- 監修の言葉 まえがき
- 本書の特徴
- 教材ナビ
- 第一章 基礎編 レジリエンス教育の進め方
- /上島 博
- 1 「レジリエンス」って何?
- 2 「心の力」を育てよう
- 3 教材集のめざすもの
- 4 指導上の留意点
- 第二章 教材編 『元気・しなやかな心』を育てる教材集
- 見つけて元気!シリーズ
- 1 「やったあ」を見つけよう!
- 2 うれしかったことを見つけよう!
- 3 「ありがとう」を見つけよう!
- 4 役に立つ自分を見つけよう!
- 5 「うふふ」を見つけよう!
- 6 「ごめんなさい」を見つけよう!
- ミニワーク
- 7 たのしい教室おみくじ
- 8 えかきうた(にこりちゃん)
- きらり☆ことわざ シリーズ
- 9 失敗したとき(失敗は成功のもと)
- 10 なまけていたら……(一念発起)
- 11 スランプ(継続は力なり)
- 12 あわててしまった(急いては事をしそんじる)
- 13 けんかした(雨ふって、地かたまる)
- 14 明日が心配(明日は明日の風がふく)
- にこにこニコッチ シリーズ
- 15 ボールを取られた
- 16 一輪車で遊びたいのに
- 三つのやくそく シリーズ
- 17 しようと思っていたのに…
- 18 ぶつかられた
- 変身!大作戦 シリーズ
- 19 やればできる!大作戦
- 20 言われる前にやる!大作戦
- まけるな!子ども シリーズ
- 21 コロがしんだ(死別、悲嘆)
- 22 忘れ物をしてしまう (生活習慣)
- 23 やる気が出ない(感情の調整)
- 24 すぐ泣いてしまう(感情の調整)
- 25 友だちとけんかした(つながる力)
- 26 なかまはずれ(いじめ)
- 27 友だちが転校した(別離、なかま作り)
- 28 学校に行けない(不登校)
- 「心の力」の使い方
- 29 こまったときのおまじない
- 30 「心の力」を使おう
- 〔コラム〕ブリスベンのレジリエンス教育
- 第三章 研究編 レジリエントな子どもを育てる
- /深谷 和子
- 1 レジリエンス研究を追う
- 2 子ども向けに書かれた本から
- 3 追記―自尊感情を育てることを教育の中核に
- あとがき
- 執筆者・研究同人一覧
監修の言葉
ここ数年、研究者の間で、レジリエンスに対する関心が高まっている。たしかに、レジリエンスが育てば、折れない心が強まり、人間が活性化する。そうした意味で、レジリエンス研究は楽しい。しかし、多くの研究は理論的な考察にとどまり、実効性に欠ける印象を受ける。また、数少ない実践事例も、有効とは思われないものが少なくない。
そこで、私たちは、実際に、少しでもよいから、子どものレジリエンスを高めたいと考えた。もちろん、子どものレジリエンスを育てるには、担任を通しての話しかけや友だちの励ましが有効だとは思う。しかし、学級の中でも、レジリエンスを高めることができるのではないか。学級の友の力を借りて、みんなでレジリエンスを高めたい。そう考えて、前著『子どもの「こころの力」を育てる』(明治図書、二〇〇九)を刊行した。
そのときとしては、全力を尽くしたつもりだが、利用してみると、不満な面も感じられた。教室内のちょっとしたことに傷つく子どもを見るにつれ、折れない心を作りたいという気持ちが強まった。そこで、三年間以上の時間をかけ、教室での試行錯誤などを経て、作成した今回のワークシート集である。
研究会の度に教材を持ちより、教材の幅を広げると同時に新しい教材の開発も試みてきた。もちろん、小中学校教師を中心とした私的な研究会で、非力さを痛感している。それでも、もっと新鮮なアングルからの教材を作りたいと思いながら、続けてきた。
本書の教材を使用しての感想や新しい教材作成のアイディアなどがあれば、お知らせいただきたいと願っている。やや異例だが、監修者のメールアドレスを記しておくことにする。
(メールアドレス省略)
/深谷 昌志
まえがき
本書は、子どものレジリエンスを育てるために、主に小中学校の道徳などの授業で使える、教材集である。レジリエンスとは、困難な状況から立ち直る心の力をさす。
友だち関係、勉強、いじめ、家庭での軋轢、そして災害……。様々な困難と出会いながら生活している子どもたちにとって、へこたれない「心の力」は、生きる力の根幹である。
私たちの会で、二〇〇九年にレジリエンスをテーマとして、授業で使えるワークシートを中心とした教職員向けの本を出版した※。そこには、三五の教材を掲載したが、実際の授業で使おうとすると、もっと選択肢が欲しい。そこで、会ではいろんな教材を作っては、学級で実践し、なかまと交流しながら練り上げてきた。そうしてできた教材のうち、主に「元気でしなやかな心」を育てる三〇教材を選んで本書に掲載した。
これからの道徳教育や生徒指導の一つの柱となるべきものとして、私たちは、具体的な教材を示してレジリエンスを提案したい。
人生にどんな試練が訪れようと、子どもたちが、しなやかに乗り切っていく一助になればと願う。
/子どものレジリエンス研究会
※ 深谷昌志監修『子どもの「こころの力」を育てる―レジリエンス―』明治図書 二〇〇九
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