- はじめに
- 基本 なわとびの基本をマスターしよう!
- 1 なわとびの選び方
- 2 縄の持ち方・姿勢
- 3 縄の長さの決め方
- 4 上手なジャンプの仕方
- 10級 ぴょんぴょんとびをマスターしよう!
- 5 片手で10回まわす
- 6 片手八の字まわし5回
- 7 前に進みながら5回とぶ
- 8 走りながら5回とぶ
- 9 その場で2回とぶ
- 10 ぴょんぴょんとび10回
- 9級 前とびをマスターしよう!
- 11 前とび
- 12 片足とび
- 13 片足交互とび
- 14 かけ足とび
- 15 グーパーとび
- 16 グーチョキとび
- 17 グーチョキパーとび
- 18 チョキチョキとび
- 19 スキーヤー
- 20 ベル
- 21 BOXとび
- 22 その場回転とび
- 8級 足の動きをマスターしよう!
- 23 かけ足とびで動く
- 24 前とびで横に動く
- 25 横ふりとび
- 26 ハイニー
- 27 キャンキャン
- 28 クロスフット
- 29 ふり足とび
- 30 足たたきとび
- 31 前とび10秒スピード
- 32 かけ足とび10秒スピード
- 33 アームラップ
- 34 V字ストップ
- 7級 あやとびをマスターしよう!
- 35 いきなり交差でV字ストップ
- 36 交差とび
- 37 交差かけ足とび
- 38 交差片足とび
- 39 あやとび
- 40 あやとび腕入れかえ
- 41 あやかけ足とび
- 42 交差グーパーとび
- 43 交差グーチョキとび
- 44 交差グーチョキパーとび
- 45 交差とび10秒スピード
- 46 あやとび10秒スピード
- 6級 180度ターンをマスターしよう!
- 47 サイドスイング4回→前とび
- 48 サイドスイング2回→前とび
- 49 サイド→オープン
- 50 サイドスイング4回→交差とび
- 51 サイドスイング2回→交差とび
- 52 サイド→クロス
- 53 サイド→クロス,サイド→オープンくりかえし
- 54 前とび3回→後ろとび
- 55 前とび2回→後ろとび
- 56 後ろとび3回→前とび
- 5級 二重とびをマスターしよう!
- ■ とっておきの指導法
- 57 前とび10秒スピード
- 58 かけ足とび10秒スピード
- 59 前とび3回→二重とび1回
- 60 二重とび1回→前とびに戻る
- 61 前とび3回→二重とび1回
- 62 前とび2回→二重とび1回
- 63 二重とび連続
- 64 二重とび→交差とび
- 65 二重とび3回→V字ストップ
- 66 助走なし二重とび
- 67 片足二重とび
- 4級 はやぶさをマスターしよう!
- 68 交差とび10秒スピード
- 69 あやとび10秒スピード
- 70 交差とび3回→交差二重とび1回
- 71 交差とび3回→交差二重とび2回
- 72 交差二重とび
- 73 前とび3回→はやぶさ1回
- 74 はやぶさ→前とび
- 75 はやぶさ
- 76 二重とび→交差二重とび
- 77 二重とび→はやぶさ
- 78 あやサイクル
- 3級 クルーガとトードをマスターしよう!
- 79 クルーガの姿勢でV字ストップ
- 80 クルーガ
- 81 トードの姿勢でV字ストップ
- 82 トード
- 83 クルーガ2回→サイド抜き
- 84 クルーガ1回→サイド抜き
- 85 トード2回→サイド抜き
- 86 トード1回→サイド抜き
- 87 トード→前とびに戻る
- 88 インバーストード
- 2級 EBをマスターしよう!
- 89 サイドクロス(SC)
- 90 サイドオープン(SO)
- 91 二重サイドサイクル
- 92 サイドスイング→EBでV字ストップ
- 93 サイドスイング→EB1回
- 94 EB
- 95 サイドスイング→EB→前とび
- 96 EB二重とび
- 97 サイドスイングEB(SEB)
- 1級 三重とびをマスターしよう!
- 98 サイドスイング2回,前とび1回の三重とび(SSO)
- 99 かけ足とび10秒スピード
- 100 二重とび10秒スピード
- 101 前とび3回→二重とび2回→三重とび1回
- 102 前とび3回→三重とび
- 103 三重とび→前とび
- 104 三重とび→二重とび
- 105 三重とび連続
- 106 サイドクロス三重とび(SCC)
- 107 サイドオープン三重とび(SOO)
- 108 三重サイドサイクル(SCC・SOO)
- 109 三重はやぶさ(OOC)
- 110 三重はやぶさ(OCO)
はじめに
小学生のなわとびは世界で見てもレベルが高い?
みなさんは当たり前のように小学校でなわとびの授業を行っていると思いますが,これって世界的に見ても日本だけだって知っていますか? お隣の韓国や中国はもちろん,ヨーロッパやアメリカも含めて,国民の全員が学校でなわとびを習うのは日本だけなんですよ。もちろん海外でもなわとびは行われています。しかしそのほとんどは,大人がやるボクシングやジムのトレーニングで使われるだけです。みなさんの知っている「二重とび」や「はやぶさ」を小学生がビシバシやるのはホントに珍しいことなのです。
小学校で必ずなわとびの授業を行うので,日本の学校を卒業した人は世界的に見てもなわとびのレベルが高い! 高学年になると二重とびができる子どもも多いですが,これは日本だけの特徴です。海外にはこんなに二重とびができる人はいません。さらに長なわの八の字とびや,ダブルダッチ,2人とびだって行いますからね。ここまで多くの人が広くなわとびを学んでいるのはスゴイことなんです。
一方,海外でなわとびをするのは「クラブチーム」の選手たちです。なわとびもスポーツ種目の1つ。テニスクラブやサッカーチームに入るような感覚で,なわとびクラブチームに所属して練習するのが一般的です。クラブチームなので全員参加の学校体育よりもレベルが高くなります。ほぼすべてのクラブチームでは1人とびだけではなく,ダブルダッチや2人とび,そしてなわとび競技を教えています。スタートラインこそ日本人は高いレベルにありますが,こうした広い世代でなわとびに取り組むクラブチームは日本にはほとんどありません。
日本と世界のなわとびの大会
学校にはなわとび大会はありますか? 日本中にはたくさんのなわとび大会があって,学校や地域で開催されている大会は数えきれません。さらに群馬県・埼玉県・静岡県・愛媛県あたりが県内大会を開催し,毎年100名以上の子ども達が集まってしのぎを削っています。また,日本ロープスキッピング連盟(JRSF)が,毎年12月に「全日本ロープスキッピング選手権大会」を開催し,200名を越えるトップ選手が日本一を目指して各地から集結します。そう,なわとびは体育でやる運動だけでなく,立派なスポーツ種目の1つなのです。
海外では,日本より一層スポーツ種目として認識されています。たとえば,なわとび競技先進国のベルギーでは,地域予選が毎週末どこかで開催されている……などとも聞きます。全国大会に出場するためには市内予選,県予選,地方予選を突破する必要があります。さらに個人戦と団体戦があり「なわとび」と一言でいっても多様な種目とカテゴリーに分かれています。
また2年に一度,アジア諸国が集結する「アジアロープスキッピング選手権大会」,さらに世界の頂点を決める「世界ロープスキッピング選手権大会」が開催されています。身近な存在のなわとびですが,実は世界に通じる「スポーツ種目:なわとび」として広がり続けています。
小学生でも大人を抜いてしまう「なわとび」
なわとびは誰でも練習しただけ上手になることができます。たとえば,全国大会に出場するレベルの小学生は,大人顔負けの高いレベルの選手がほとんどです。それも,一般の大人というわけではありません。本気でなわとび競技に取り組んでいる大人よりも,時に小学生の方が上手なことがあるのです!
たとえば,2017年の全国大会に出場した5年生のH選手。彼は三重とび連続の種目で,なんと180回もとんでしまいました。大人でも三重とびはカンタンにできません。180回という記録は,全国大会に出場している大人の選手をも抜いてしまうほどの記録でした。
そう,なわとびは子ども・大人関係なく,練習しただけ上達できるスポーツなのです。
二重とびがとべなくても,楽しみ方はある
「なわとびといえば二重とび」といわれるほど,ほとんどの子どもが二重とびを目指して練習をしますよね。でも,なわとびの楽しさは二重とびだけではありません。楽しみ方は他にもたくさんあります。たとえば,友達と2人で1本の縄をとんだらどうでしょうか? たとえば,音楽に合わせてなわとびをしてみたらどうでしょうか? どちらも二重とびができるかどうかは関係ありません。本書では,カードを順番に取り組むことでなわとびが自然と上手になるような工夫をしました。最後まで取り組んでくれた子ども達は,きっと二重とびや三重とびができるようになっていることでしょう。
けれど,なわとびの楽しみ方はこれだけではありません。どうか,「二重とびができないとダメ」とか,「◯回とべないとダメ」みたいには考えないでください。記録や回数は数字でしかありません。大切なのは,「なわとびを楽しめるかどうか」です。
本書を通じて,子ども達はなわとびが上手になってくれると思います。同時になわとびを楽しく感じてくれたらと願っています。
ぜひ,さらに広がるなわとびの楽しい世界を感じてください。
2018年7月 著者 /粕尾 将一
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- 明治図書