- まえがき
- T 学年経営のめざすもの
- 一 学年経営のねらいは
- 教師の協力を組織する/組織面と教育面でのねらい/「私の学級」から「私たちの学級」ヘ
- 二 学級―学年―学校を結ぶ
- 「内へ向かう目」と「外に向かう目」/学年経営から学校経営へ/「考える機能」と「行動する機能」
- 三 学年経営の要は学年主任
- 学校独自の学年主任も/学年主任の職務 他
- 四 学年教師の協力による指導体制の改善
- 基本的学習集団としての「学級」/「学級」の枠組みの弾力化に期待/多様化する教授組織 他
- U 学年教育目標の具現化
- 一 学年目標と学校・学級目標
- 学年主任の視界/学校目標と学年目標/学年目標を考える 他
- 二 学年経営計画の設定
- 四つのことに目を向けて/年間を見通して/経営重点を忘れない/役割の分担/学年会の運営
- 三 教育課程の編成・実施
- 教育課程の実践化と主任/編成の手順/学年の指導計画の作成 他
- 四 学年経営案の様式・内容
- 学年経営案を書く/学年経営案の内容/作成に当たって/一学年一学級の経営案/学年会の運営/学年経営案の実例
- V 学年主任と学年会
- 一 チーフとしての学年主任とその仕事
- 若い主任の不安/学年主任の職務/学年主任の位置と三つの役割/学年主任の連絡調整、指導助言 他
- 二 学年会の組織と運営
- 学年会の役割/学年経営方針の設定/学年会の組織と役割分担 他
- 三 学年会の活性化
- 学年会のマンネリ化の要因/組織の活性化のイメージ/小集団の機能を生かす/学年会の活性化―小学校 他
- 四 学年内の諸問題への対応
- 求められる教師の人間性/トラブルヘの対応/プライバシー保護
- 五 学年主任の評価
- 学年経営の評価/自己評価を生かす
- W 学年経営と学習指導
- 一 学習指導に学年経営を生かす
- 学習風土と学年経営/学習指導に学年経営を生かす 他
- 二 教師の能力・適正を生かした指導
- 質的思考理論と授業/授業の芸術観と科学観/学習形態に通暁する必要/各教師の特性を多面的に引き出す
- 三 学年行事の展開
- 四 教材・教具の活用
- X 学年経営と生徒指導
- 一 生徒指導に学年経営を生かす
- 同一歩調での指導/「わかる」し「できる」ことを「する」 他
- 二 学年会の生徒指導体制
- 指導体制は指導態勢/指導目標は教師の行動目標/学年会での申合わせ/学年主任が配慮しておくこと 他
- 三 学年全体の児童生徒の個別理解
- 児童生徒理解とはなにか/児童生徒による教師理解 他
- 四 学年・学級のきまりの指導
- きまりの指導の今日的課題/きまり設定の手順、きまりの内面化/個々の事情に配慮すること/ツッパリ集団の指導 他
- Y 学年経営と校内研修
- 一 学年経営の核「校内研修」
- 共同の強みを生かして/わかりあうこと/自分を変える仕事として/成果の積み上げのなかで/研修推進を図る手続きを 他
- 二 学年会と教科研究部の連携
- 授業のエネルギーを生む/総合学習活動のすすめ 他
- 三 授業研究の場としての学年会
- 授業研究の内容/授業研究における学年主任の役割 他
- 四 学年会メンバーに対する指導助言
- Z 協力教授組織とティーム・ティーチング
- 一 連携・協力による指導体制
- 何のための連携・協力か/教職をめぐる専門職論議の問題点 他
- 二 学年経営を基盤にした協力教授組織
- 学年の基盤づくりと経営案の作成/学年経営案の構成と内容 体育「自然災害と復旧作業」の実践事例 他
- 三 小学校での一部教科担任制
- 指導組織の改善と一部教科担任制/一部教科担任制の導入と展開/教科担任制を支える教科分担 他
- 四 ティーム・ティーチングの展開
刊行にあたって
編者代表 /下村 哲夫
「主任が光っている学校は伸びる学校だ」という。その通りである。現在の組織化された学校では、校長の個人プレーでは学校は回っていかない。「校長が変われば学校も変わる」というのは一面の真理ではあるが、校長だけが変わっても学校は変わらない。校長がいかに主任を動かすかがポイントなのだ。主任がその気にならなければ、いくら校長や教頭がしゃかりきになっても空回りするだけで、学校は変わらない。その意味では「学校を生かすも殺すも主任次第」というのも必ずしも言い過ぎではない。
昭和五十年末、学校教育法施行規則の一部改正で、学校主任制が施行されてからやがて二十年になる。この間、各種主任は学校の基本的な校務分掌として、また教育指導面の担い手として確実に定着した。小学校では学級担任として出発した教師が、学校全体に目を開き、組織の一員としての役割を自覚するのは主任を経験してからだと言うし、中学校でもほぼ同じことが言える。主任になることは、専門職教師としての第一歩かもしれない。
もっとも、主任制自体は法制化の前から校務分掌としてどの学校にも存在したから、格別目新しいものではない。学校主任制は、いわゆる省令主任の他、都道府県教委の学校管理規則準則に示す県単位の主任、例は少ないが市町村教委の学校管理規則に定める市町村の単位の主任、それに各学校の校務分掌規程等による学校単位の主任が入り交じって存在する。学校主任制というのはこれらを総称したものなのだ。
主任は校務分掌の一つだから、校長や教頭が本人の希望で選考を受けるのとは違い、学校に勤めてある程度の年数がたてば、いやおうなしに分担させられる。学校規模によっては、かなり早い時期に主任を仰せつかることもある。主任として何をすればよいかという心構えもないまま主任を引き受けさせられる向きも多いはずだ。しかも主任になれば、その日から日常的な業務が待っているし、解決を迫られている問題もある。ただいま修業中というわけにはいかない。
「シリーズ・主任の仕事―そのとき困らないマニュアルブック」は副題に示す通り、そうした主任の悩みに応えて用意された。教務主任、学年主任、保健主任、生活指導主任、進路指導主任あるいは事務主任といった省令主任の他、このシリーズの特色は、これを個々の主任の仕事として個別に取り扱うのではなく、各巻ではそれぞれ現在の学校の当面する課題を主題とし、各種主任がその課題解決のためにどのようにかかわり合い、どのように取り組むかを問題にしたところにある。いわば主任の仕事の動態的考察と言ってよかろう。組織として機能する現代の学校において、主任の仕事を考えるにはそういう手法こそがふさわしい。
「そのとき困らない」ためには、基礎となる実務的知識に加えて、問題解決能力が欠かせない。そのためこのシリーズでは、原則として、内容を基礎知識と問題事例そしてQ&Aで構成した。まず主任として必要な知識を整理し、これを踏まえて問題事例にどう対応するかを考え、さらに疑問点をQ&Aで補おうというわけである。
教育改革の時代を迎え、学校も大きく変わろうとしている。学校の実質的な担い手である主任層に対する期待は大きい。このシリーズがそうした主任層の研修と実践の手引きになることを願っている。
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明治図書
















