- はじめに
- 本書の使い方
- Chapter1 音を感じて楽しもう
- 1 どんな感じがするかな―音素材で遊ぼう―
- 2 音のビタミンシャワー1―教師が音を紹介する―
- 3 音のビタミンシャワー2―児童が見つけた音を紹介する―
- 4 手拍子まわし―声まわし,音まわし―
- 5 楽器当てクイズ―この音色は?―
- Column 音は体と心で感じるもの
- Chapter2 リズムにのって体を動かそう
- 6 楽器の音で動こう
- 7 今日のリズム―言葉とリズム―
- 8 今日のリズム―拍の強弱―
- 9 2拍子と3拍子の違いを感じ取ろう
- 10 手拍子まわしでクレシェンド・デクレシェンド
- 11 何拍子だって「まかせなさい!」
- 12 まねっこ遊び―先生のリズムをまねしてくり返そう―
- 13 拍の流れで手合わせお尻合わせ
- 14 もちつきゲーム
- 15 穴うめリズムゲーム
- 16 肩たたきゲーム
- 17 手合わせ・わらべ歌タイム
- 18 歌いながら手拍子で遊ぼう
- 19 リズム・マニアT―基礎的なリズムの練習―
- 20 リズム・マニアU―リズムを打とう―
- Column リズム・Rhythm・りずむ
- Chapter3 歌ったり楽器を演奏したりして楽しもう
- 21 あいさつの歌で発声名人 【歌唱】
- 22 誕生月はいつ?―〈一年中のうた〉― 【歌唱】
- 23 おみせやさん―拍の流れにのって遊ぼう― 【歌唱】
- 24 歌や楽器でリレーをしよう 【歌唱と器楽】
- 25 階名唱で合奏名人 【歌唱と器楽】
- 26 和音の響きを感じて歌おう 【歌唱】
- 27 既習曲でし〜ん―サイレントシンギング― 【歌唱と器楽】
- 28 リクエストソング 【歌唱】
- 29 輪唱やパートナーソングを楽しもう 【歌唱と器楽】
- 30 指遊び 【器楽】
- 31 同音リレー 【器楽】
- 32 ロングトーンリレー 【器楽】
- 33 旋律リレー 【器楽と音楽づくり】
- 34 ベルやチャイムでTWX7T 【器楽】
- 35 メチャメチャケチャ 【歌唱と器楽】
- Column 声の力
- Chapter4 みんなで楽しい音楽をつくろう
- 36 楽器は音の玉手箱
- 37 リズムパターン遊び1
- 38 リズムパターン遊び2
- 39 名前リレー
- 40 まねっこリズム
- 41 指揮者遊び
- 42 1分間ミュージック
- 43 ベルやチャイムでメロディづくり
- 44 音のトークショータイム
- 45 ジャズ風即興をしよう
- Column 大切なのは,表現したい気持ちにいたる内面のプロセス
- Chapter5 いろいろな音楽を聴いて楽しもう
- 46 あるキング―音楽に合わせて歩いてみよう―
- 47 いろいろな拍子で指揮をしてみよう
- 48 クイズ何拍子?―指揮してみよう―
- 49 体で音楽を感じよう
- 50 5分間鑑賞タイム
- Column 共有される古典に
- 付録 リッスンタイムおすすめ曲40一覧
- 本書で紹介しているアクティビティの原実践に関して
- 執筆者紹介
はじめに
「魔法の5分間アクティビティ」(常時活動)で期待できる効果
本書には,音楽科の「常時活動」として位置付けることのできる50の具体例が示されています。編著者は平成25年度に,全国の小学校音楽科における常時活動の実態調査を行いました。その結果,多くの先生方が常時活動に工夫を凝らしておられるにもかかわらず,それらの事例は充分に共有されていない実態が浮かび上がりました。それは大変もったいないことだと考え,本書を企画しました。
「魔法の5分間アクティビティ」というタイトルで表している常時活動を,本書では以下のように考えています。
・主として始業時,ごく短時間(5分程度)で行う活動
・一定期間,継続的に行うことにより,基礎的・基本的な力をつけることをねらいとする活動
・必ずしも本時の学習への導入として直結しない場合もあるが,上記のねらいに即した活動
本書の常時活動で期待できる効果は,以下のとおりです。
1 継続的に行うことで,基礎的・基本的な力が確実に身に付きます
多くの先生は,教科書を使って授業をされていることでしょう。それによって多様な活動がバランスよく組み込まれ,表現と鑑賞の関連も生まれます。しかしたとえば,よく響き広い音域を出せる発声,速度が変わっても拍の流れにのって音楽を進めていくこと,簡単な五線譜を読んで音やリズムをとること,鍵盤楽器やリコーダーの運指,などは一定期間の練習の積み重ねがないと身に付けることができません。常時活動は,毎回の授業の中の5分程度を使うことにより,楽しんで歌ったり演奏したりするための基礎的・基本的な力を定着させるのに,大変効果的です。
2 友達や先生との間に楽しいコミュニケーションが確実に生まれます
本書で示した50の活動は,いずれも教室における友達の存在を前提とし,耳をすませたり声を出したり体を動かしたりするものです。また多くの活動は,友達との適当な距離をはかりながら動いたり,友達との軽い身体接触を伴ったりしています。一種のアイスブレイク活動の要素がつまっており,昔ながらのわらべうた遊びに通じるものがあります。ゲーム感覚で動いたり,「うまくいくかな?」と緊張感をもったり,ときには正解を探し当てたりすることが求められるので,集中して参加しないわけにはいきません。
そんな中で,笑顔と笑い声がこぼれ出すことは確実です。音楽活動は独特なコミュニケーションの形態です。何か意味を伝えるよりも,想い・気分・パワーを伝達させるコミュニケーションと言いましょうか。先生や友達が楽しそうに動いたり歌ったりしているそばにいると,思わず自分もそのようにふるまってしまいます。本書で示した活動は,そのようなコミュニケーションを生み出します。
3 心身のウォーミングアップになり,学習に向かう構えをつくります
2で述べたような笑顔のコミュニケーションにより心身があたたまり,音楽の学習に気持ちが向きます。
本書に掲載した50の活動の大半は,もとのアイデアがすでに紹介され実践されてきたものです。執筆者各々が自分の現場で行ってきた工夫をふまえ,具体的な方法がわかるように文章化しました。読者のみなさまは,ぜひご自分の現場に合ったバリエーションを加えたり,さらに新しい事例を生み出したりしてください。
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