- まえがき
- 1章 総合的学習基本単元の構想と実践
- §1 総合的学習で育てる学力とテーマ・単元の開発
- §2 基本単元の全体構想
- §3 基本単元実践の条件
- 2章 興味・関心課題基本単元の実践プラン
- §1 職場体験の実践プラン
- 1 公務員・事務職員 市民の生活を守り,サポートする職業の世界を知る
- 2 農林・漁業 自然の営みを大切にする職業
- 3 商業・サービス業 職業人としての「奉仕の精神」を知る
- 4 製造業 社会生活を豊かにする職業
- 5 情報産業 21世紀のコミュニケーションの在り方を考える
- §2 人的交流の実践プラン
- 1 地域交流 生き方を見つめよう
- 2 国際交流 国際人として生きる
- 3 学校間交流 バリアフリー学習と車椅子体験を経て養護学校と交流する
- 4 学校間交流(小・中・高) 音楽交流の構想と展開
- 5 世代間交流 ともに手をたずさえて〜老人に学ぶ〜
- §3 ボランティアの実践プラン
- 1 福祉ボランティア 中学生にできる福祉活動
- 2 環境ボランティア 町の住み良い環境をつくる〜地域清掃と環境マップづくりを通して〜
- 3 文化ボランティア 子ども祭りの企画・実践
- 4 教育ボランティア(保育) 子どもの成長を助ける
- 5 国際ボランティア 国際交流フェスタ
- §4 教科の発展
- 1 理科からの発展 体力・健康を科学する
- 2 国語科・社会科からの発展〈合科型自由学習〉 『坊っちゃん』と一緒に明治再発見〜文学から探る等身大の歴史〜
- 3 音楽科からの発展 音・舞・マインド
- 4 理科・保健体育科からの発展〈合科型自由学習〉 「私もトレーニングプランナー」による実践
- 5 技術・家庭科からの発展 コンピュータの達人
- §5
- 1 集団宿泊的行事(修学旅行) 「修学旅行」は総合学習
- 2 旅行・集団宿泊的行事(修学旅行) 「野外活動」で学年集団作り
- 3 保健安全・体育的行事 「体育祭活動」で全校集団作り
- 4 文化的行事 総合学習としての「文化祭」
- 5 勤労生産・奉仕的行事 「足元を確かめつつ進めてきたボランティア活動」を総合学習でも
- 3章 中学校総合的学習の今後の研究課題
はじめに
総合的学習というのは,本当に手強い,一筋縄ではいかない学習である。私たち自身の体験から言えば,開発した単元のうち,本当にものになったものは,半分余りであった。子どもが食いついて離さない,課題が課題を生み出し膨らみ持続していく単元など,そうざらにあるものではない。もちろん,子どもだけでなく,私たちも想いを託し,ドキドキするような単元である。それだけに,総合的学習においては,単元づくりが最もやっかいである。
それというのは,本書の中でも記したことであるが,子どもは生活の現状に十分に満足しており,何も痛痒を感じていないからである。毎日楽しく過ごしており,「環境」「国際」といわれても,何ら問題を感じていない。ところが,総合的学習は,子どもの興味・関心,子どもの問題意識に出発する。子どもから出発しなければ,子ども主体の問題解決の態度は育たないし,生き方を考えることなど,望むべくもない。
子どもから何も出てこないからといって,教師の側から課題やテーマを設定し,問題解決を求めても,子どもの心はここにあらずで,結果として教師の引きまわしの授業,やらされる学習となる。これでは,生きる力は育たない。子どもの心がこもらないからである。
この両者の乖離をどう埋めていくかが,単元づくりの難しさであり,また妙味でもある。本書はこうした難題を乗り越えるための一つの手がかりを提供しようと編集したものである。すなわち,学習指導要領の示した横断的・総合的課題,生徒の興味・関心に基づく課題,学校や地域の特色に応じた課題を入り口に,その中身がどのようなテーマとして構造化できるかを探り,さらにそのテーマを組み合わせたり,関連させることによって,具体的に単元が構想されることを示した。もとより,その際,生徒個々の実態が大きく左右してくる。
ややもすれば,単元づくりをめぐって,テーマや課題が実践的にも提案されているが,単発的であったり,個別的である。ここでは,テーマや課題を構造的に示すことによって,いわばその引き出しから自校は何を取り出し,単元づくりに向かっていったらよいかの実践的手がかりを示すことに意を用いた。また逆に,自校の実践を特色づけているものを見出し,全体の中で位置づけ,どう発展させていくべきかの指標にもなるかもしれない。
折から,新しい学習指導要領は移行期に入り,いよいよ単元づくりに邁進しなければならない。そのための有効な手がかりとして,本書が活用されればと願っている。ここで提案された実践事例は,その期待に十分に応えてくれることと思っている。さらに,これらの実践事例を参考に,大いなるチャレンジが今後積み重ねられることを期待してやまない。
2000年4月 編著者 /児島 邦宏 /佐野 金吾
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明治図書















