新指導要録対応小学校通知表の作成と記入の手引

新指導要録対応小学校通知表の作成と記入の手引

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新しい学習評価に沿った通知表の具体像を示しました。

今回の指導要録改訂で打ち出された、学習評価の改善の趣旨に沿った通知表をどのように作成したらよいか、そのポイントを簡潔に示し、すぐに役立つモデル案を網羅した、今小学校現場に求められる実務の手引。教師必携の基本図書です。


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ISBN:
978-4-18-079427-0
ジャンル:
評価・指導要録
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 120頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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はじめに
1章 中教審「報告」と文科省「通知」の理解
§1 中教審「報告」の学習評価の考え方
§2 文科省「通知」の学習評価の考え方
§3 指導要録と通知表の関係
2章 新学習評価に対応した通知表作成の課題
§1 新しい学習評価と通知表の改善
§2 通知表の役割
§3 通知表の改善の視点
§4 評価基準の作成と評価方法
§5 評価の妥当性と信頼性の確保
§6 観点別評価と評定の関係
§7 保護者への説明責任
§8 児童及び保護者欄の設置
§9 ICTの活用
3章 評価基準の例示と評価手順
§1 評価基準の作成の仕方と例
1 評価規準と評価基準
2 評価基準の設定の仕方と例
§2 観点別評価のポイントと手順
1 観点別評価の基本的な考え方
2 「関心・意欲・態度」の評価
3 「思考・判断・表現」の評価
4 「技能」の評価
5 「知識・理解」の評価
§3 設定のポイントと手順
1 設定の基本的な考え方
2 評定の仕方
4章 新学習評価に対応した通知表作成のステップ
§1 通知表を作成する組織と運営
1 通知表作成のための組織
2 組織の効果的な運営
§2 通知表を作成する手順
1 通知表の目的の再確認
2 新しい学習評価の在り方の確認
3 情報の収集と分析
4 作成の基本方針
5 作成の手順とポイント
5章 通知表作成のポイント
§1 通知表作成のポイント5
1 指導要録から離れ過ぎない
2 子どもを主人公にする
3 評価の方法を確認する
4 学校の特色を出す
5 通知表を過大評価しない
§2 通知表作成の工夫5
1 子どもを主人公にする工夫
2 説明責任の工夫
3 所見欄の工夫
4 保護者参加の工夫
5 ICTの活用
6章 通知表記入のポイント
§1 各教科の評価・評定の記入のポイント
§2 所見の記入のポイント
§3 特別活動の記入のポイント
§4 行動の記録の記入のポイント
§5 児童欄(自己評価)の記入のさせ方
§6 保護者欄の設け方と返事への対応の仕方
7章 外国語活動の評価
§1 外国語活動(小学校5・6学年)の目標の理解
§2 外国語活動の評価の基本
§3 通知表記入の実際例
8章 総合的な学習の時間の評価
§1 総合的な学習の時間の(3〜6学年)の目標の理解
§2 総合的な学習の時間の評価の基本
§3 通知表記入の実際例
9章 新学習評価に対応した通知表のモデル集
§1 通知表のモデル10例の概観
A校:3学期制の標準タイプ
B校:2学期制の標準タイプ
C校:ICTを活用したタイプ
D校:学期ごとに評価項目が異なるタイプ
E校:観点別学習状況の評価も評定もするタイプ
F校:文章記述中心のタイプ
G校:児童欄・保護者欄を設置した例
H校:児童の自己評価を取り入れた例
J校:ファイリング方式
K校:その他のタイプ(通知表の補助的なもの)
§2 通知表作成のコンテンツ集

はじめに

 新しい学習評価を反映した通知表


 学習評価と言えば,教師も,子どもも,もちろん保護者も通知表のことを真っ先に思い浮かべることでしょう。今回の児童指導要録の改善は,「では,通知表はどのようになるのか?」と,大きな関心を呼んでいます。

 中教審の「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(平成22年3月)及び文部科学省の「学習評価の在り方と指導要録等の改善について(通知)」(平成22年5月)に対応して,@評価の妥当性や信頼性等の確保,A評価・評定の適切な実施と活用,B外国語活動の評価法の開発,CPDCAサイクルの確立による「指導と評価と支援の一体化」,D学校の説明責任と情報開示などに,課題があるといわれています。

 この「報告」と「通知」の意味しているものは,充実した教育活動を展開し,それを適切に評価し,それを効果的に活用して教育活動を改善し,質の高い教育を保障する学校教育を求めているということだと思います。通知表もこれらの一環として,この新しい動きに対応していかなければならないということです。

 そこで,今回の学習評価の改善と活用の趣旨に沿った通知表をどのように作成していったらよいか,そのポイントとモデル案を示す書籍を刊行したいと考えました。通知表については基本的には次のように考え,できるだけ簡明な理論,具体的な提案,すぐにでも使える例示に心がけて構成いたしました。

<基本的な考え方>

○ 通知表の前提は,充実した授業にある。授業が変わらなければ,子どもの心に響き,意欲付ける通知表にはならない。

○ 通知表は,保護者へ「子どもの学校生活と学習活動の状況や成果の連絡」を目的とするが,担任の子どもに対する愛情と励ましが込められていなければならない。

○ 通知表の記載内容は,子どもが納得し,保護者が信頼するものでなければならない。

<本書の構成>

@ 第1章:中教審「報告」と文科省「通知」の基本的理解ができるよう簡潔に解説します。

A 第2章:新しい児童指導要録の学習評価に対応した通知表を作成する上での課題と,それをどのように解決したらよいか具体的に説明します。

B 第3章:通知表の評価をするために必要な評価基準の作成の仕方とその例の紹介,さらに評価基準の作成の手順を紹介します。

C 第4章:新しい学習評価に対応した通知表を作成する手順について分かりやすく具体的に示します。

D 第5章:実際に通知表の改善を進め,作成する際のポイントを解説します。

E 第6章:通知表に記入する際のポイントや留意点について説明します。

F 第7章:新しく指導することになった「外国語活動」の評価の考え方と具体的な進め方について解説します。

G 第8章:時間数の減った「総合的な学習の時間」の評価の考え方と具体的な進め方について解説します。

H 第9章:新しい学習評価に対応した通知表はどうあるべきか,「通知表のモデル」を開発して紹介します。

 本書が多くの先生方の目にとまり活用され,子どもたちをいい気持ちにして元気付け,保護者の信頼が得られて協力・連携の絆が強まるきっかけになることができましたら著者として誠に嬉しい限りです。また,読後の感想や厳しいご批判,ご指導なども切にお願いする次第です。宜しくお願いいたします。

 ところで,本書を執筆する過程において,多くの方々や学校から指導・助言及び資料提供を賜りました。心から感謝申し上げます。特に,下記の書物からは,教員初年の頃から今日に至るまで実に多くのことを学ばせていただきました。そして,本書を書き進めるに当たっても,発想の手掛りや論を進める上での根拠とさせていただきました。本当にありがたく,厚くお礼を申し上げます。

★橋本重治著『教育評価法概説』金子書房 1967,同『到達度評価の研究』図書文化 1981,同・(財)応用教育研究所編『2003年改訂版 教育評価法概説』図書文化 2003

★続有恒著『教育学叢書21 教育評価』第一法規 1971

★東洋著『子どもの能力と教育評価』東京大学出版会 1979,同『同(第2版)』同 2001

★渋谷憲一著『教育評価の基礎』教育出版 2003

★石田恒好著『改訂新・通信簿』図書文化 1981,同『新・通信簿』同 1992

★梶田叡一著『現代教育評価論』金子書房 1980,『教育評価』有斐閣 1983

★神田修・寺崎昌男・平原春好編『史料教育法』学陽書房 1987

 また,本書の企画の段階からお世話いただいた明治図書編集部安藤征宏氏に対して特に名を記して感謝の意を表します。


  平成22年11月   著者 /小島 宏

著者紹介

小島 宏(こじま ひろし)著書を検索»

財団法人教育調査研究所研究部長

〔職歴〕

平成4年4月 東京都教育庁指導部初等教育指導課課長

平成6年4月 東京都東村山市立化成小学校長

平成8年4月 東京都立多摩教育研究所所長

平成10年4月 東京都台東区立根岸小学校長

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 通知票作成の流れが分かりやすく示されていた。
      2020/1/1250代・小学校管理職

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