- はじめに
- Chapter1 スピーキング力アップを目指す!指導の鉄則10
- 鉄則1 やり取りの最初はFluency Firstにせよ
- 鉄則2 英語で授業――指示も大切にせよ
- 鉄則3 Practice Practice Practice!
- 鉄則4 教室環境を工夫せよ
- 鉄則5 発話を可視化するツールを用いよ
- 鉄則6 発音指導はスピーキングの基礎と心得よ
- 鉄則7 「足場」をつくって,スピーキングへの入り口にせよ
- 鉄則8 RPGでレベルを上げるように即興力をつけるべし
- 鉄則9 同じお題を繰り返して,生徒の中に「軸」をつくらせよ
- 鉄則10 入学してくる中学校1年生が,何を学んでいるのか知るべし
- Column1 フォニックス指導をして感じたこと
- Chapter2 苦手な生徒もペラペラ話す!スピーキング活動30
- 活動1 最初が肝心!フォニックスで子音・母音を読めるようになろう
- 活動2 最初が肝心!フォニックスで短い英単語を読めるようになろう
- 活動3 最初が肝心!フォニックスで二重子音を読めるようになろう
- 活動4 最初が肝心!フォニックスでマジックEを含む英単語を読めるようになろう
- 活動5 5分で3セット会話しよう!One Minute Talkingでクイックレスポンス
- 活動6 準備ゼロでできる!英語で伝える楽しさを味わおう
- 活動7 挑戦!リテリング活動をやってみよう
- 活動8 発表活動にひと工夫!友達のスピーチをメモ&レポートしよう
- 活動9 グループワークにひと工夫!自分ごととして活動できるスピーチ活動
- 活動10 写真の様子を表現しよう!Picture Describe
- 活動11 準備いらずでいつでもできる!Square Communication
- 活動12 定番活動をもう一歩踏み込もう!チャット&ライティング
- 活動13 Whichを使って価値観を問おう!Class Survey
- 活動14 年間1回は取り組みたい!スピーチをしよう
- 活動15 書くことでさらなるレベルアップ!Small Talk EXTRA
- 活動16 瞬発力を高める!瞬間スピーキング
- 活動17 スピーキングの基礎を鍛える!Shadowingトレーニング
- 活動18 ゲームで身につく!Do you 一般動詞 〜?を使おう
- 活動19 英語アタマを鍛える!語順レベル上げ
- 活動20 英問英答も怖くない!全文Dictationをしよう
- 活動21 Whatに習熟する!典型的な一日密着取材
- 活動22 三単現のSはこれでバッチリ!Who is this?クイズ作り
- 活動23 Where&canを使い慣れろ!都道府県クイズ作り
- 活動24 語順を意識せよ!自己紹介マッピング「I-Map」
- 活動25 どんな名前にしようかな?English Name
- 活動26 盛り上がること間違いなし!No.1決定トーナメント戦
- 活動27 年間通して行いたい!Recitation
- 活動28 まずは1回やってみよう!ミニディベート
- 活動29 帯活動で取り組みたい!サイコロ即興スピーチ
- 活動30 ディレクターになりきって!コマーシャル作り
- Column2 フォニックスを指導した経験から
- Chapter3 定着をしっかり見取る!パフォーマンステスト
- 1 学習指導要領の目標を確認しよう
- 2 話すことをパフォーマンステストで評価する時の注意点
- 3 話すことのパフォーマンステストの実際
- 話すこと(やり取り)のパフォーマンステストの形態
- 話すこと(やり取り)の「知識・技能」評価について
- 話すこと(やり取り)「知識・技能」のパフォーマンステスト例1
- 話すこと(やり取り)「知識・技能」のパフォーマンステスト例2
- 話すこと(やり取り)の「思考・判断・表現」評価について
- 話すこと(やり取り)「思考・判断・表現」のパフォーマンステスト例1
- 話すこと(やり取り)「思考・判断・表現」のパフォーマンステスト例2
- 話すこと(発表)のパフォーマンステストの形態
- 話すこと(発表)の「知識・技能」評価について
- 話すこと(発表)「知識・技能」のパフォーマンステスト例1
- 話すこと(発表)「知識・技能」のパフォーマンステスト例2
- 話すこと(発表)の「思考・判断・表現」評価について
- 話すこと(発表)「思考・判断・表現」のパフォーマンステスト例1
- 話すこと(発表)「思考・判断・表現」のパフォーマンステスト例2
- Chapter4 スピーキング活動を成功させるプチアイテム
- ITEM 1 スクールタイマー
- ITEM 2 フォニックスカルタ
- ITEM 3 生徒用パソコン
- ITEM 4 イヤホン
- ITEM 5 タブレットとスタンド
- ITEM 6 QRコード
- ITEM 7 リアクションボード
- ITEM 8 システムAからシステムCまでの表示ボード
- ITEM 9 マルバツはてな
- ITEM 10 通りかかった校長先生・教頭先生
- おわりに
- 巻末資料:ワークシート
はじめに
「活気のある英語授業をしたい」
「生徒達がたくさん英語をしゃべったり,たくさん英語を使ったりする授業をしたい」
これらの思いは,きっとどんな英語の先生でももっている思いではないでしょうか。生徒達が生き生きと英語を話したり書いたりしている場面は,私達に大きなパワーを与えてくれますし,「これからも英語の授業を頑張ろう!」と次への活力になります。しかし現実は,準備していた割に活動が盛り上がらなかったり,ターゲットとしていた文法を使ってくれなかったり,ともすると,英語を使う時間なのに,友達と日本語でぺちゃくちゃと雑談してしまう生徒達……。私の授業も,以前はそうでした。そんな悔しい思いを積み重ねながら(そして今でも悔しい思いをしつつ),スピーキングの活動がどうすればうまくいくのか,どうすれば力のつく活動になるのか,実践を積み上げながら,授業に臨みました。そこで気づいたのは,どんな生徒でも「よりよい自分になりたい」「成長し,うまくなりたい」と願っていることです。活動が盛り上がらないのは,教師の指示が曖昧なのかもしれませんし,ターゲットとしている文法を使ってくれないのは,場面の設定が甘かったのかもしれません。英語の授業なのに,日本語で雑談するのは,教室内に「英語を使おう!英語をうまくなろう!!」という雰囲気ができていないのかもしれません。この本は,そんな悩みをもつ先生に少しでも力になりたい,私が行ってきた授業で盛り上がった活動をシェアして,英語のスピーキング活動の醍醐味を先生方に味わってほしい,という思いから書きました。
2021年度からの学習指導要領の実施に伴い,中学校の英語授業におけるスピーキング活動が注目されてきています。話すことは,「やり取り」と「発表」の2つの領域に分かれ,私の周りでは「英語の授業ってどう変わるの?どう変えればいいの?」「話すことの成績ってどうやって考えればいいの?」と「ハテナ」が飛び交っています。そこで,状況・場面・目的をきちんと設定しながら,いかに生徒に力をつけていくか,力がついた生徒達をどう評価するのか,忙しい教育現場で毎日闘っている先生達が,できるかぎり使いやすいように本を作りました。この本では,これまでの教育書のように単なる活動の羅列・解説だけではなく,それぞれの活動のページに音声や動画で解説をしたQRコードを記載しました。スマホやタブレットで書籍内のQRコードを開いていただくと,私が音声や動画で授業について解説します。先生方は大変忙しい現場で働いていらっしゃるので,例えば通勤途中に音声を再生したり,隙間時間に音声を聞き流したりして,「教育書を聴く」という新しい感覚を味わってほしいなと思います。紹介した全てのスピーキング活動に音声または動画をつけています。
前述の通り,新しい学習指導要領に基づいて,教育現場ではこれまで行ってきた実践よりもさらに高いレベルの活動が求められています。きっと多くの英語の先生方が,戸惑っていることと思います。この本が,そんな先生方のお力に少しでもなれたら,幸いです。
/江澤 隆輔
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- 明治図書