- はじめに
- 第1章 探究による学びの重要性
- 01 探究学習と自己調整学習のプロセス
- 02 Society 5.0からSociety 6.0へ―探究と創造による自己調整学習
- 第2章 自己調整学習とはどのような学びか?
- 01 どのような側面から成り立っているか?―構造論として
- 02 どのように進行するか?―過程論として
- 03 どのように形成されてくるか?―形成論として
- 第3章 探究と創造を促す授業デザイン
- 01 主体的な学びの3つのレベル
- 02 新しい動機づけの概念―「興味」とメイキング,ティンカリング
- 03 探究の課題にはどのようなものがあるか―文部科学省の例示から
- 第4章 習得・探究・創造による自己調整サイクルと学びのデザイン
- 01 探究と創造における自己調整の心理的メカニズム
- 02 習得と探究による学びのサイクル
- 03 「予見」のフェーズ
- 04 「遂行/意思コントロール」のフェーズ
- 05 「自己省察」のフェーズ
- 第5章 探究と創造のプロセスをめぐって―多様で個性的な道筋
- 01 探究と創造のプロセスのタイプ
- 02 すごろく型,上昇型,着陸型の探究と創造のプロセスのタイプ
- 03 放射状,アメーバ/ウェブ状の探究と創造のプロセスのタイプ
- 04 波形型の探究と創造のプロセスのタイプ
- 05 探究のプロセスを捉える3つの次元
- 第6章 自己調整を支える「振り返り」
- 01 なんのために振り返るのか?
- 02 「振り返り」のレベル―浅い振り返りと深い振り返り
- 03 「振り返り」を通してどのように知識を獲得し活用するか
- 04 「振り返り」と自己評価―自己調整のプロセスを支えるために
- 05 「振り返り」の方法
- 06 「振り返り」と自己調整に応じて教師のスタンスを変える
- 07 「振り返り」と自己調整を支える心理的な支援アプローチとツール
- 第7章 自己調整学習を促す実践事例
- 01 長崎大学教育学部附属小学校の取り組み
- 02 自律した学びとは
- 03 自己調整を支える優れた手立て―「学びのアルバム」
- 04 3つの自律的な学びのプロセス
- 05 教師の役割
- 06 リフレクションを重視した授業研究
- 07 ICTを活用して自己調整スキルの育成を促す実践
- 08 自己省察を中心にして自己調整のサイクルを促す実践
- 09 高等学校でのアクティブ・ラーニング―化学の授業での実践
- 10 自己調整学習を支える大学の授業での実践
- 参考文献・引用文献
- おわりに
はじめに
学校では,あらためて,子どもたちが主体となって学ぶことの大切さが問われてきています。真の意味で主体的に深く学ぶことは容易に実現できる営みではありませんが,筆者の専門領域である教育心理学では,「自己調整学習」として,よりよい実践につながる多くの事実とエッセンスが明らかにされています。
国語,算数・数学,理科,社会をはじめとした教科内容の「習得」を支える学びの自己調整のあり方については,洋の東西を問わず出版されている図書や論文を通して,広く知られるようになっています。最近の海外における教育心理学研究では,「習得」のみならず「探究」や「創造」による学びの自己調整のプロセスがどのようなものか,本格的な実証研究が進められてきています。
「習得」による学びのモードと「探究」「創造」による学びのモードは対照的なところがあり,単純な二分法に陥ることには十分に留意する必要はありますが,「探究」と「創造」による自己調整学習の本質をおさえることで,子どもたちの学びをさらに豊かにする大きな可能性を秘めています。
未来社会に求められる新しい教育の姿を描くためにも,「習得」とともに「探究」と「創造」の自己調整に基づく授業デザインについて,本書を通じて探っていくことができればと考えています。
2026年1月 /伊藤 崇達


















勉強になります。