- はじめに
- 序章 探究学習の日常に潜む「誤解」の積み重ね
- Prologue 探究の現場で何が起きているのか?
- 解説 職員室の風景から見えてくること
- 第1章 その探究、なぜ手応えが感じられないのか?
- 01 探究が広がったのに、なぜ手応えがないのか
- 02 探究の目的がすり替わっていないか
- 03 本当に生徒が学んでいる瞬間とは
- 04 これからの探究に必要な視点
- Column 25の誤解をめぐって ―現場の対話から
- 第2章 誤解から考える探究学習のヒント
- Part1 本質の誤解
- 1 探究は新しい学びで、特別なイベント。
- 2 探究は優秀な生徒だけができるもの。
- 3 探究には正解やゴールがある。
- 4 探究は社会の役に立つ成果や提案を出さなければならない。
- 5 探究は「研究論文型」など決まった型で行う学習である。
- Part2 目標や成果物、評価についての誤解
- 6 探究で大切なのは、成果物で受賞することである。
- 7 探究では全員が同じ水準の完成度を目指すべき。
- 8 成果物の質が低いと探究は失敗である。
- 9 探究の評価は客観的にルーブリックでしないといけない。
- 10 探究の成果は、短期で目に見える形で評価できる。
- Part3 学び方やプロセスの誤解
- 11 探究は「活動すれば進む」学習である。
- 12 リフレクションは反省。時間があれば実施するもの。
- 13 問い(テーマ)は一度決めたら変えてはいけない。
- 14 探究が調べ学習で終わったらダメ。
- 15 プロジェクトは行動すればよく、論文は調べればよい。
- Part4 教師の役割の誤解
- 16 教師はすべて教え込むべき/教えないほどよい。
- 17 教師は正解を持っていないといけない。
- 18 教師の専門性とは、研究能力や指導技術のことである。
- 19 外部とつながれば探究はうまくいく。
- 20 探究では、教師は見守るだけでよい。
- Part5 教科等との接続の誤解
- 21 探究は「総合的な探究(学習)の時間」だけの活動。
- 22 キャリア教育は総合とは別物。
- 23 教科でも無理にでも探究をしないといけない。
- 24 総合と教科の接続は、題材を関連させること。
- 25 探究は全教員が同じ意識・理解を持たないと実施できない。
- Column 中教審ワーキング(生活、総合)の議論から
- 第3章 誤解をほどくと見えてくる探究学習の転換点
- 01 評価を測定から対話へ
- 実践 現在地とこれからをルーブリックで確認する
- 02 リフレクションは「反省」ではなく「前進の起点」
- 実践 リフレクションの実践事例
- 03 教科と探究を無理につなげない
- 実践 結果として教科と総合の往還が起きた実践
- 04 問いは「決める」ものではなく「育てる」もの
- 実践 自分の問いを見つけ育てる実践
- 05 発表は「見せる場」ではなく「問い合う場」
- 実践 次に進む起点としての発表会
- 第4章 WG委員×教科調査官が語る探究の未来
- 01 引き受け続けるということ 〜現場から見た探究の未来〜
- 立命館宇治中学校・高等学校 /酒井 淳平
- 02 探究が学校に根づくために
- 愛知淑徳大学・文部科学省教科調査官 /加藤 智
- おわりに
- 参考文献一覧
- 執筆協力一覧
はじめに
探究という言葉を、学校現場で耳にしない日はほとんどなくなりました。多くの学校で取り組みが進み、発表会が開かれ、外部と連携しています。これは、とても大きな変化です。ただその一方で、学校現場にいるとどこか言葉にしにくい違和感に出会うことも増えました。
「これでいいのだろうか」「生徒は本当に学んでいるのだろうか」。そんな問いが、職員室の中に形にならないまま、漂っているように感じることがあります。マイテーマを見つけ大きく成長する生徒がいる一方で、探究をやらされ、こなしているだけの生徒もいます。「探究より基礎学力だ」と、二項対立で語られる場面も増えてきたように感じます。そして、こうした現状を受け止めながら、多くの先生方や学校に関わる方が悩み続けています。
探究の取り組みが広がり、生徒の成長も感じられる。それでも消えないこのモヤモヤした感覚は何なのだろう。この本は、その違和感から出発しています。私自身もまた、その違和感の中で立ち止まり、考え続けてきた一人です。
本書は、学校の探究に関わるすべての方に向けて書いたものです。ただ、特に読んでいただきたいのは、どこかで「これでいいのだろうか」と感じている方です。探究に前向きに取り組んでいる方も、どこか距離を感じている方も、あるいは関わりながら戸惑いを抱えている方も、その違和感は、この本の出発点と重なっています。
探究を否定したいわけでも、より良いやり方を提示したいわけでもありません。むしろ、すでに現場で起きている実践を、別の角度から見直すことで、そこに何が起きているのかを考えます。それこそが探究が次のステージに進むために必要なことだと思います。
本書では、探究を「正しくやる方法」は扱いません。その代わりに、探究をどう見ればよいのか、その見取り図を少しずつ描き直していきます。読み進める中で「自分の学校のことかもしれない」と感じる場面があれば、それはきっと、この本の入り口です。
本書は、最初から順に読む必要はありません。序章に出てくる(誤解○)の番号から、第2章に戻って読むこともできます。気になったところから、読み進めてみてください。
/酒井 淳平
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明治図書















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