ゴミ学習で進める環境教育

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具体的な授業実践のレベルで、環境教育としてのゴミ学習の充実を図る。知的におもしろく、多様にゴミについて学び、環境問題について考える。


復刊時予価: 2,563円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-201921-0
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
6刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第T章 環境教育としてのゴミ学習
§1 「市や町のしごと」の学習
1 ゴミの教材化
2 学習の実際
§2 ゴミ学習の系譜
1 「思考体制」教育としてのゴミ学習
2 ゴミと公害の学習
3 環境・資源の学習
§3 環境教育としてのゴミ学習
1 ゴミ学習の拡大
2 環境教育としてのゴミ学習
3 環境教育改善の視点
第U章 ゴミから考える人間と自然
§1 「EMサイクル図」の授業
1 授業の目標
2 授業の実際
§2 人間と自然
1 EMによるゴミ問題解決のレベル
2 反自然的存在としての人間
3 もう一つの自然
§3 「ゴミから考える人間と自然」の授業
1 授業の構想
2 学習指導案とワークシート
3 授業の実際
4 新たな展開についての考察
第V章 ゴミの意味
§1 「ゴミって何だろう」の授業
1 授業の目標
2 授業の実際
§2 ゴミの意味
1 不自然な事例
2 ゴミの定義
3 ゴミの両義性
§3 「ゴミでないものを取り出そう」の授業
1 授業の目標
2 授業の展開
第W章 個人的活動から社会的解決へ
§1 環境ボランティアの授業
1 授業の目標
2 授業の実際
§2 個人的活動から社会的解決へ
1 学校教育に適切か
2 事態を悪化させる個人的活動
3 社会的解決
§3 「ディベートで考える森林保護」の授業
1 授業の構想
2 学習指導案とワークシート
3 学習指導の詳細なプラン
4 ゴミ問題解決のディベート学習
第X章 環境問題のジレンマを越えて
§1 「フロンガスのジレンマ」の授業
1 子どもたちをジレンマ状況に
2 授業の実際
§2 ジレンマを越えて
1 ジレンマの不成立
2 ジレンマを回避する科学技術
3 ジレンマを越えて
§3 「ディベートで考えるサマータイム制」の授業
1 サマータイム制を論題に
2 授業づくりの計画
3 立論例
4 ディベート学習ワークシート
第Y章 声なき声
§1 「エコ・ロールプレイ」によるゴミ学習
1 「エコ・ロールプレイ」の学習
2 「エコ・ロールプレイ」の実際
§2 声なき声
1 未来世代からの声
2 動植物からの声
3 人間中心主義批判
§3 「ロールプレイで考えるゴミ問題」の授業
1 シナリオの構想
2 指導計画
3 シナリオ
あとがき

まえがき

 休日には、バス釣りに行くことにしている。ブラック・バスという魚を釣るゲームを楽しむのである。

 ダム湖や野池に通うのだが、いつもゴミを目にする。ときには、気がつくと、ゴミ捨て場のような所で、ルアーを投げていることもある。

 空き缶やペットボトル、ビニール袋、発泡スチロール製の容器等が散乱している。釣り人が捨てたゴミもあれば、そうでないものもある。

 あまりにもひどい、と思うときは、しばらくゴミ拾いをする。ゴミに囲まれていては、バスとのゲームを楽しむことができないからだ。

 研究室にいても、ゴミには悩まされる。プリンタから排出される大量の紙ゴミがある。次々と送付されてくるダイレクト・メールもある。ファクシミリで送られてきた文書も、読み終わるとゴミになる。

 お茶の葉もコーヒーの豆も、飲み終わったらゴミだ。割れたコップも、空のペットボトルの横に積み上げてある。

 今は、ゴミでない机や椅子、書架とその中に詰め込まれた本も、近い将来ゴミになるのだろう。パソコン等の機器もそうだ。

 このように周りを見ると、ゴミに囲まれて生活しているように思えてくる。しかも、ゴミは深刻な問題になっている。新聞を見ても、ゴミに関する記事を毎朝のように見つけることができる。

 一方、考えれば考えるほど、調べれば調べるほど、ゴミはおもしろいものだと思う。ゴミを通して、生活が見えてくる。文化、文明が見えてくる。人間が見えてくる。

 それは、顕微鏡による、微生物の観察のようなものだ。倍率を変えると、違ったものを次々に目にすることができる。

 そんなゴミについて、環境教育の学習として考えてみようとするのが、本書である。

 ゴミ学習を指導する授業づくりについて、実践的に考察したものである。また、特に、政治、経済、文化の視点を重視して考察を進める。なぜなら、それらの視点がこれまで軽視されていたからである。

 第T章では、環境教育としてのゴミ学習とは何か、について考察する。これまでのゴミ学習、これからのゴミ学習のあり方を明らかにする。

 ゴミを視点にして、反自然的存在としての人間のあり方について考えるのが、第U章である。その考えにもとづく、ゴミ学習の授業を、具体的に提案する。

 第V章では、取扱い方によって、ゴミはゴミでしかなかったり、ゴミでなくなったりすることについて明らかにする。また、そのことを理解する、活動的なゴミ学習の展開について提案する。

 第W章では、環境保全の行動や実践の学習を見直すべきことを主張している。もちろん、代案としてのディベート授業の計画を示してある。

 環境問題をジレンマとしてとらえることを考え直そうとするのが、第X章である。ジレンマ学習を越える環境政策学習を構想する。

 ゴミ問題について、さらに広い視野で考える学習の展開を構想するのが、第Y章である。ロールプレイの方法によって、わたしたちの自由や権利を制限することを考える学習の指導計画を示す。

 いずれの章においても、具体的な授業実践のレベルで、その議論を展開している。先行の授業実践を批判的に検討し、新たな授業プランを具体的に示すようにしている。

 環境教育、ゴミ学習の授業づくりを進めていく上で、本書がそのヒントになることを願う。また、子どもたちにも、より望ましい環境学習、ゴミ学習を期待したい。

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