その判断、学校をダメにします!管理職・主任のための「かくれたカリキュラム」発見・改善ガイド

その判断、学校をダメにします!管理職・主任のための「かくれたカリキュラム」発見・改善ガイド

好評2刷

インタビュー掲載中

学校運営が後手に回る意識の死角を作らない!

教師が意図も意識もせずに教え続けている「かくれたカリキュラム」。本書では、「かくれたカリキュラム」発見・改善のための7つの提案や問題をはらむ校内外の日常場面を紹介。管理職・主任の判断に「かくれたカリキュラム」を働かせない、論理的思考力が高まります。


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ISBN:
978-4-18-181228-7
ジャンル:
学校経営
刊行:
2刷
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 152頁
状態:
在庫あり
出荷:
2017年5月26日
特集 新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 環境や指導に関わる「かくれたカリキュラム」
1 荒れた学習環境
2 校内放送で流行歌
3 ルールの不統一
4 帰りの会の身支度
5 飾り物のルール
6 職員室のお茶とお菓子
7 学習に取り組めない子への指導
8 他の教師の指導に
第2章 「チーム学校」を阻む「かくれたカリキュラム」
1 教育目標が言えない
2 判断のスルー
3 職員会議の司会
4 研修会の司会
5 特別支援学級の位置
6 対教師暴力と不登校
7 学校便りの誤り
第3章 保護者・地域の信頼を損なう「かくれたカリキュラム」
1 参観日の授業
2 参観日の廊下
3 保護者面談
4 保護者アンケート
5 ゲストティーチャーを招く
6 地域の苦情
7 地域公開授業で説教
第4章 教育行政や教員養成大学の「かくれたカリキュラム」
1 授業とつながらない助言
2 GBY
3 研究発表の依頼
4 B問題に慣れさせましょうという指示
5 空欄をなくすようにという指示
6 今も子供天使論
7 大学の講義形式の授業
第5章 学校運営の「かくれたカリキュラム」発見・改善のための七つの提案
1 問題発見志向でいこう
2 会話・対話を多くしよう
3 そこにいるだけでモデルとなり、ゴーサインを出していることを自覚しよう
4 切り取ろう
5 課題を順序づけ、一点突破を具体的に指示しよう
6 指示は早めに明確に。指示したことの確認と評価を大事にしよう
7 ピンチのときにこそ「チャンスだ!」と声に出そう
第6章 学び方は指導されているか?
1 学び方指導の欠如について具体的なイメージをもつ
2 心理学・脳科学の視点から
3 学習方略の欠如をデータで確認してみる
4 小中連携・一貫教育という観点
5 学習指導要領の記述を改めて読み直す
6 分からない、できないの行き先
7 おわりに
おわりに
中間実践としての「かくれたカリキュラム」改善/「かくれたカリキュラム」はどこにでもある/ミクロの「かくれたカリキュラム」とマクロの「かくれたカリキュラム」/おわりに〜謝辞

はじめに

 教育が難しい時代になりました。個の権利や自由の偏重に伴い、社会が不寛容になりました。教師の言うことに従わない子が増えてきました。保護者の自己中心的な物言いも増えてきました。

 今や一つも学級崩壊のない学校は珍しく、反対に心を病んで辞めていく教員が珍しくなくなりました。崩壊学級を複数抱えた学校で、子供の立ち歩きや授業妨害の制止、喧嘩の仲裁、保護者対応などに多大な時間を取られ、その分、夜遅くまであるいは休日にまで書類作成に忙殺されて疲れ切っている管理職も珍しくなくなりました。

 理想に燃えて教師という職を選んだのに、知らないうちに傷つき、自分への自信を失って辞めていく同僚を指をくわえて見ていられない。そう思った私は、八十年代後半から、この「知らないうち」に光を当てようと試行錯誤を繰り返しました。それは、前年度崩壊した学級を引き継いだり、不登校の子を受け持ったりすることが多かった私の死活問題でもありました。


 試行錯誤の中で気付いたのは、学級経営も授業も二つの異なるベクトルの働きを意識しなくてはならないということでした。そこで、その二つのベクトルの働きを「縦糸」と「横糸」とし、教育実践をそれらを織りなす業に喩え、「織物モデル」と名付けました。「織物モデル」を知った何人もの教師から、「学級を立て直すことができた。」「辞めようと思っていたが思いとどまった。」「前の学級で失敗した理由がよく分かった。」などの声をいただき、少しはお役に立てたのかな、と思っていました。

 しかし、その後あちこちで「織物モデル」を伝えていて、それだけでは不十分だと感じるようになりました。教師が無自覚にしていることの方が、自覚していることよりずっと多く、影響もずっと大きいことに気付いたからです。

 この教師が無自覚にしていることを「かくれたカリキュラム」と言います。日常実践の中の「教師が意図も意識もせずに教え続けている教育内容」のことです。私はこの概念を千葉大学名誉教授の宇佐美寛先生の著作から学びました。宇佐美先生が『国語科授業批判』(明治図書)など何冊にも書かれた「かくれたカリキュラム」に学び、私は「織物モデル」と「かくれたカリキュラム」を併せて考え、説明するようになりました。これにより、不寛容の時代の学級経営や授業のコツが、少し具体的に提案できるようになったと思っています。

 その一端を書いたのが、前著『その指導、学級崩壊の原因です! 「かくれたカリキュラム」発見・改善ガイド』(明治図書、二〇一四年)です。主に担任教師を対象に、学級経営と授業に見られる「かくれたカリキュラム」に光を当てたものです。


 本書はその続編です。今回は、管理職(校長、副校長、教頭)と主任(主幹教諭、教務主任、学年主任や校務分掌の部長など)を対象に書きました。

 管理職や主任の判断や行動は各学級の経営や授業に、そして保護者や地域に大きな影響を与えています。

 しかし、私も含め、それをきちんと認識し、次々に押し寄せる問題に適切に対応できず、後手に回ってしまうことが多いように思います。学校運営の「かくれたカリキュラム」に光を当てることで、後手に回り、知らないうちに傷ついてしまう仲間が少しでも少なくなればと願っています。


 本書を執筆し始めた頃、『授業力&学級経営力』二〇一五年一二月号(明治図書)において、「かくれたカリキュラム」特集が組まれました。発刊されてすぐ、宇佐美先生にお送りしたところ、次のお返事をいただきました。(一部抜粋)


 「かくれたカリキュラム」を事後的に(実践後に)発見・指摘するという力点が強すぎます。

 計画・目標化という事前の段階での意識のあり方がもっと研究されるべきだと思います。

 言いかえれば、いわゆる「脇の甘さ」を無くす努力です。私の『大学の授業』で論じた「説明し得ること(言い訳可能)」=アカウンタビリティを予め最大にする努力です。日頃の生き方の問題です。意識の死角を作らないようにする努力です。


 目が覚める思いでした。学校運営で後手に回らないためには、「説明し得ることを予め最大にする努力」が、学級経営や授業以上に必要なのだ、と思いました。宇佐美先生は、次のように書かれています。


 要するに、授業の運営は正当な理由によって行われなければならない。学生の遅刻を許さないのも、遅刻したら最前列に座らせるのも、正当な理由によってのことである。

 言いかえれば、授業では理由のつく状態を確保しなければならない。要するにアカウンタビリティ(accountability)の確保である。形容詞"accountable"の語義は"that can be explained"(The American College Dictionary)である。「説明がつく」である。他の言い方をすれば「申し開きが立つ」であり、「どう攻撃されても防衛力がある」である。また「論理的な」である。

 授業は、このような論理性で充たされていなければならない。

  宇佐美寛著『新訂版 大学の授業』(東信堂、二〇一二年、一八ページ)


 右の「授業」を、「学校運営」と読み替えても同じです。管理職や主任は、予測・予備・予防力を磨き、日常の判断や行動に「かくれたカリキュラム」を働かせないよう、「説明のつく」実践を目指すべきです。そして、大量退職時代に備え、その知見を若手に伝えていかなくてはなりません。


 本書では、学校の日常の中から問題をはらんでいる場面を切り取って(前著で提案した「きくかけこ」の「き〜切り取る」です)、提示します。実は、日常の中から「切り取る」のが一番の難関です。学校の風景は刻々と流れ、見えにくいところに「かくれたカリキュラム」が働いていますから。しかし、まず私が切り取った場面について考えていただければ、やがて自分の学校の風景から切り取り、行く先を予測することができるようになるでしょう。読者の皆さんには、各場面のどこが「説明がつかない」のか考え、自分がその場にいたならどうするか、と考えて読み進めてほしいと思います。

 第1章では環境や子供への指導場面、第2章では会議や教職員がチームとして動く場面、第3章では保護者や地域との関わりの場面の中にある「かくれたカリキュラム」に光を当てます。

 第4章では行政や教員養成大学と学校が関わる場面の中にある「かくれたカリキュラム」を扱います。これは、学校現場が直接改善できるものではありません。しかし、似た場面に出合った際、アンケートに現場からの改善要望を書くなどしていただければと考えて設定した章です。

 ここまでは、前著と同じく奇数ページに「問題」、裏面に「解説」を配しています。

 「解説」のページは、左のような書き方になっています。


  その選択や無意識の言動 を 子供・保護者・地域・職員はこう受け取る

● ○○○○○○○○○○  →  ○○○○○○○○○○


 これに続けてその状態を「説明のつく」ものにするにはどう考え、どう行動すべきかを述べています。私の実践も紹介しています。一つの考え方・実践例としてお読みください。

 第5章では、「脇の甘さ」をなくし、予測・予備・予防力を磨くために、管理職や主任が日頃から心がけるべきことを提案しました。

 第6章は、前著に引き続き、武藤久慶氏に「学び方の指導の欠如」に潜む重大な「かくれたカリキュラム」に光を当てていただきました。

 本書をきっかけに、読者の学校が、より生き生きとしたものになったとしたら、著者としてこれ以上の喜びはありません。

 最後になりましたが、本書は明治図書編集部の松川直樹さんと木山麻衣子さんの強い勧めでまとめることができました。心から感謝いたします。ありがとうございました。

 では、御一緒に考えていきましょう!


  平成二八年三月 書斎にて   /横藤 雅人

著者紹介

横藤 雅人(よこふじ まさと)著書を検索»

1955年北海道生まれ。1978年北海道教育大学教育学部卒業。札幌市立小学校教諭,教頭,校長として勤務し,2016年まで北広島市立大曲小学校長。2016年から北海道教育大学学校臨床教授。

武藤 久慶(むとう ひさよし)著書を検索»

1975年東京都生まれ。2006年Harvard Graduate School of Education (M.Ed.)。2006年Boston College TIMSS&PIRLS 国際研究センター客員研究員。2012年北海道教育大学客員教授,2013年より同招聘教授,国立教育政策研究所フェロー。

2000年に文部科学省入省後,教育課程課,大臣官房総務課等を経て,2010年北海道教育委員会に出向。教育政策課長,義務教育課長を経て2013年から2014年3月まで同学校教育局次長。

政策立案のかたわら,各地で基礎学力問題,学校力の向上策,学校のタイムマネジメント,情報マネジメント,かくれたカリキュラム,保護者へのアウトリーチ,コミュニティスクール等についての研修講師を数多く務める。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 本校の先生方を対象に行う「現職教育」の一環として利用しています。毎週発行する「週行事予定」の一部に少しずつ紹介しています。始めたばかりなので効果のほどは分かりませんが,教職員の意識改革の一助になればと思っています。
      2017/4/1740代・中学校勤務
    • 職員室の中にも隠れたカリキュラムがたくさんあることがわかりました。実際、身の回りによくある例ばかりでした。1教諭でしかありませんが、少しでも改善して学校をよくしていきたいと思いました。
      2017/1/2730代・小学校教員
    • 毎日の教室巡回の際の「観察ポイント」が満載でした。大変勉強になりました。
      2017/1/2750代・小学校管理職
    • 学校現場では日常の多忙さの中で無意識になりがちだが、かなりの程度で子ども達や職場内で影響を与えてしまう「隠れたカリキュラム」。本書は、それを可視化し、意識化し、日常を変えていく視点を提供してくれる。
      2016/12/1げんちゃん
    • 経営層をはじめとするミドルリーダー必見。何気ない言動など、学校管理に影響があることに気づかせてくれます。
      2016/7/1840代・男性
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