早わかり人権教育小事典

早わかり人権教育小事典

好評25刷

難解になりがちな人権教育をわかりやすくキーワードで解説。

人権教育推進に欠かせないキーワードをコンパクトに解説。問題点,実態,背景をふまえ,取り組みの現状,今後の課題を分析する。授業のサブテキスト,研究会の資料に最適。


紙版価格: 2,046円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-150016-0
ジャンル:
人権教育
刊行:
25刷
対象:
小・中・他
仕様:
A5判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年3月21日

目次

もくじの詳細表示

○はじめに:人権教育とは
○本書の使い方
1 アイデンティティ
2 アイヌ民族の人権
3 アサーション・トレーニング
4 アファーマティブ・アクション
5 あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(人種差別撤廃条約)
6 いじめ問題
7 インターネットと人権
8 エンパワメント
9 オールドカマー・ニューカマー
10 カースト
11 カミングアウト
12 教育の不平等
13 高齢者の人権
14 国際人権規約
15 国際理解教育
16 子ども買春・子どもポルノ
17 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保など女子労働者の福祉の増進に関する法律(男女雇用機会均等法)
18 在日外国人教育
19 差別語
20 差別と区別
21 参加型学習
22 ジェンダー
23 識字運動
24 児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)
25 小1プロブレム
26 障害児保育・教育
27 障害者の人権
28 少年非行
29 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(女性差別撤廃条約)
30 人権救済制度
31 人権教育・啓発に関する基本計画
32 人権教育読本
33 人権教育の諸次元
34 人権教育のための国連10年
35 人権総合学習
36 人権文化
37 進路保障
38 性教育
39 性的指向と人権
40 セクシュアル・ハラスメント
41 セルフエスティーム
42 多文化共生
43 男女共同参画社会
44 地域コミュニティづくり
45 地球市民
46 同和教育
47 同和問題
48 仲間づくり(集団づくり)
49 難民の地位に関する条約(国連難民条約)
50 日本語教室
51 バリアフリー
52 犯罪被害者の人権
53 ハンセン病と人権
54 ファシリテーター
55 部落史の転換
56 偏見
57 ポートフォリオ評価
58 マスタリーラーニング
59 身元調査
60 ワークショップ
61 AIDS/HIV感染者の人権
62 IMADR(反差別国際運動)
63 LD・ADHD
64 NGO・NPO
○あとがき

はじめに……人権教育とは……

 「21世紀は人権の世紀」というフレーズをしばしば見聞きする。このフレーズの出所は,1999年5月に出された地域改善対策協議会「同和問題の早期解決に向けた今後の方策の基本的な在り方について(意見具申)」であろう。意見具申の最初のところで,人類は2度にわたる世界大戦の惨禍を経験したこと,冷戦崩壊後も世界各地で地域紛争が多発していること,紛争の背景に差別の存在が大きいことを指摘して,

  こうした中で,人類は,「平和のないところに人権は存在しない」,「人権のないところに平和は存在し得ない」という大きな教訓を得た。今や,人権の尊重が平和の基礎であるということが世界の共通認識になりつつある。このような意味において,21世紀は「人権の世紀」と呼ぶことができよう。

とある。また,この翌年には「人権教育のための国連10年・国内行動計画」が出されたことも相まって,人権教育という言い方が急速に広がったのである。それは,教育行政の同和教育セクションや研究団体が,人権教育に名称変更されるようになったことにも現れている。

 では,人権教育は同和教育と同義であって,単なることばの言い換えなのかといえば,そうとは言えない。同和教育の歴史は,戦前にまでさかのぼることができるし,同和問題の解決ということと関連して広く人権問題に取り組んできている。人権教育の内実のない中での我が国では,同和教育が人権教育を体現してきたといってもよい。

 94年の第49回国連総会で決議された「人権教育のための国連10年」の行動計画において,「人権教育とは,知識とスキルを分かち伝え,態度を育むことを通して,人権の普遍的な文化を形成しようとする教育・訓練・宣伝・情報提供の取組」と定義している。さらに指向することの一つとして,「諸国家,諸先住民,人種的・民族的・民族集団的・宗教的・言語的な諸集団の間での相互理解,寛容,性的平等および友好関係を促進すること」とあるのを見ても,グローバルな人権問題を視野に入れながら,それぞれの国内の人権問題に取り組むのが人権教育である。

 つまり我が国の人権教育は,同和問題の解決をめざすことから始まった同和教育の取り組みと,国連の場で国際的動向の中から提起された人権教育とが一つの流れに合流したものであるが,人権教育の方が枠組みが大きく,同和教育は従来からの固有の課題をもって,この中に位置づくものなのである。


 本書は,以上のような認識に立って,同和教育の中で実践的に使われ,そして人権教育を推進していく上で必要と思われるキーワードを取り上げて,その意味するところを明らかにすることをめざしたものである。このことが,学校での実践に役立つことを願っている。


  2003年11月   編者 /中野 陸夫

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