- はじめに
- T 朝の読書から読書コミュニティを創る
- ――夢はみんなで紡ぐもの
- 新たな出発
- 朝の読書との出会い
- 声の贈りもの
- 祖父の膝の温もり
- 九戸村での読み聞かせ
- 読書で元気な町づくり
- 読書コミュニティ
- 夢はみんなで紡ぐもの
- U 今日もきっとすばらしい一日になる
- ――自尊感情を育んだ集団読書
- 一冊の本との出会い
- 著者への手紙
- 内堀さんとの出会い
- 四冊の感想文集
- 「どう生きるか」を求めて
- V 里美村朝の読書研究協議会の発足
- ――小中高校、そして幼稚園が一体となって
- 茨城県立里美高等学校
- 石川高校の実践に学ぶ
- 静寂に驚きの声が続出
- あるお母さんの感想
- 里美村朝の読書研究協議会
- 生涯の学びとして
- W 「朝の読書」、いまだ発展途上
- ――言語力の回復と獲得を目指して
- 本校の沿革
- 「朝の読書」の導入
- 「朝の読書」の実施要項
- 言語力の回復と獲得
- X 司書教諭が実践する「朝の読書」
- ――順心女子学園独自の「朝の読書」
- ある中学生のひとこと
- 塾対象学校説明会
- 子どもの変化と親の反応
- 司書教諭が実践する「朝の読書」
- ファミリーカードと絵本
- 高学年に対する「読書指導」の必要性
- 図書館はサービス業!
- 「朝の読書」の原動力
- 解説
- あとがき
はじめに
「朝の読書」が読書のきっかけとしてすばらしい活動であることは誰しも認めるところである。それぞれが熱き思いを抱き、「『朝の読書』、いまだ発展途上」の松山さんのように「朝の読書」を始める。
しかし、「朝の読書」を実践してみると、誰しも「朝の読書」のマンネリ化を体験し、「朝の読書」を継続していくことの難しさを知る。せっかく「朝の読書」を始めても、学校図書館の本の貸し出し数に変化がないとの嘆きの声が聞かれるようになり、「朝の読書」をやめてしまう学校もある。そんな悩みを持っている先生方に読んでほしいのが、曽我部さんの「司書教諭が実践する『朝の読書』」である。
「朝の読書」は読書のきっかけにすぎない。「朝の読書」だけではなく、他の読書活動も積極的に取り入れていくことが大事である。片岡方式と呼ばれる教師の朗読による集団読書の試みを綴った新井さんの「今日もきっとすばらしい一日になる」はその成功例である。
「朝の読書」の成果を校内だけではなく、村内の小中学校に及ぼし連携を図ることによって、地域ぐるみで実り豊かな教育の実現を図ろうとがんばっているのが神永さんで、その取り組みをまとめたのが、「里美村朝の読書研究協議会の発足」である。
そして、「朝の読書から読書コミュニティを創る」は、高校生が地域での読み聞かせ活動を通じて、コミュニケーション能力を高め、人と人とのふれあいの大切さを学び、自らを成長させていく力を持っていることを記したものである。読書コミュニティとは、高校生の地域での読み聞かせ活動から生まれる地域コミュニティのことである。
この本が多くの人に読まれ、子どもたちの読書意欲が喚起され、子どもたちを取り巻く学校や地域の読書環境の改善に役立てば、望外の喜びである。
二〇〇二年七月 読書コミュニティネットワーク代表 /庄司 一幸
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- 明治図書