- はじめに
- 序章 「好き」を育み、「得意」を伸ばす学校づくりを
- 01 画一化からの脱却
- 02 なりたい自分になって夢を叶える
- 03 なりたい自分になる―目標設定の術を身に付ける
- 04 なりたい自分を見つける
- 05 なりたい自分になるための教育
- 06 なりたい自分になるための学習指導要領
- 07 なりたい自分を目指す―ウェルビーイングの実現
- 第1章 押さえておきたい新学習指導要領のキーワード10
- 01 主体的・対話的で深い学びの実装
- 02 多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程
- 03 調整授業時数制度
- 04 個別の児童生徒に係る教育課程の仕組み
- 05 「余白」の創出を通じた教育の質の向上
- 06 学習指導要領の構造化
- 07 「学びに向かう力、人間性等」と「見方・考え方」の再整理
- 08 カリキュラム・マネジメント
- 09 デジタル学習基盤
- 10 情報活用能力の抜本的向上
- 第2章 2030年からの学校管理職のマネジメント
- マインドセット
- 01 子どもたちと教職員の可能性を信じる
- 02 夢を育む学校を創る
- 03 自己開示と自己実現で心理的安全性を生み出す
- 04 今、この一瞬が将来につながる
- 05 特別な支援を特別にしない
- 06 学びにリアリティをもたせる
- 07 管理職こそなりたい自分になる
- 教育課程
- 08 子ども一人一人の自己理解・自己選択を支える伴走
- 09 基盤となる資質・能力の整理
- 10 思考と表現の基盤としての言語能力の育成
- 11 学習の基盤としての情報活用能力
- 12 あらゆる教育活動の柱となる探究的な学び
- 13 ファシリテーターとしての教師の力量形成
- 14 デジタル学習基盤を前提とした授業改善
- 15 調整授業時数制度によるカリキュラム・マネジメントの実質化
- 16 学習評価の再設計
- 17 問題発見能力の育成
- 環境づくり
- 18 創りたい学校のデザイン
- 19 チーム学校の推進
- 20 なりたい自分になるための教員研修
- 21 保護者や地域との連携強化
- 22 学習する学校
- 23 働き方改革の推進
- 24 風通しのよい学校
- 25 子どもたちが意見表明できる学校
- 26 OODAループによる学校改善の日常化
- 27 子どもたちの主体性を引き出す学校文化の醸成
- 組織づくり
- 28 共創的リーダーシップへの転換
- 29 エージェンシーとミドルアップダウン
- 30 心理的安全性を基盤とした「対話」の質的向上
- 31 エビデンスに基づく学校経営
- 32 「正解」よりも「試行錯誤」の価値付け
- 33 地域と共にある学校
- 34 教職員の挑戦の後押し
- 35 多様性の包摂
- 36 経験を知恵に変える組織
- 37 「幸せ」が循環する学校
- おわりに
- 参考資料・文献
はじめに
中央教育審議会教育課程企画特別部会が公表した「論点整理」は、次期学習指導要領の進むべき道筋を鮮明に示しています。現在、この「論点整理」に基づき、総則・評価特別部会及び17のワーキンググループにおいて、かつてないほど濃密な議論が展開されています。
これらの審議はオンラインで公開され、資料も即日公表されるなど、そのプロセスは国民に広く開かれています。ここには、学習指導要領は子どもたちのものであり、現場を支える教職員のものであるという強いメッセージが込められているのではないでしょうか。
学習指導要領は、告示されてから受動的に「受け止める」ものではありません。審議の過程をリアルタイムで共有し、自校の文脈に引き寄せて考えることで、初めてスムーズな移行が可能となります。新学習指導要領への助走は、既に始まっています。
特に今回の改訂の柱となる三つの方向性――@「主体的・対話的で深い学び」の実装、A多様性の包摂、B実現可能性の確保――については、その理念を深く理解し、今できることから着手していかなければなりません。
例えば、多様性の包摂を具現化する「調整授業時数制度」は、学校の裁量で時数を柔軟に運用できる画期的な仕組みです。標準授業時数を遵守することに腐心してきた多くの学校にとって、これは未知の領域であり、各校の「教育課程編成力」が真に問われる試金石となります。今、この瞬間から多様なシミュレーションを重ねておくことが重要です。
次期学習指導要領の理念を追究すれば、教育課程は自ずと子どもや地域の実態に最適化されたものへと進化します。そこで管理職に求められるのは、膨大な情報を分析して最適解を導き出す「アセスメント力」と、組織の力を最大化し、共に未来をつくり出す「ファシリテーション力」に他なりません。
「教育の質は、教師の質を超えられない」、OECD教育・スキル局長、アンドレアス・シュライヒャー氏のこの言葉を管理職の視点で換言すれば、「学校の質は、校長の質を超えられない」となります。管理職こそ学び続けなければなりません。教育課程が変わろうとしている今こそ、管理職は自らの学びを深め、勇気をもって実践へと結び付けていくべきです。本書がその一歩を踏み出すための羅針盤となれば幸いです。
2026年7月 国士舘大学客員教授・元全国連合小学校長会長 /喜名 朝博
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明治図書

















