- まえがき
- 第1章 学習評価の基本
- T これからの学習評価の考え方
- 1 学習評価の目的
- 2 授業におけるPDCA
- U 「目標に準拠した評価」の考え方と方法
- 1 なぜ「目標に準拠した評価」なのか
- 2 新しい観点の構成
- 3 各観点の趣旨と課題
- V 評価規準作成の考え方
- 1 評価規準はBレベルを
- 2 学校として作成する評価規準
- 3 評価規準の信頼性を高める工夫
- W 「指導と評価の計画」作成の方法
- 1 作成に当たっての基本的な考え方
- 2 作成の具体的手順
- 3 学習活動と評価方法の一体化の工夫
- 第2章 評価規準と「指導の評価の計画」作成の考え方
- T 第3学年の評価規準と「指導と評価の計画」
- 1 わたしたちのまちのようす
- (1) 学校のまわりのようす
- (2) 市(市,町,村)全体のようす
- 2 地域の人々のしごと
- (1) 市の人々のしごとしらべ
- (2) 商店のしごと
- (3) のうかのしごと
- (4) 工場のしごと((3)の代替)
- 3 人々の生活のうつりかわり
- (1) 古くからのこる道具しらべ
- (2) 昔から伝わる年中行事
- U 第4学年の評価規準と「指導と評価の計画」
- 1 地域の人々の健康を守る活動
- (1) くらしとごみ
- (2) くらしをささえる水
- 2 地域の人々の安全を守る活動
- (1) 火事をふせぐくふう
- (2) 警察のしごと
- 3 きょう土をひらいた人々
- 4 わたしたちの県
- (1) 日本地図を広げて
- (2) 県の地図を見て
- (3) 伝統産業のさかんなまち
- (4) 伝統や文化を保護・活用しているまち
- (5) 自然環境を保護・活用しているまち((4)の代替)
- (6) わたしたちの県と他地域とのつながり
- V 第5学年の評価規準と「指導と評価の計画」
- 1 わが国の国土のようす
- (1) 世界地図を広げて―国土の位置と領土
- (2) 国土の地形と気候のようす
- (3) 地形から見て特色ある地域
- (4) 気候から見て特色ある地域
- 2 わが国の食料生産
- (1) 食料のふるさとと食料生産物の分布を調べる
- (2) 米づくりのさかんな地域
- (3) 水産業のさかんな地域
- (4) これからの食料生産
- 3 わが国の工業生産
- (1) くらしの中の工業製品
- (2) わが国の工業生産と工業地域
- (3) 自動車工業のさかんな地域
- (4) これからの工業生産
- 4 わが国の情報産業と情報化した社会
- (1) くらしの中の情報
- (2) 情報化した社会と医療
- (3) 情報をくらしに生かす
- 5 国土の環境を守る
- (1) 公害から国土を守る
- (2) 森林資源の働き
- (3) 自然災害から守る
- W 第6学年の評価規準と「指導と評価の計画」
- 1 わが国の歴史
- (1) 国の成り立ち
- (2) 天皇中心の世の中
- (3) 貴族の生活
- (4) 鎌倉幕府と武士の政治
- (5) 今につながる室町文化
- (6) 武士による政治が確立した世の中
- (7) 新しい文化や学問が栄えた世の中
- (8) 明治維新の世の中
- (9) 新しい日本の出発
- (10) 戦争から平和な世の中に
- 2 わが国の政治の働き
- (1) 願いを実現する政治
- (2) 国会・内閣・裁判所
- (3) 日本国憲法
- 3 世界の中の日本
- (1) 日本とつながりのある国の人々のくらし
- (2) スポーツや文化による国際交流
- (3) 青年海外協力隊による国際協力
- (4) 国際連合の働き
- 第3章 通知表・指導要録の記入例
- T 第3学年
- 1 通知表の記入文例
- (1) 1学期
- (2) 2学期
- (3) 3学期
- 2 指導要録の記入文例
- U 第4学年
- 1 通知票の記入文例
- (1) 1学期
- (2) 2学期
- (3) 3学期
- 2 指導要録の記入文例
- V 第5学年
- 1 通知表の記入文例
- (1) 1学期
- (2) 2学期
- (3) 3学期
- 2 指導要録の記入文例
- W 第6学年
- 1 通知表の記入文例
- (1) 1学期
- (2) 2学期
- (3) 3学期
- 2 指導要録の記入文例
まえがき
学習指導要領が改訂されると,それに連動して学習評価に対する関する考え方や方法が確認されます。そこには,これまでと変わらない部分と変わる部分があります。学習評価に対する関心は,指導のそれと比べるとそれほど高くはないように思われます。それは子どもたちをランクづけ,成績をつけることを強く意識しているからではないでしょうか。
今回の学習評価の改訂のコンセプトは,簡素化と効率性と信頼性です。毎日の社会科授業においては,目標と指導と評価の一体化を進め,指導に生かす評価を重視します。そのうえで,記録に残すことを意図して評価する場面を無理のないように設定します。評価規準をいたずらに細かくして,評価のための授業にならないようにすること,これが学習評価の簡素化です。
学習評価の方法を簡素化することによって,だれでも,どの教科でも,いつでも実施が可能になります。学習評価が特別のものとしてではなく,日常的に効率よく行われるようにします。
また,子どもが調べたり考えたりしたことを重点的,意図的に書かせることによって,すべての子どもたちの学習の結果を残すことができます。教師はそれらをもとに評価し,その結果を記録に残すことができます。この結果,評価に対する公平性が維持され,評価への信頼性を高めることができるのではないかと思います。
本書『新社会科/全学年・全単元の評価規準一覧―通知表・指導要録の記述文例付き―』は,学習評価の取り組みに対して負担感を軽減し,いつでも,だれでも,どこででもできる評価を実現し,学習評価の本来のねらいである指導に生きる評価ができるようにすることを目指して企画・編集されたものです。
第1章「評価の基礎・基本」では,これからの学習評価に対する基本的な考え方や実施上の具体的な課題について解説しました。
第2章「各学年・全小単元の評価規準と『指導と評価の計画』」では全学年にわたって,小単元ごとに「目標」「観点別の評価規準」「指導と評価の計画」「評価実施上のポイント」を具体的に示しました。実践する際にできるだけそのまま活用できるように配慮しました。
第3章「通知表・指導要録の記入例」では,社会科を例にした通知表や指導要録(総合所見)に記入する文例を学年ごとに,各学期の学習内容に即して紹介しました。通知表や指導要録に記載するとき,ヒントや参考になるものと考えています。
本書が多くの学校や先生方に活用され,有意義な学習評価が展開されるとともに,社会科の学力を身につけた多くの子どもたちが育っていくことを心から願っています。
終わりに,本書の刊行に当たっては,全国の優れた社会科の実践者の協力を得ました。この場を借りて心より感謝申しあげます。また,企画の段階から,明治図書出版の樋口雅子編集長から貴重なアドバイスをたくさんいただきました。併せてお礼申しあげます。
編著者 /北 俊夫
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- 明治図書