- まえがき
- T 学習スキルで学力を付ける
- 1 学習スキルで学力を付ける
- 1 教えたはずなのに,子どもに力が付かない
- 2 授業で学習スキルを身に付けさせる
- 3 教えられていない学習スキル
- 4 学習スキルを身に付けさせるための四つのポイント
- 2 学習スキルで授業が変わる
- 1 学習スキルによる授業の違い
- 2 研究授業で学習スキルを高める
- 3 学習スキルで指導案が変わる
- 3 学習スキルのミニマム・エッシェンシャルズ
- 1 学習スキルを列挙・分類する
- 2 学習スキルを学年別系統表に整理する
- 3 全校で高める学習スキル
- U 学習スキルで授業を変える
- 1 虹の輪タイム 子どもに価値ある課題の設定を〜子ども任せ・意図の明確でない体験活動からの脱却〜
- 1 見つめてみよう! 課題設定
- 2 課題意識を高める二つの提案
- 2 国語 文章表現のスキルで多彩な文章が書ける
- 1 文章表現のスキルが高まった文章
- 2 文章表現のスキルを細分化した短作文
- 3 文章表現のスキルのよさを自覚させる相互評価
- 4 文章表現のスキルを活用させる音声表現
- 3 図画工作 造形スキルで 表現をつくりだす子どもをつくりだす
- 1 自分が表した形,色が発想スキルを高める
- 2 「材料メニュー」「こうしようカード」で構想スキルを高める
- 3 「マイ・アート・カルテ」で自己評価スキルを高める
- 4 算数 三つのスキルで 算数を創り出す子どもに!
- 1 数え方スキルを高めて数感覚を磨く(低学年)
- 2 こうすれば子どもは自力で問題を解決できる!(中学年)
- 3 問題解決の武器! 数と数とを対応させるスキル(高学年)
- 5 生活 かかわるスキルで知的な気付きを生み出す
- 1 ネイチャーゲームの多様な組み合わせで自然とかかわる
- 2 「こうしたいなカード」で人とかかわる
- 6 理科 スキルを高めて観察・実験をパワーアップ
- 1 思考マップで追究の跡を残す
- 2 予想や仮説の検討で追究の質を高める
- 3 情報交換のスキルを高める
- 7 家庭 評価スキルで生活的な自立への第一歩
- 1 調理実習「ここができたら満点」交代で審査員
- 2 被服製作は実感的に確かめて効果的に役立てる
- 8 社会 複数の観点から考えるスキルを高める
- 1 多面的な見方・考え方はこうやって伸ばす
- 2 歴史的事象の意味を考えるときに必要な観点を提示する
- 3 調べた事実を付箋に記録させる
- 4 付箋に記録した事実を順位付けさせる
- 5 観点シートに付箋を貼らせて歴史的事象の意味を考えさせる
- 9 音楽 「初めてのリコーダー」基本的な演奏スキルを身に付けさせる
- 1 「ソ・ラ・シ」を同時に指導する
- 2 「お助けカード」と「カード式運指表」で自主練習
- 3 「リコーダー学習カード」で意欲的に練習
- 4 子どもは,このようになる
- 5 バージョンアップ
- 10 学級活動 学級活動は遊びじゃない 力を付けなくちゃ
- 1 変わらなきゃ 学級活動の授業
- 2 話し合い活動で五つの学習スキルを身に付けさせる
- 11 体育 めあて決定,評価,コツ発見の3スキルで知的な体育
- 1 観点の細分化提示で,めあて決定スキルを高める
- 2 体験型相互評価で評価スキルを高める
- 3 「5センス」で動きのコツ発見スキルを高める
- V 学習スキルで子どもが変わる
- 1 学習スキルで学ぶ力を高める
- 1 学習スキルを高める
- 2 学習スキルで基礎づくり(低学年)
- 3 学習スキルを選択・活用(中・高学年)
- 2 英語活動 辞典活用のスキルで自分だけの英語表現をGET!
- 1 楽しいだけでいいの?
- 2 和英辞典で盛り上がる活動−Family tree(家系図)4年の例−
- 3 和英辞典を活用するためには
- 3 虹の輪タイム(総合的な学習の時間)自己評価スキルで「成長した自分」を実感する
- 1 なぜ自己評価スキルが必要なのか
- 2 虹の輪タイムで活用される六つの方法・技能
- 3 「成長した自分」を実感する自己評価スキルとプロフィール表
- 4 心の教育 保護者の参画で道徳的スキルが高まる
- 1 授業参観から授業参画へ
- 2 保護者相手のロールプレイで行動への自信をもつ(1年)
- 3 「愛の手紙」でセルフエスティームを自覚する(1年)
- 5 複式教育 異学年だからこそ子どもの学習スキルは高まる
- 1 異学年だからこそ学年差を生かす
- 2 時間差発表で複数の観点から考えるスキルを高める
- 3 学年の組み合わせの工夫で上学年を伸ばす
- 6 健康教育 自己決定スキルで自分の心や体と向き合おう
- 1 てんやわんやの保健室
- 2 よりよい自己決定はつらいよ
- 3 6年間を通して育てる自己決定スキル
- あとがき
- 附属新潟小学校研究同人
まえがき
校長 /清田 文武
本書は,いわゆる学校の共同研究をまとめたものではない。本書で「学習スキル」を取り上げたのは,次の問題意識があったからである。
○ 学校教育の中核は授業であり,学校は学力を付ける場である。子どもの学力低下が論議されるなか,授業のあり方が問われている。授業を変えなければ,子どもに学力は付かない。
○ 同一学年で複数の学級をもつ学校では,たいてい均質の学級編成を行う。しかし,同じ教師が,同じ指導案を使い,同じ教材を提示し,同じ発問をしても,子どもの反応が学級によってまるで違うことがある。子どもの学びや鍛えられ方に差がある。
○ 当校では,学力の中核をなすものを知(内容知,方法知,体験知)とし,知の獲得を目指した学習指導の研究に取り組んでいる。学習スキルの習熟度と知の獲得とのかかわりは大きい。
学習スキルが重要なのは,どのようなスキルを用いるかによって,獲得される知のありようが違ってくるからである。読む,聞く,話す,検索する,調査する,表現する,評価する……。学習スキルとは,子どもが学習の対象に迫っていく際に用いる学習の方法や技能である。
本書は,知の獲得に働く学習スキルの鍛え方を,実践事例を中心に紹介したものである。
本書の出版に当たっては,明治図書 江部 満氏より格別のご高配をいただいた。深く感謝申し上げる次第である。
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- 明治図書