- はじめに
- 本書の使い方
- ワークシート一覧
- 応用編 GPTsを自作しよう
- 第1章 総合的な探究の時間とChatGPT
- 01 探究活動の意義と課題
- 02 探究活動の課題を解決する生成AI
- 03 どのようにChatGPTを活用するのか
- 04 ChatGPTを活用していく際の注意点
- 05 ChatGPTの使用に関わる保護者宛文書のテンプレート
- 第2章 課題設定×ChatGPT
- 01 課題設定でのポイントを押さえよう
- 02 モチベーショングラフを描いてみよう
- 03 ChatGPTとともに進路について想いをふくらませよう
- 04 自分の関心から課題を考えよう
- 05 SDGsから課題を見つけよう
- 06 探究課題を50個検討してみよう
- 07 活動計画を立てよう
- 08 ピラミッドで整理しよう
- 付録 システムプロンプト一覧
- 第3章 情報収集×ChatGPT
- 01 情報収集でのポイントを押さえよう
- 02 ピラミッドストラクチャーで整理しよう
- 03 検索を使いこなそう
- 04 難しい資料を一緒に読もう
- 05 アンケートのたたき台を作成しよう
- 06 ChatGPTと質問を考えよう
- 07 引用・参考文献の書き方を学ぼう
- 付録 システムプロンプト一覧
- 第4章 整理・分析×ChatGPT
- 01 整理・分析でのポイントを押さえよう
- 02 データの分析方法を相談しよう1
- 03 データの分析方法を相談しよう2
- 04 Padlet×ChatGPT で意見を整理しよう
- 05 「することがなくなった」という生徒への対応
- 付録 システムプロンプト一覧
- 第5章 まとめ・表現×ChatGPT
- 01 まとめ・表現でのポイントを押さえよう
- 02 情報の取捨選択をしよう
- 03 論理展開を確認しよう
- 04 質疑応答の練習をしよう
- 05 探究活動の限界を検討しよう
- 06 探究活動を振り返ろう
- 付録 システムプロンプト一覧
- 第6章 教師と生成AIが描く探究の未来
- 01 ChatGPTで探究指導力の向上を図ろう
- 02 ChatGPTから探究指導のヒントをもらおう
- 03 生成AIを活用した探究学習における教師の役割を押さえよう
- おわりに
- 参考文献
はじめに
教師をしていて,「もし分身できたら」と考えたことはありませんか?
総合的な探究の時間の指導をしている中で,私は何度もこう思いました。「もっと時間があれば,もう1人の自分がいれば,もっと生徒一人ひとりに寄り添った指導ができるのに」と。
現実は,教師1人が限られた時間の中で,約40人もの生徒を支援するため,生徒一人ひとりへ十分な指導を行うことは,非常に難しい状況にあります。
そんな中,2022年に登場したChatGPTは,まるで人間と対話しているかのように対話できることから,世界中に衝撃を与えました。私が初めてChatGPTを使ったとき,「これなら,教師の分身として生徒を支援できるかもしれない」と直感しました。
以来2年間,試行錯誤を重ねながら,教育現場での生成AIの可能性を探ってきました。本書は,その成果をまとめ,生成AIを活用した新しい授業の形を提案するために執筆しました。
本書『高等学校 探究×ChatGPT実践ガイド』では,総合的な探究の時間における各段階で,生成AIをどのように活用できるかを具体的に解説します。ワークシートや指導手順を豊富に盛り込み,現場ですぐに役立てられる内容を目指しました。
総合的な探究の時間は,生徒一人ひとりの進度や理解度が異なるのが当たり前です。そのため,教師1人が全員に十分な指導を行うことは難しく,支援が行き届かないケースも出てきます。そこで生成AIを「アシスタント」として活用し,生徒一人ひとりの学びを支える仕組みを提案します。
本書の構成は以下の通りです。
第1章 探究活動の意義と課題,生成AI導入の準備
第2〜5章 課題設定,情報収集,整理・分析,まとめ・表現の探究活動の各段階での活用法
第6章 生成AIを活用した教育における教師の役割
本書は,総合的な探究の時間に焦点を当てて執筆していますが,本書で紹介する活動は,総合的な探究の時間だけでなく,教科指導にも応用できると考えています。特に,教師と生成AIが互いに弱点を補い合いながら,ともに生徒の指導・支援を行うという考え方は,教科指導で生成AIの活用を考える際にも鍵になってくるはずです。
生成AIの活用は,教師の負担を軽減するだけでなく,生徒の学びをより深く,豊かにする可能性を秘めています。これまで時間や人手の問題で実現できなかった生徒の学びを実現することができるかもしれません。
教師と生成AIが協働する未来は,もはや遠い話ではありません。この本が,その未来を切り拓く一歩となることを願っています。
2025年4月 /南部 久貴
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明治図書















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