- まえがき
- 1章 言語活動「口伴奏」を使った指導法
- 1 はじめに
- 2 「口伴奏」を使った指導の有効性の検討方法
- 3 授業の実際
- 4 子どもの自己評価の結果
- 5 分析と考察
- 6 まとめ
- 2章 言語活動「口伴奏」で運動のイメージ・リズムをつかむ
- 1 体つくり運動
- (1)ボール投げ〈1〜4年生〉
- (2)短なわかえし跳び〈3・4年生〉
- (3)短なわダブルアンダー(二重回し・二重跳び)〈2〜6年生〉
- (4)長なわダブルダッチ〈5・6年生〉
- (5)長なわダブルダッチ8の字〈5・6年生〉
- (6)長なわ8の字パス(シザーズパス)〈4〜6年生〉
- 2 器械運動
- (1)器械・器具を使っての運動遊び〈2年生〉
- (2)だるま回り〈2〜4年生〉
- (3)後方片膝かけ回転〈4・5年生〉
- (4)膝かけ後方回転〈3〜6年生〉
- (5)後方支持回転〈5・6年生〉
- (6)後転・開脚前転〈3〜6年生〉
- (7)首はね跳びにおけるはね動作〈4〜6年生〉
- 3 陸上運動
- (1)走り幅跳び〈5・6年生〉
- (2)40mハードル走〈5・6年生〉
- 4 水泳
- (1)水遊び〈1・2年生〉
- (2)クロール〈3〜6年生〉
- (3)平泳ぎの呼吸〜プルとキックのコンビネーション〜〈5・6年生〉
- (4)平泳ぎ〈3〜6年生〉
- 5 ゲーム・ボール運動
- (1)シュートゲーム〈2年生〉
- (2)シュート(ゴール型ゲーム)〈3〜6年生〉
- (3)バッティング(ベースボール型ゲーム)〈3〜6年生〉
- (4)アタック(ネット型ゲーム)〈3〜6年生〉
まえがき
「頑張れー!」「いーち,にーの,さん!」
体育の授業で,子どもたちが声をかけ合う。
友達の大きな声援の中,それまでできなかった子ができるようになる。
その瞬間,「やったー!」という声とともに大きな拍手。
口伴奏をしていた子が駆け寄って「よくやった!」「おめでとう!」と声をかける。
できた子は,心の底からこみ上げてくるうれしさで満面の笑み。
まわりの子は,自分の力強い応援(口伴奏)によってできさせたような感覚になる。
クラス全員の前で口伴奏をしてもらいながら発表してできたとき,その一体感は何とも言えない喜びに満ちた雰囲気になる。教師として非常にうれしい瞬間である。
こんな授業を日常の授業の中で実現したい。そんな思いから本書を編纂した。運動は,イメージとリズムがつかめればできる。口伴奏は,運動のイメージとリズムを言語化している。運動ができるようになるプロセスでの言語活動である。形式的な発表活動や他教科でもできるような話し合い活動ではない。仲間とかかわり合いながらできるようになっていく,体育の本質に迫った言語活動である。
私がイメージしている口伴奏を使った指導法は,全国の先生方も日々の授業で自然と使っている。本書は,私が実際に公開授業や研究会の発表等で見て,素晴らしい授業を展開した先生方に執筆を依頼した。その具体的な口伴奏は,指導者によってさまざまであり,本書を読まれた先生が授業で使えるように,あえて同教材で異なる指導者による口伴奏も掲載した。指導者の視点によって口伴奏が異なってきたり,まったく交流もないのに似ていたりする。自身の実践と比べてみるのもおもしろいだろう。
また,口伴奏をより具体的にイメージできるようにYouTubeで動画も見られるようにした。この動画を見るだけでもその運動ができるようになる気がするし,授業もイメージできる。是非一度,本書とあわせてご覧になって実践してみてほしい(P.15と奥付にURLを掲載)。
クラスの子どもたちが,よい雰囲気の中で伸びていく。そんな体育授業が広まることを願いつつ,特に,体育授業を学びたいと思いながらも苦手意識をもっている先生方の一助となれば幸いである。
2013年4月 編著者 /清水 由
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- 明治図書
- 口伴奏は面白い取り組みだと思います2017/5/3130代・小学校教員
- 口伴奏、面白い取り組みです やってみたいです2017/5/2130代・小学校教員