- はじめに
- 第1章 いい授業にあらわれる子どもの姿
- 条件01 いい授業で子どもは…授業前から何をするのかを知っている
- 条件02 いい授業で子どもは…何のためにその活動をしているか語ることができる
- 条件03 いい授業で子どもは…つまずいた時、解決手段を自分で選べる
- 条件04 いい授業で子どもは…自分でゴールを決める
- 条件05 いい授業で子どもは…自分の学びを振り返っている
- 条件06 いい授業で子どもは…自分たちの学びをメタ認知している
- 条件07 いい授業で子どもは…お客さんではなく、自分の役割をもっている
- 条件08 いい授業で子どもは…たくさんコミュニケーションをとっている
- 条件09 いい授業で子どもは…落ち着き、気になる子が悪目立ちしない
- 条件10 いい授業で子どもは…表現を楽しむようになる
- 条件11 いい授業で子どもは…「やればできる!」と思っている
- 第2章 いい授業をつくる教師の姿
- 条件12 いい授業をつくる教師は…授業を通して、「こんな子どもを育てたい」と願っている
- 条件13 いい授業をつくる教師は…子どもたちのことをよく見ている
- 条件14 いい授業をつくる教師は…子どもの「こうあって欲しい」姿を見つけ、広げている
- 条件15 いい授業をつくる教師は…「こうあって欲しい」姿を自ら体現しようとしている
- 条件16 いい授業をつくる教師は…1日を通して子どもの学びをデザインしている
- 条件17 いい授業をつくる教師は…単発の授業だけでなく、単元全体を考えている
- 条件18 いい授業をつくる教師は…単発の授業だけでなく、カリキュラム全体を考えている
- 条件19 いい授業をつくる教師は…子どもの顔を思い浮かべて教材研究をしている
- 条件20 いい授業をつくる教師は…授業前後の動きを意識している
- 条件21 いい授業をつくる教師は…教師が楽しんでいる
- 条件22 いい授業をつくる教師は…全体を見通す力をもっている
- 条件23 いい授業をつくる教師は…同僚や保護者と良い関係を築いている
- 第3章 いい授業を支える学級集団の姿
- 条件24 いい学級集団では…子どもの使う言葉がきれいだ
- 条件25 いい学級集団では…子ども同士、どの子とも関わっている
- 条件26 いい学級集団では…特性のある子が活躍している
- 条件27 いい学級集団では…教師と子どもとの間に信頼関係がある
- 条件28 いい学級集団では…子どもたちがお互いの良いところを伝え合っている
- 条件29 いい学級集団では…気持ちよく学び、生活できるルールやマナーがある
- 参考文献
はじめに
「いい授業」を追い求めて
20年以上小学校の教員をしてきました。
駆け出しの頃に比べれば、それなりに「いい授業」「いい学級づくり」ができるようになってきたとは思っています。
毎年、私の教室に多くの参観者がいらっしゃるのは、それなりに評価していただいているからなのだとも思います。
しかし、ここ数年、もやもやを抱えてもいました。
自分自身が毎年同じことを繰り返しているだけだと感じるようにもなっていたのです。
「もっといい授業ができるのではないか。」
「もっといい学級づくりができるのではないか。」
そんな思いをもつようになっていました。
そんな時に、現場を離れて、教職大学院で学ぶ機会を得ました。
それまで20年以上、ずっと学級担任として、自分の学級、自分の授業のことに集中してきた私にとっては、本当に良い機会でした。
教職大学院では、「個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させる条件に関する一考察」というテーマで研究をしました。
この研究を進めていく中で、全国のいい授業をする先生方の授業参観の旅をしました。
これまでに本で読んだり、講演を聞いたりしてきた先生方が、実際に子どもたちと向かい合っている姿を見たり、時には私自身が授業をさせていただいたりしてきました。
幸せそうに学ぶ子どもたちや、楽しそうに授業をする先生方の様子を見ることができました。
日本全国にこういう授業、こういう学級がもっと増えたらいいのになとも思うようになりました。
この旅の中では、20人の先生方の学級を朝の会から帰りの会まで丸一日参観させていただき、放課後にはインタビューをさせていただきました。
さらに、丸一日ではありませんが、40人の先生方の授業を参観させていただきました。
いい授業、いい学級を複数参観する中で、一授業者ではわからなかったことが見えてきました。
これをぜひ伝えたいと思ったのが、本書を執筆した動機です。
本書では、この中で見えてきた「いい授業の条件」を次の3つに分けて紹介していきます。
その3つとは、「いい授業にあらわれる子どもの姿」、「いい授業をつくる教師の姿」、「いい授業を支える学級集団の姿」です。
本書を手にとってくださったみなさんのご参考になれば幸いです。
著者 /飯村 友和
-
- 明治図書