- はじめに
- 第1章 STEAM教育とは何か
- 1 STEAM教育って何?
- 2 S,T,E,A,M各領域の内容
- 3 なぜSTEAM教育が求められているのか
- 第2章 STEAM教育の歴史と研究動向
- 1 STEAM教育の歴史
- 2 STEAM教育の研究動向
- 第3章 STEAM教育に関連する学習プロセスモデル
- 1 探究の過程を意識した指導はなぜ必要なのか
- 2 文部科学省が示している学習の過程
- 3 STEM/STEAM教育における学習の過程
- 4 STEAM教育における学習プロセスモデルの提案
- 第4章 STEAM教育の資質・能力表と単元デザインシート
- 1 STEAM教育の授業デザイン
- 2 テーマ
- 3 探究課題
- 4 資質・能力表
- 5 プロセスデザインシート
- 第1章 磁石はどんな動きができる?(3年/理科,図画工作科)
- 第2章 空気,水,金属で温度計をつくろう(4年/理科,国語科,社会科)
- 第3章 ハザードマップをつくろう(5年/総合的な学習の時間)
- 第4章 牛乳パックの形の秘密を探ろう(6年/算数科)
- 第5章 プログラミングで節電・節水をしよう(6年/理科,国語科,総合的な学習の時間)
- 引用・参考文献
- おわりに
はじめに
近年,教育の現場では「STEAM教育」という言葉が注目を集めています。科学(Science),技術(Technology),工学(Engineering),芸術・教養(Arts),数学(Mathematics)を総合的に学ぶこの教育は,従来の教科単位の学習から一歩進み,子どもたちが教科横断的に考え,実社会とつながる課題に主体的に取り組む力を育むことを目的としています。
本書は,このSTEAM教育を小学校の授業づくりにどのように取り入れ,子どもたちの探究心や創造性を引き出していくかを具体的に示すために執筆しました。
私たちが提案するSTEAM教育は,単なる理系教育の拡充ではありません。
そこには,文理の枠を超えた「文理融合型」の学びがあります。子どもたちは理科や算数で培った論理的思考を活用しながら,社会科や国語,美術など多様な教科とつなげ,現実世界の問題を自分事として捉え,解決の糸口を探ります。
例えば,環境問題を扱う授業では,科学的データを分析しながら,社会的背景や文化,倫理の視点も取り入れ,より多角的な探究を進めていきます。このような学びは,これからのVUCA時代を生き抜く子どもたちにとって,不可欠な力となるでしょう。
現在,日本でも中央教育審議会をはじめとした政策提言の中で,STEAM教育の必要性が繰り返し指摘されています。特に,総合的な学習の時間における教科等横断的な探究の強化など,全国の学校で新しい学びへのシフトが始まっています。
しかし,実際の現場では「どのように授業を組み立てればよいのか」「どのように探究を支援すればよいのか」といった声が多く聞かれます。本書では,そうした疑問に応えるべく,理論だけでなく,具体的な授業例や単元設計のポイントを豊富に紹介しています。
また,STEAM教育は,外部講師を招いた特別なプロジェクトだけにとどまりません。日々の算数や理科の授業の中でも,子どもが自ら問いを立て,実験やデータ分析を通して学びを深める工夫は可能です。小さな工夫の積み重ねこそが,子どもたちの主体的な学びを支え,将来の「知る」と「つくる」の循環型学習へとつながっていきます。
本書では,こうした考え方に基づき,第1部でSTEAM教育の意義と基礎的知識を整理し,第2部では実際の授業実践例を具体的に示します。教師が授業をデザインする際に役立つ視点やツールを提供し,読者の皆さんがそれぞれの学校の実情に合わせてSTEAM教育を無理なく取り入れられることを目指しています。
子どもたちは日々,変化の激しい社会を生きています。私たち教師は,その未来を見据え,教室の中に「探究」と「創造」があふれる場をつくり出さなければなりません。本書が,これからの学校教育をより豊かにする一助となって,先生方一人ひとりの実践を後押しすることを願ってやみません。
2026年1月 /米田 重和
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明治図書















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