- はじめに
- 1章 総合的学習基本単元の構想と実践
- §1 総合的学習で育てる学力とテーマ・単元の開発
- §2 基本単元の全体構想と実践テーマ一覧
- 2章 地域・学校課題基本単元の実践プラン
- §1 地域文化の実践プラン
- 1 民話 民話の継承の担い手に
- 2 伝承行事(祭り) 西馬音内盆踊り
- 3 文化財 村山浅間神社と登山道
- 4 生活文化(食文化) ジャガイモってすごい
- 5 伝統芸能 大川念仏踊りと竹太鼓
- §2 地域の自然の実践プラン
- 1 河川・湖沼 湧水とテーマパーク構想―富士山学習の実践プラン―
- 2 山・森林 富士山の山林を保全しよう―富士山学習の実践プラン―
- 3 海・海浜 郷土の海と対話しよう
- 4 動・植物 富士山の植物探検―富士山学習の実践プラン―
- 5 天文・気象 富士山の笠雲―富士山学習の実践プラン―
- §3 地域の歴史の実践プラン
- 1 支えた人々 先人の生き方に学ぶ
- 2 歴史的建物 建物と人物
- 3 遺跡 遺跡ネットワーク
- 4 災害と暮らし 私たちにできること
- 5 未来図 住みたい町日本一作り
- §4 地場産業の実践プラン
- 1 農業 農業に生きがいを求めて
- 2 商業 名古屋の駄菓子
- 3 工業 トーキン
- 4 観光 犬山市の町づくり
- 5 伝統工芸 木地の里
- §5 学校の特性の実践プラン
- 1 施設・設備 文化ステーション
- 2 指導体制 生涯学習講座
- 3 学習環境(校外生活) わくわく ワーク
- 4 異年齢(幼稚園交流) お兄ちゃんおんぶして
- 5 学校の文化・伝統 温故知新
- 3章 中学校総合的学習の今後の研究課題
はじめに
総合的学習というのは,本当に手強い,一筋縄ではいかない学習である。私たち自身の体験から言えば,開発した単元のうち,本当にものになったものは,半分余りであった。子どもが食いついて離さない,課題が課題を生み出し膨らみ持続していく単元など,そうざらにあるものではない。もちろん,子どもだけでなく,私たちも想いを託し,ドキドキするような単元である。それだけに,総合的学習においては,単元づくりが最もやっかいである。
それというのは,本書の中でも記したことであるが,子どもは生活の現状に十分に満足しており,何も痛痒を感じていないからである。毎日楽しく過ごしており,「環境」「国際」といわれても,何ら問題を感じていない。ところが,総合的学習は,子どもの興味・関心,子どもの問題意識に出発する。子どもから出発しなければ,子ども主体の問題解決の態度は育たないし,生き方を考えることなど,望むべくもない。
子どもから何も出てこないからといって,教師の側から課題やテーマを設定し,問題解決を求めても,子どもの心はここにあらずで,結果として教師の引きまわしの授業,やらされる学習となる。これでは,生きる力は育たない。子どもの心がこもらないからである。
この両者の乖離をどう埋めていくかが,単元づくりの難しさであり,また妙味でもある。本書はこうした難題を乗り越えるための一つの手がかりを提供しようと編集したものである。すなわち,学習指導要領の示した横断的・総合的課題,生徒の興味・関心に基づく課題,学校や地域の特色に応じた課題を入り口に,その中身がどのようなテーマとして構造化できるかを探り,さらにそのテーマを組み合わせたり,関連させることによって,具体的に単元が構想されることを示した。もとより,その際,生徒個々の実態が大きく左右してくる。
ややもすれば,単元づくりをめぐって,テーマや課題が実践的にも提案されているが,単発的であったり,個別的である。ここでは,テーマや課題を構造的に示すことによって,いわばその引き出しから自校は何を取り出し,単元づくりに向かっていったらよいかの実践的手がかりを示すことに意を用いた。また逆に,自校の実践を特色づけているものを見出し,全体の中で位置づけ,どう発展させていくべきかの指標にもなるかもしれない。
折から,新しい学習指導要領は移行期に入り,いよいよ単元づくりに邁進しなければならない。そのための有効な手がかりとして,本書が活用されればと願っている。ここで提案された実践事例は,その期待に十分に応えてくれることと思っている。さらに,これらの実践事例を参考に,大いなるチャレンジが今後積み重ねられることを期待してやまない。
2000年4月 編著者 /児島 邦宏 /佐野 金吾
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明治図書















