若い教師が元気の出る7つの提言
教育者としてのキャリアのつみ方

若い教師が元気の出る7つの提言教育者としてのキャリアのつみ方

投票受付中

書評掲載中

実践者が、若い先生や教師を志す学生に贈る熱いエール

経験の浅い教師が、だれもが直面する様々な課題・問題点に悩み、戸惑っている。そこで「若い教師が元気の出る7つの提言」として、経験豊かな著者が若いころの体験をもとにエピソードを交えて対談。教育者としてのキャリアのつみ方など問題点の克服に役立つ話題が満載。


復刊時予価: 2,585円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: 未販売

電子化リクエスト受付中

電子書籍化リクエスト

ボタンを押すと電子化リクエストが送信できます。リクエストは弊社での電子化検討及び著者交渉の際に活用させていただきます。

ISBN:
978-4-18-101326-4
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 164頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 子どもを理解する
[1] 子ども理解の方法
[2] 子どもの育ち
*上杉・提言のまとめ「子どもを理解するということ」
@「子ども理解」の移り変わり
A「ガイダンス」の考え方に学ぶ
B先の展望をもてる教師に
*園田・提言のまとめ「子どもを理解するということ」
@「子どもに好かれる教師」になるために
A「子ども理解」は子どもの話に耳を傾けることから
第2章 学級は汗を流して創り上げるもの
[1] 学級の組織化
[2] 子どもの世界
*園田・提言のまとめ「学級は汗を流して創り上げるもの」
@子どもがつながるには「ボンド」が必要
A子どもは本来「ハラハラ・ドキドキ・ワクワク」体験が大好き人間
*上杉・提言のまとめ「学級の組織化をどうするか」
@「学級」はわが国に固有の教育文化
A「学級を創る」ということ
B「あなたがいたからよかった」という実感がもてる学級
第3章 教師としての成長
[1] 教師の成長
[2] 自己研修から授業へ
*園田・提言のまとめ「教師としての成長」
@教師は言葉を出し惜しみするぐらいがよい
A教師もまた実践力を磨いて「なる」もの
*上杉・提言のまとめ「教師としての成長」
@子どもから学ぶ
A同僚から学ぶ
B相対的存在であることへの自覚
第4章 学力問題への対応
[1] 学力問題への対応
[2] 子どもの学び
*上杉・提言のまとめ「学力問題への対応」
@いわゆる「基礎・基本」と応用力の関係
Aみんなで伸びるための学力
B「知・情・意」の三分法から見えてくること
*園田・提言のまとめ「学力問題への対応」
@学習意欲を呼び覚ます教育活動を
A共通基礎学力重視と反復主義の次に吹く風
第5章 保護者との関係を築く
[1] 保護者との関係をどう築く
[2] 保護者と一緒に
*園田・提言のまとめ「保護者との関係を築く」
@懇談会で子どもを熱く語れる教師に
A保護者と相互信頼の基盤を築くには
*上杉・提言のまとめ「保護者との関係を築く」
@風評にまどわされない
Aモンスターになりたくてなったわけではない
B子どもを中心に据えて,保護者とつくる
第6章 生徒指導上の問題への対応
[1] 不登校への対応
[2] 「いじめ問題」への対応
*上杉・提言のまとめ「生徒指導上の問題への対応」
@ノートレランスの考え方
Aトーキング・サークルという方法
B問題行動には根っこがある
*園田・提言のまとめ「生徒指導上の問題への対応」
@まずは「楽しくてしかたがない学級」づくりを
A建設的な学級づくりを愉しむべき
第7章 学校を変える教師の力
[1] 教師としての力を付ける
[2] 教師集団の力
*園田・提言のまとめ「学校を変える教師の力」
@「何でもやってやろうじゃないか」精神を
A「子ども像」より「子ども観」の磨き合いを
*上杉・提言のまとめ「学校を変える教師の力」
@学校改革の担い手になる
A経済産業省が考える「社会人基礎力」
Bフットワーク,ネットワーク,チームワーク
あとがき

まえがき

 本書は,教壇に立って間もない若い先生方にエールを贈ることを目的として編纂されました。そして,それはただひたすらがんばれと励ますことではなく,教育者としてのキャリアを的確に積み重ねるための道筋をお伝えすることによって可能になると考えています。

 二人の著者の共通点は,小学校教員を長い間務めてから大学教員に転じたことです。そして,現在もなお,教育の現場に足繁く通い,教育の在り方を先生方と一緒に問い続けていることです。大学といえば,世間では理論的な研究が中心だと思われています。その重要性は疑いようもありませんが,実践の創造的展開に資することのない理論や高説は無用だと思う点も,二人の重要な共通点です。

 世の中には不思議な縁というものがあります。さしずめ,私にとって園田雅春先生との関係はその典型だと言えます。

 もう20年近くも前のことでしょうか。今回も出版の機会を与えてくださった明治図書の仁井田さんから,「関西に面白い(「おもろい」と言ったかもしれません)先生がいる」との情報がありました。早速,書かれた文章などを読んでみると,確かに並はずれて面白いのです。その後も,読めば読むほど園田先生が描く圧倒的な世界観に引き込まれていきました。情報は限られていましたが,それでも同じにおいのする同年代の先生が大阪にいるという事実だけで,私は大変勇気づけられました。かといって“遠距離恋愛”をするわけでもなく,しばらくは園田先生の書かれた書物や文章を読んでは,百万の援軍を得たような気分で実践に打ち込んでいました。

 私が大学教員に転じたばかりのことでしたが,改めて仁井田さんから書評の依頼が届きました。園田先生の著書『ふだんの授業からつくる総合学習〜園田流教師Ka業のたのしみ方〜』でした。出版年は2000年で,総合学習関連の本としてはかなり早い出版でした。とりたてて「総合的な学習の時間」などが学習指導要領に掲げられなくても,そのスピリットはとっくに折り込み済みでした。むろん,依頼は二つ返事で引き受けました。そのときの原稿はすでに手元になく,正確に再現することはできません。しかし,園田先生もまた大学の教員になるというタイミングでもあったので,「大学教員にするにはもったいないくらいの実践者」というようないささか失礼な形容をしたことを記憶しています。

 このあたりから,急に園田先生に会いたくなりました。そこで一計を案じ,当時私が主宰していた千葉総合的学習研究会の夏期セミナーにお招きすることにしました。仁井田さんから最初に情報をいただいてからざっと10年。これが,園田先生との初対面でした。でも,なぜか旧知の仲間と再会したような不思議な気分でした。

 園田先生と私の共通点はかなりあります。お互いに典型的な団塊世代で,共に小学校の教壇に立ち,子どもたちと正面から向かい合ってきました。その後,大学教員に転じました。しかし,そうした経歴上の共通点を超えて,教育という仕事へのスタンスまでもがほとんど同じことに驚いています。大阪と千葉という遠く離れた場所で仕事をしていて,まったくつながりもなかった二人が,ほとんど同じように思考するのはなぜでしょうか。この興味深い分析は,いつのことかは分かりませんが,お互いにこの仕事から身を引く時期までとっておくことにしましょう。

 その園田先生から,仁井田さん経由で今回の企画をもちかけられました。むろん,ここでもまた二つ返事で引き受けました。園田先生には千葉までお運びいただき,長時間にわたる議論を通してできあがったのが本書です。混迷する教育の状況を切り拓くためのビジョンとパワーを,読者のみなさんと分かち合えればこんなにうれしいことはありません。


  2010年1月   /上杉 賢士

著者紹介

上杉 賢士(うえすぎ けんし)著書を検索»

1948年,山梨県生まれ。千葉大学卒業後,小学校教員,教育センター・教育委員会などで勤務した後,1999年10月から千葉大学大学院教育学研究科教授。NPO法人PBL研究所理事長,日本生徒指導学会副会長 など

園田 雅春(そのだ まさはる)著書を検索»

1948年,京都市生まれ。大阪教育大学大学院教育学研究科修士課程修了。31年間,大阪府高槻市立公立小学校に勤める。現在,大阪教育大学教授,大阪府放課後子どもプラン推進委員会委員長,高槻市子ども読書のまち推進委員会委員長,授業文化を創る会代表などを歴任。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ