- はじめに
- 第T章 自らの学び方と対象に関わる意識を高めていく総合的学習のカリキュラムの構想
- 1 総合的学習がめざすもの
- 2 カリキュラム構想の視点
- ク 学習対象の想定
- ケ 子どもの学び方の想定
- コ 総合的学習のカリキュラムモデル
- 3 総合的学習の活動構想
- ク 教科・道徳からの課題の発展
- ケ 教科・道徳と並列的に扱われる活動による実践的な場
- コ 総合的な解決を必要とする課題を追究する活動
- 第U章 生活科・総合的学習の実践
- 1年
- 「自分のことを知ってもらいたいな」
- 「生き物いっぱい ふぞく平野小学校」
- 「感じる学校! よさ、楽しさ伝えよう」
- 2年
- 「1年生が○○と思う学校にしよう」
- 「平野の町へでかけよう」
- 「みんなで作って楽しもう! 秋の遊びの広場」
- 3年
- 「平野学習館をつくろう」
- 「みんなの町・平野」
- 4年
- 「よりよい学校をつくろう」
- 「みんな友だち」
- 「好きやねん大阪 パートタ」〜大阪のやさしさ見つけ〜
- 5年
- 「環境や人に優しい活動をしよう」
- 「環境チェック!! 地球は今・・・」
- 「いきいきけんこう」〜自分の生活を見つめて〜
- 6年
- 「下学年に対する私たちの役割」
- 「ひとりひとりが地球人として」
- 第V章 総合的学習の年間指導計画作成の方法
- 1 総合的学習の実践を通して明らかになってきたもの
- ク 子どもの姿から見える成果
- ケ 活動を構成する中で明らかになった課題
- 2 総合的学習年間指導計画立案の観点
- ク 育てたい子ども像をもとにした、総合的学習の全体像を明らかにする
- ケ 総合的学習によって培われた、対象に関わる意識の連続を図る
- コ 高まりつつある子どもの意識を発揮できる場を設定する
- 3 意識の連続・発展を重視した総合的学習の主題配列
- ク 子どもの意識の連続・発展の例から
- ケ 総合的学習の配列モデル
- 4 年間指導計画試案
- あとがき
はじめに
平成10年12月に新学習指導要領が告示され、学校週5日制の完全実施と総合的学習の教育課程への位置づけが明確に打ち出されました。各教科の授業時数削減への対応とともに、新しい領域、総合的学習への取り組みは、これから数年の間教育界の大きな課題となるでしょう。
本校では、このような教育改革の動向に合わせて、平成8年度から「豊かな人間性を育む教育課程の創造」という主研究課題のもとに、従来からある各教科の本質を追究しながら、子どもたちが各教科の枠を超えて関心を持った場合の学習活動を保証することや、子どもたちの個性を尊重しながらも友達と協調し、共感的に活動することができる場として総合的学習を構想し、望ましいカリキュラムの構築を目指して研究を進めてきました。
幼稚園教育から、小学校低学年の生活科へ、さらに発展して総合的学習へとつながる流れは一見自然な道筋のように考えられますが、参考にする資料も非常に少なかった初年度は全くの手探りで進むしかありませんでした。識者のご指導を仰ぎながら1年、2年と実践を蓄積し、文部省の方針も次第に明確に示されるようになってきて、ようやく本校としての目指す方向が見えてきたように思われます。
豊かな人間性の育成を目指す教育においては、自らの価値判断・意思決定によって行動できることが重要です。子どもたちは、環境や人との関わりの中で自らの存在を確かなものとして感じる学習活動を展開しなければなりません。そこで、「よりよい環境の創造」と「よりよい人間関係の創造」を目指した総合的学習の研究を進め、実践を積み重ねてきました。その成果として年間指導計画の提案をここにまとめ、世に問うことにいたしました。
読者各位には、本校研究の意図したところをおくみ取りいただき、きびしいご批判とご指導を仰ぎたいと存じます。それがまた、本校研究活動のさらなる発展の糧となると信じるからです。
最後になりましたが、本研究を進めるに当たってご指導ご助言をいただきました指導助言の先生方、共に研究に取り組み、共に悩み、共に深め合った本校研究協力員の先生方、並びに研究発表会など機会ある毎に意見を寄せていただいた全国の様々な分野の先生方、また、本書の出版を快くお引き受けくださった明治図書出版株式会社に対して厚くお礼を申し上げます。
平成11年3月31日
大阪教育大学教育学部附属平野小学校 学校長 /須藤 勝見
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明治図書















