- まえがき
- 1 こうすれば「学習習慣」が身につく
- 一 必ず下敷きを敷いて字を書く子にするには
- 1 なぜ下敷きを使うのかを理解させる /須田 尚
- 2 下敷きを敷いたらすかさず花まるを /赤坂 真二
- 3 反射的に下敷きを…「写ランです」 /中嶋 郁雄
- 二 ノートをきちんと書ける子にするには
- 1 ベストノートを印刷して配ろう /高橋 正彦
- 2 ノートを使う最初の時間にすること /赤坂 真二
- 3 子どもとの根比べ /中嶋 郁雄
- 三 自分の意見をはっきり言える子にするには
- 1 話す場あれこれ /赤坂 真二
- 2 まずは小人数で鍛えよう /土作 彰
- 3 教師がよい聞き手に /高橋 正彦
- 四 話を聞ける子に育てるには
- 1 うるさかったら、声のトーンを落とす /戸田 正敏
- 2 ハンドサインは聞く合図 /赤坂 真二
- 3 魔法のマイクロホンを使おう /土作 彰
- 五 忘れ物をしないようにするには
- 1 自分で準備ができるようにしよう /中嶋 郁雄
- 2 「わすれないゾーくん」でふり返り /赤坂 真二
- 3 ゴムを使って忘れ物をしない工夫を教える /戸田 正敏
- 六 チャイムが鳴ったら、着席するような子にするには
- 1 授業の始まりは楽しいドリルから /高橋 正彦
- 2 チャイムが鳴ったらすぐ授業 /赤坂 真二
- 3 チャイムが鳴ったら何をするのかを示そう /土作 彰
- 七 次の勉強の準備ができる子にするには
- 1 次の勉強を日直が連絡 /高橋 正彦
- 2 準備ができたら休み時間にしてください /土作 彰
- 3 「ジュンビちゃん」のプレゼント /赤坂 真二
- 八 きちんと自習ができる子にするには
- 1 課題を明確に /高橋 正彦
- 2 よかったところを言わせる /赤坂 真二
- 3 日頃の学級経営+子どもが熱中するネタ /中嶋 郁雄
- U 教科別「学習習慣」を身につける手だて
- 一 国語科学習で「学習習慣」を身につける /須田 尚
- 1 一年生の国語科学習で身につけさせたい「学習習慣」
- 2 二年生の国語科学習で身につけさせたい「学習習慣」
- 二 算数科学習で「学習習慣」を身につける /中田 寿幸
- 1 一年生の算数科学習で身につけさせたい「学習習慣」
- 2 二年生の算数科学習で身につけさせたい「学習習慣」
- 三 生活科学習で「学習習慣」を身につける /高橋 正彦
- 1 一年生の生活科学習で身につけさせたい「学習習慣」
- 2 二年生の生活科学習で身につけさせたい「学習習慣」
- V 低学年段階の基礎的な「学習習慣」とは
- /戸田 正敏
- 一 低学年段階で必要な「学習習慣」
- 二 「学習習慣」づくりの決め手
- 三 家庭における「学習習慣」づくり
まえがき
全校朝会などで整列する時、いつまでもおしゃべりをしたりふざけたりしているクラスがあります。また、忘れ物が目立ったり、机や椅子が乱れ、ゴミが散らかっていたりする学級があります。
このような時、担任はどのような対応を取るでしょうか。
一般的には、子どもたちに対して、何らかの「指導」が行われます。
しかし、多くの場合、「指導」と言いながら実は、「子どもたちへの店文句点」になっていないでしょうか。
「あなたたちが悪い」「どうして、ちゃんとできないの」等々、担任から発せられる言葉は、子どもたちを非難する言葉であることが多いようです。
ここで、もう一度ふり返ってみてください。
前述のような状態になる前に、担任は一体どのような「指導」をしてきたのでしょうか。
整列する時の約束として、どのようなことを子どもたちに伝え、それがしっかりできるようにするために、どんなことをやってきたのでしょうか。また、忘れ物をしないようにするために、どのような手だてを講じたのでしょうか。「机や椅子が乱れていたり、ゴミが散らかっていたりしたらどうするのか」という店当たり前のこと点を子どもたち一人一人が考え、自分の意思で行動できるようにするために、どのような「学級づくり」をしてきたのでしょうか。
残念ながら、子どもたちを非難したり、子どもたちに店文句点を言ったりするような担任は、そのような手だてや指導を行わないまま、子どもたちを非難したり、子どもたちに店文句点を言ったりしていることが多いようです。
本書は、「学習習慣」を身につけさせるための指導方法と国語、算数、生活科における「学習習慣」のポイントや低学年段階での基礎的な「学習習慣」とは何かについて記してあります。
T章「こうすれば『学習習慣』が身につく」では、基本的な「学習習慣」について、三通りの指導方法を示してあります。
U章「教科別『学習習慣』を身につける手だて」では、国語、算数、生活科の三教科について、各教科の学力面と関連する「学習習慣」を身につけさせるための指導方法が示してあります。
また、V章「低学年段階の基礎的な『学習習慣』とは」では、低学年の段階で身につけさせたい「学習習慣」の内容と定着のための留意点、家庭との連携のポイントについて書いてあります。
それぞれ、どのような指導をすればよいか、どんな点に注意して指導を進めていけばよいかということが具体的に書かれています。
拙著『自立した子を育てる「学級づくりステップ組織術」』(明治図書)で、私は、次のように書きました。
ロケットを打ち上げる時、打ち上げる角度が一〜二度違っただけでロケットの到着地点は大きく違ってきます。「一〜二度」という店ちょっとした違い点が、「何十メートル、何百メートル」という店とてつもなく大きな差点となって表れてきます。
これは、「学級づくり」においても同じことがいえるのです。
本書に示した指導方法は、いずれも「学習習慣を身につけるための店ちょっとした指導方法点」です。しかし、それは、「とてつもなく大きな差」を生む指導方法なのです。
本書に収めてある「学習習慣を身につけさせるための指導方法」を、どうぞご活用ください。
そして、その「指導方法」を先生ご自身の「指導方法」としてください。
それが、先生の学級の子どもたち一人一人を鍛えることになり、先生の「学級づくり」の店質的向上点に繋がっていきます。
昨今、「学級崩壊」という言葉が頻繁に使われ、その言葉の店重み点や意味が改めて問われています。
子どもたちを成長させ、子どもたちに力をつけさせるような指導や手だてを何ら講じることなく、子どもたちを非難し、子どもたちに店文句点を言うような担任にならないためにも、もう一度、子どもたちの「学習習慣」について考えてみる必要があるようです。
本書が、先生の「学級づくり」にとって何らかのお役に立てれば幸いです。
最後になりましたが、今回の企画を与えてくださった明治図書の江部満氏、樋口雅子氏に厚く感謝いたします。また、「学級づくり中央研究所」「全国『学級づくり』研究会」に参加しているメンバーをはじめ、多くの仲間に支えられて本書が出来上がりました。本当にありがとうございました。
2000年1月
全国「学級づくり」研究会・学級づくり中央研究所代表 /戸田 正敏
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- 明治図書