学力定着度チェック 学校の自己点検・自己評価の手引 小学校版

学力定着度チェック 学校の自己点検・自己評価の手引 小学校版

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絶対評価への転換は各学校に学力保障の結果を求めている。そこに学校の自己点検・自己評価が重視される理由がある。この背景を踏まえてその考え方と具体策を明示した。


復刊時予価: 2,211円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-071314-4
ジャンル:
学習指導要領・教育課程
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 112頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 学校の自己点検・自己評価の必要性
§1 学校の自己点検・自己評価の意味と必要性
1 学校の自己点検・自己評価の背景
2 学校の自己点検・自己評価の意味
3 学校の自己点検・自己評価の必要性
§2 学校の自己点検・自己評価と学力の定着
1 学校の役割
2 子どもの学習状況の自己点検・自己評価
3 基礎学力を保障するための自己点検・自己評価
§3 学校の自己点検・自己評価と学校経営
第2章 学校の自己点検・自己評価の内容
§1 学校の自己点検・自己評価の基本的考え方
1 学校の自己点検・自己評価の基本的考え方
2 危機管理としての学校の自己点検・自己評価
§2 学校の自己点検・自己評価の内容
1 教育目標の設定と達成のための基本方針の自己点検・自己評価
2 教育課程の編成に関する自己点検・自己評価
3 教育課程の運営に関する自己点検・自己評価
4 教育課程の実施上の工夫改善に関する自己点検・自己評価
5 教育課程の実施結果に関する自己点検・自己評価
6 教育課程の編成・実施を支える自己点検・自己評価
§3 学力定着の自己点検・自己評価
1 学力の定着
2 教育課程の実施状況
§4 学校経営・運営の自己点検・自己評価
1 開かれた学校づくり
2 特色ある教育活動
3 学校の活性化と組織的取り組み
4 教職員の資質の向上
第3章 学校の自己点検・自己評価の計画と運営
§1 自己点検・自己評価の計画
1 何を自己点検・自己評価するか
2 何時、自己点検・自己評価するか
3 自己点検・自己評価を進める組織づくり
4 自己点検・自己評価の計画
§2 自己点検・自己評価の進め方
1 誰が自己点検・自己評価をするか
2 どのように自己点検・自己評価をするか
3 教育委員会等が作成したマニュアルの活用
4 自己点検・自己評価を進める際の留意点
5 基礎学力の自己点検・自己評価の活用
第4章 学力定着の自己点検・自己評価の設問例
§1 教職員を対象とした評価の設問例
1 各教科等をおおまかに点検・評価する設問例
2 学習指導について全般的に点検・評価する設問例
3 学習指導についての問題点を発見するために点検・評価する設問例
4 数値目標を設定して点検・評価する設問例
5 基礎学力の定着について点検・評価する設問例
6 総合的な学習の充実を目指した点検・評価の設問例
§2 保護者を対象とした点検・評価の設問例
1 教育活動に関する点検・評価の設問例
2 自由記述による点検・評価の設問例 1
3 自由記述で点検・評価してもらう設問例 2
4 点検・評価の理由を記述してもらう設問例
5 総花的に点検・評価してもらう設問例
6 教師の授業の在り方を点検・評価する設問例
§3 外部評価委員会を対象とした設問例
1 学校評議員用の点検・評価の設問例
2 外部評価委員会の学力についての点検・評価の設問例
3 外部評価委員会の生活指導等についての点検・評価の設問例
4 外部評価委員会の総合的な学習等についての点検・評価の設問例
5 外部評価委員会の教職員の姿勢についての点検・評価の設問例
6 外部評価委員会に一般的に評価を求める点検・評価の設問例
7 学校づくり委員会に外部評価を求める点検・評価の設問例
§4 子どもを対象とした設問例
1 子ども(低学年)の授業の評価の設問例
2 子ども(高学年)の授業の評価の設問例
3 子ども(高学年)の学期ごとの教科の評価の設問例
4 子ども(高学年)の授業の全般的な評価の設問例
5 子どもの教科等の全般的な評価の設問例 1(低学年)
6 子どもの教科等の全般的な評価の設問例 2(高学年)
7 子どもの総合的な学習の学び方の評価の設問例 3(3〜6年)
8 子どもの生活科の学び方の評価の設問例(1年生)
9 子どもから総合的な評価を引き出す設問例(1.学級会)
10 子どもから総合的な評価を引き出す設問例(2.面接)
第5章 開かれた学校づくりと説明責任
§1 開かれた学校と説明責任の意味
1 開かれた学校とは
2 開かれた学校づくりの現実的な構想
3 説明責任の背景
4 説明責任の意味
§2 外部評価の反映
1 外部評価の収集
2 外部評価の活用
§3 学校評議員の運営
1 設置の目的と扱う内容
2 運営と学校の自己点検・自己評価
§4 基礎学力の定着と説明責任
1 基礎学力に関する説明責任
2 学校経営に関する説明責任
第6章 学校の自己点検・自己評価のQ&A
Q1 学校の自己点検・自己評価の重点事項は何か。
Q2 学校の自己点検・自己評価は、いつ行うのが効果的か。
Q3 教育委員会の作成した評価基準等はどのように活用したらよいか。
Q4 外部評価をする際に配慮することは何か。
Q5 外部評価の結果を教育課程や指導計画の作成にどう生かすか。
Q6 学校に対する様々な苦情はどのように扱ったらよいか。
Q7 アンケートを実施するといかにも悪意に満ちたものがあるがどう扱うか。
Q8 先導的な学校の自己点検・自己評価にどのように学んだらよいか。
Q9 教育委員会のヒヤリングに対応できる点検・評価はどう進めたらよいか。
Q10 数値目標を学校の自己点検・自己評価にどう盛り込んだらよいか。
Q11 校長の学校経営の自己点検・自己評価はどのように進めたらよいか。
Q12 学力の自己点検・自己評価は、校内の自作テストで十分か。
Q13 学校の自己点検・自己評価の結果を、どのように公開したらよいか。
Q14 学校を開くことと,学校の自己点検・自己評価はどのような関係にあるか。
Q15 マンネリ化した自己点検・自己評価をどのように改善したらよいか。
Q16 なぜ、学校の自己点検・自己評価は重苦しいものになるのか。

まえがき

 学校の自己点検・自己評価の実施と保護者・地域住民への説明責任は,次のような経過をたどって,事実として学校に存在することが求められ,法制化されました。


 ○ 中央教育審議会第一次答申(21世紀の学校教育の展望)平成8年7月

 ○ 中央教育審議会答申(今後の地方教育行政の在り方)平成9年9月

 ○ 教育課程審議会答申(教育課程の改善の基本方針)平成10年7月

 ○ 中央教育審議会答申(学校の自主性・自立性、学校評議員)平成10年9月

 ○ 小学校学習指導要領・総則(開かれた学校)平成10年12月

 ○ 小学校学習指導要領解説・総則編(開かれた学校)平成11年5月

 ◎ 教育課程審議会答申(評価の在り方,児童指導要録の改善)平成12年12月

 ◎ 文部科学省通知(児童指導要録の改善等について)平成13年3月

 ◎ 小学校設置基準(第2条 自己点検・自己評価と外部への説明)平成14年4月


 これら一連の流れのなかで,目標に到達したかどうかで評価する「絶対評価」が,学習状況の評価の基本になったこと,学校の自己点検・自己評価が求められ,外部評価の導入,点検・評価の結果と問題点の改善策にかかわる説明責任が当然のこととして示されたことは,今後の学校経営の在り方や学校教育の進め方に大きな影響を与えています。

 平たい言い方が許されるとすれば,「絶対評価」と「自己点検・自己評価」は,学校と教師に次の3点を事実として示すことを強く求めていると考えることができます。

1.学校(教師)は,「結果の出せる」授業と生活指導をする。

2.学校(校長)は,「結果の出せる」経営をする。

3.学校(校長,教師)は,「結果について自己点検・自己評価」をして実現できた結果,問題点と改善策を保護者や地域に説明する。

 これら3点は,絶対評価を取り入れた評価,学校経営を円滑に進める,自己点検・自己評価を実施するという方法論から出発して実現できるようなものではありません。1では,絶対評価に耐えることのできる「子どもが育つ授業」が前提として行われていなければならないのです。これまで以上に,学校(教師)は,授業力と評価力を高めるようにしなければならなくなると思います。

 2では,受け身の経営,運営ではなく,学校としての自主性や自律性を確立して「子どもの教育に結果の出せる」特色ある学校づくり,特色ある教育を進めていく活力のある前向きの経営,運営に重点の基軸を移すことが必要だと思います。

 3では,1と同様に,自己点検・自己評価の前提として,点検・評価に耐えられる「結果を出す」ことをまずしなければならないのです。

 このように,「絶対評価」と「学校の自己点検・自己評価」は,学校が,これからどのような事柄を重視して子どもの教育を進めていくかを考え,実行していく根本にかかわることを示していると考えられます。

 本書では,学校の自己点検・自己評価の基本的な考えを整理し,どのような内容をどのように進めていったらよいかを考える中で,点検・評価の前提としてどのようなことに留意して教育活動を進めていったらよいかを類推しやすく構成したつもりです。

 ☆ 学校の自己点検・自己評価の必要性

 ☆ 学校の自己点検・自己評価の内容

 ☆ 学校の自己点検・自己評価の計画と運営

 ★ 学力定着の自己点検・自己評価の設問例

 ☆ 開かれた学校づくりと説明責任

 ☆ 学校の自己点検・自己評価のQ&A

 これらの中で,特に,基礎学力を維持向上させるためには,どのようにしたらよいかを重視して設問例を収集して紹介しました。設問例の内容は,裏返せば,基礎学力の維持向上のために,どのようなことを重視した授業を展開したらよいかが分かるように意識して構成したつもりです。

 先輩,諸兄姉のお目に留まり,ご一読いただき,ご批正,ご指導を賜ることができましたら大きな幸せです。よろしくお願いいたします。

 本書を構想し,書き進める過程で実に多くの方に資料を提供いただいたり,ご指導・ご意見を賜りました。相手のご都合を省みない失礼な電話にも温かく応じていただいたり,FAX送信をお願いしたり等々大変お世話になりました。心から感謝申し上げます。

 また,本書の企画の段階からお世話いただいた明治図書編集部の安藤征宏氏,田村志織氏に特に名を記して感謝の意を表します。


  2002年10月20日   /小島 宏

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      明治図書

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