
- 教科リーダーとは/教科リーダーの仕事/リーダー学習の進め方/リーダーノートの書き方/『学習の主題とねらい』を活用しよう
- 4 話し方・聞き方
- 話し方・聞き方のポイント
- 5 話し合いの進め方
- いろいろな会議・話し合い/話し合いの進め方いろいろ/司会のしかた/学級会の進め方の例
- 第2章 教科・総合的な学習の学び方
- 1 国語の学び方
- 国語の学習で何を学ぶか/国語はすべての基本/学習の進め方/学んだことがわかるくふう/ことばと心を育てる総合単元学習
- 2 社会の学び方
- 社会科の学習で何を学ぶか/学習の進め方/ノートのとり方/地理学習をさらに楽しく/歴史学習をさらに楽しく/公民学習をさらに楽しく
- 3 数学の学び方
- 数学の学習で何を学ぶか/授業を大切にしよう/学習の進め方/家庭学習はどうすればいいの?/ノートで差がつく勉強法/テストは健康診断と同じ/問題を解く秘けつ
- 4 理科の学び方
- 理科の学習で何を学ぶか/授業中の学習と心がまえ/ノートのとり方/レポートの書き方/予習・復習のしかた/さらに理科を極めるために
- 5 音楽の学び方
- 音楽の学習で何を学ぶか/学習の進め方――歌唱、創作と理論、器楽、鑑賞/学習の流れ/音楽室
- 6 美術の学び方
- 美術の学習で何を学ぶか/学習のねらい/美しい形・美しい色/学習の進め方/美術の学習を楽しく
- 7 保健体育の学び方
- 保健体育の学習で何を学ぶか/体育の学習――体育の学習の心得、中学校ではこんな運動・スポーツをします、体育の学習の進め方、体育の1時間の授業、グループ学習の進め方/保健の学習――保健の学習は自分自身が教材、保健の学習内容、保健の学習の進め方、3年間同じノートで学習
- 8 技術の学び方
- 技術の学習で何を学ぶか/学習の進め方――学習は一歩ずつのステップで、学習の流れを知ろう、学習の流れを楽しくわかりやすい図にまとめよう、実験学習で原理を理解しよう、ノートはこうまとめよう、誰が見てもわかるレポートを作ろう、こんな作品を作ろう
- 9 家庭科の学び方
- 家庭科の学習で何を学ぶか/学習のくふう/学習の進め方/学習の流れ/実習の作品例/ノートのとり方/こんなときどうする
- 10 英語の学び方
- 英語の学習で何を学ぶか/学習の進め方――学習内容、授業の流れ、ノートのとり方、家庭学習のしかた/英語学習で困ったとき
- 11 総合的な学習の学び方
- 総合的な学習とは/総合的な学習の進め方/附属住吉中学校の総合的な学習
- 第3章 効果的な学び方
- 1 学用品
- ――お気に入りの学用品を見つけよう
- こんなノートを/ふでばこにこれだけは入れておこう/引き出しにはこんな学用品を準備しておこう/資料の整理にはこれを使おう
- 2 整理のしかた
- ――じょうずな整理はあとでらく
- 能率のあがらない勉強机/プリント類の整理をうまくしよう/能率のあがる勉強机
- 3 時間の使い方
- ――無理なく、無駄なく、ムラがなく
- 時間は万人に平等/1日の勝負は朝
- 4 覚え方
- ――記憶力を20%アップしよう
- 5 考え方
- ――何を、どのように考えるかがポイント
- 授業中、「考えなさい」と言われたら?/結論のまとめ方
- 6 テストの取り組み
- ――テストは学習の一里塚
- テストは何のためにあるのでしょう/テストの種類/テスト勉強のしかた/テストの受け方10か条/答案用紙が返ってきたら……
- 7 情報の集め方
- 1 オリジナルな情報を作ろう
- こんな心構えで/こんな用具を/情報はここから/こんな整理の方法を
- 2 新聞の利用
- 新聞には多くの情報がつまっている
- 3 インターネットを活用しよう
- インターネットでできること/情報を集めよう/電子メール(e-mail)を活用しよう/情報モラル(ネチケット)を考えよう/コンピュータ室の使い方
- 4 図書室の利用
- みんなの図書室/知っておくと便利、分類番号/知りたい本をさがす時は
- 5 インタビューのしかた
- インタビューで大切なこと/インタビューのマナー10か条/基本はやはりメモとスケッチ
- 8 まとめ方
- 1 文章を作るこつ
- こつさえわかれば、あなたにも書ける/文を書く時は、せ・わ・か・け・ろ
- 2 ノートの使い方
- 黒板を写すだけではつまらない/じょうずなノートの書き方
- 3 メモのとり方
- メモとは省略すること/よくばらず簡単に書く/項目をはっきりさせ、順序よくまとめる/メモの重要度を記号で表す
- 4 レポートの作り方
- レポートの基本
- 5 プレゼンテーションに強くなろう
- プレゼンテーションとは/なぜプレゼンテーションが必要か/プレゼンテーションの心得/資料を作ろう/うまく伝える−話し方・伝え方のこつ−
- 第4章 豊かな学び
- 1 健康と学習
- ――学力は健康な心身から
- 基本的な生活習慣を身につけよう/頭の働きをよくするために/学習の効率を高めるために
- 2 学習を生活に生かす
- ――こんなとき、こんなところに
- 生活に生きてくるもの/どう生かすかを考えよう/ある日、運動場で/ある日、工事現場で
- 3 読書と読書感想文
- ――本を読んで心を育てよう
- 本を読むことのねうち/選んで読もう/私たちの読書案内――読んでごらん/課題図書/すぐ役に立つ本の読み方/読書の記録/読書感想文を書くために
- 4 日記
- ――日記とは、自分との対話である
- 多感な時代、それが中学生/どんなことを日記に書けばいい?/日記を書くことを毎日の習慣にしよう/日記の書き方例/仲間との心の交流をしよう
- 5 長期休暇の過ごし方
- ――計画で決まる
- 充実した夏休みとは/ムリのない計画を/ムラのない実行を/継続は力なり
- 6 自由研究の進め方
- ――汗して、自分の足で歩いた研究を
- こんなテーマはいかが!/自由研究を始める前に/研究の進め方/研究の計画の立て方/自由研究作品例/研究メモから
- 7 新聞づくり
- ――教科新聞を作ってみよう
- 割り付けのこつ/作品の例
- 8 学級歌
- ――みんなで作ろうクラスの歌を
- 学級歌完成までの手順/学級歌の例
はじめに
日本画家としてみなさんもよく知っている東山魁夷が中学校の2年生の時に、自分の将来の希望をこんなふうに書きました。
――小さい城下町で本屋を開き、きれいなお嫁さんをもらって、母親に孝行し、読書や絵を描くのを趣味にして、平和に暮らしたい――と。
ところが、この作文を読んだ担任の先生は、「これは、少年の持つ希望ではない。」としかりました。どうしてでしょう。
担任の先生はきっと、中学時代こそもっと大きな希望に燃えて、自分の可能性をうんと伸ばしてほしいと思われたのでしょう。みなさんも、現在の力で満足したり、あるいは失望したりしていては、すばらしい可能性を伸ばすことができません。
この『How To Study 〜豊かな学びを育む〜』は、あなたのすばらしい可能性を発見するために役立つでしょう。また、学習は、がんばろうとしている人ほど悩みが多いのです。「努力しているのに成績があがらない。」とか、「なかなか覚えられない。」などの悩みです。この本には、こんな悩みを解決して、中学生活に自信をもって楽しく学習できる次のような5つの条件を中心にしながら、学習方法が書かれています。
心とからだを健康に
からだの調子が悪いと、心もくもります。逆に、心が晴れなければ、からだの調子も悪くなります。心もからだも健康にすることが第1条件です。
美しい心と優しい感情
中学生のころは、とても感じやすく、傷つきやすいものです。また、すぐ腹をたてたり、反抗したりしがちです。だから、ものごとを正しく受けとめ、自分の力や感情を正しくみきわめることが大切です。同時に、美しい心や優しい感情を豊かに育てたいものです。
良き友との出会いを
中学時代、みんなに好かれる人は、親切で、熱心で、信頼できる、公平な、いばらない、ユーモアのある人です。学習を通じて良き友との出会いがあります。友に学ぶ学習の楽しさをこの本に示しています。
悩みをのりきる強い意志を
私たちのまわりには、思いどおりにならないことがよくあります。伸びていくために、この悩みをのりきる強さを身につけましょう。それは、何事にも積極的に取り組むことです。根気強く、むずかしい学習にも挑戦する勇気が、あなたを育てます。
学習方法を身につける努力を
自分で学習する習慣をつけることが、学習の第一歩です。そのためには、まず、勉強の基本を身につけましょう。
この本は、第1章「仲間と学ぶ」第2章「教科・総合的な学習の学び方」第3章「効果的な学び方」第4章「豊かな学び」から成り立っています。
第1章では、学習の心がまえをはじめ、小集団学習、話し方・聞き方などを、第2章では、各教科と総合的な学習の学習のねらい、学習の手順、資料の活用などを、第3章では、情報の集め方から、覚え方、考え方、文章やノートのまとめ方など、じょうずに学習する方法を、第4章では、発展的な学習のしかたとして「自由研究」の進め方、読書のしかた、「学級歌」の作成のしかたなど、はば広く示しています。
あなたのすてきな中学生活のために、この本を役立ててほしいものです。
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- 明治図書