- はじめに
- 1 教師の構え
- 1 教師は授業で勝負する
- 2 生徒(児童)の側に立つ授業
- 3 子どもを変えようとするのではなく,子どもが変わろうとするように
- 4 教えたいことを学びたいと思わせる
- 5 見ようという意思がなければ,見えても見えない
- 6 小心でなく,細心であれ
- 7 自らを鍛えよ,英断し責任を抱えよ
- 8 教える,育てる,組織する
- 9 常に感謝する心
- 10 信念の危うさを意識する
- 11 始めるときに終わりを考える
- 12 考えさせることと教えることの区別
- 13 不完全の自覚は知の目覚め
- 14 まっすぐ線を引くなら,その見通しをもて
- 15 教育エネルギーを有効に組織していく
- 16 その人が必要とする答えはその人の中にある
- 先人の言葉に学ぶ PART I 日本明治以前編
- 2 授業の構築
- 17 授業は,授業から始まっては授業にならない
- 18 1つの教科だけ頑張ってもその教科だけの力もつけてやることはできない
- 19 心のスイッチをONにする
- 20 よい指導案はある日突然には生まれない
- 21 導入は結末を含む
- 22 指導案は教室で書くもの
- 23 目標を明確にする
- 24 簡にして要の授業
- 25 すべての成長は好奇心から始まる
- 26 無理なく無駄なく手応えのある発問作り
- 27 板書は授業の顔
- 28 資料は教師の指導意図で生きる
- 先人の言葉に学ぶ PART II 日本現代編
- 3 授業中の心構え
- 29 反応・変化・対応
- 30 客(子ども)があくびをすれば,自分を責める
- 31 教材と対峙し,生徒を受容する力量
- 32 構造化されたものがわかりやすいとは限らない
- 33 積極的な次の一手
- 34 指導しつつ教師自ら学べ
- 35 授業を通し,教師の力の及ぶ限りを尽くし育てる
- 36 待つ
- 37 競争は,全体的教育活動であってはならない
- 38 わからないことを突き詰めると物事は解決に向かう
- 39 種をまき,水をやり,肥料を施す
- 40 書くことで思考は明確になる
- 41 練習には適度な変化をもたせよ
- 42 思考は不連続の連続
- 先人の言葉に学ぶ PART III ルソー編
- 4 授業後の心構えと評価
- 43 子どもは,教師を映す鏡
- 44 授業で理解納得されたとしても,生きる力にはなっていないことがある
- 45 評価し終えることは,人間関係の終わりを意味する
- 46 人間に対する評価は,どこかで首を傾げながらやる
- 47 指導の前と後とでは子どもも教師も発見と変化が必要
- 48 教育として行われる行為は,診断と評価を伴う
- 49 君は,授業後に爽快な気分になったか
- 先人の言葉に学ぶ PART IV 世界教育編
- 5 教材の作りかた
- 50 材を教材にする
- 51 教材は教材研究の深さに応じた授業しかできない
- 52 繁りすぎた樹木の枝葉を落とす
- 53 教材の鮮度を高める
- 54 「ここぞ」と我を忘れて打ち込め
- 55 制限を加えることで,より考えが拡がる
- 56 いつも派生を心がける
- 先人の言葉に学ぶ PART V 世界編 その1
- 6 子ども(人)との接し方
- 57 朝に子どもを見る
- 58 教えられたことよりも,教えられなかったことを深く理解できる
- 59 人間は常に個性的に完成をめざす
- 60 チャンスは何度も与えよ
- 61 子どもは教科書
- 62 でこぼこを手(わし)づかみにする
- 63 一匹の迷える羊を無惨に捨て去ることは,すべてに致命的なひびを入れる
- 64 子どもを尊敬する
- 65 幼い子どもの心というものはでんでん虫の触覚のように実に敏感である,敵と思えば引っ込める
- 先人の言葉に学ぶ PART VI 中国編
- 7 環境の整備
- 66 枯れ花は除ける
- 67 環境は人を作る
- 先人の言葉に学ぶ PART VII 世界編 その2
- 8 人としての教師
- 68 会して議せず,議して決せず,決して行わず
- 69 技巧に満ちた百万言より,至誠をもった教師の一言
- 70 教育とは,人と人とのふれあいであり,息の長い仕事である
- 71 生かすことは育てることである
- 72 僻地複式は教育の原点
- 73 欲張らず飾らず人間として裸でいること
- 74 教師とは人間を変えるための条件を他の人よりももっている
はじめに
これまで多くの先達に出会いました。その度に多くの言葉を贈っていただきました。その言葉に魅力を感じ,教職の道を日々鼓舞され,今日まで来ることができました。
例えば,「教師は授業で勝負する」は実習において出会うことのできた言葉です。教育の不易の部分です。いつの時代でも,その真意は変わりません。子どもを大切に思い,育てます。そのための授業だからこそ教師は工夫しなくてはいけないことを教えてくれた言葉です。そして,今なおその言葉を追い求めています。
私は,ある研究授業をしたとき,子どものつぶやきを活かすことができないことがありました。授業後の検討会で,「反応・変化・対応」という言葉に出会いました。子どもが心から発した言葉にしっかりと向かい合うこと,そのためには教師自身がそれを受け入れる心の準備ができていないといけません。教師は自分自身が変化して,そのつぶやきと正対していけるように対応し始めないといけないのです。このことは,瞬時に行うことで授業のリズムを損なわないようにしていきます。
そして,最近「教師とは人間を変えるための条件を他の人よりももっている」という言葉に出会いました。子どもは,教師との一期一会の中に,自分の可能性を預けています。
一方,教師は子どもから力をもらうことがあります。子どもの反応で,明日の授業の流れを決定させてもらうこともあります。子どもの思いや作品や考えや行動のすばらしさに,感動することもあります。子ども同士の人間関係に悲喜こもごもの思いをもち,過ごすこともあります。
教師は,そのような子どもに出会うことで人間として成長し続けることができます。教師もまた変わるのです。教師と子どものお互いが変化をし続け追究するよいサイクルが成立するとき,人間を変える大きな条件がそろうと考えています。教師は,子ども達の前に立ち,子ども達の未来の可能性を大きくするのが仕事で,重要な任務なのです。
私は,新しいことをしたり,何か行き詰まったりするときに,多くの先達に出会い,言葉によって教職の道を拓き導いていただきました。贈っていただいた言葉が,私を支えたり変えたりしてくれました。そんな言葉を贈っていただいた方に感謝しています。そして,言葉の力ってすごいなあと感動するのです。
本書では,そんな一条の活路を見い出させていただいた言葉を集めてみました。教師のためのアフォリズム(aphorism:物事の真実を簡潔に鋭く表現した語句,警句,金言,箴言)です。これらの言葉は,大切な道標でありコンパスです。この本が少しでも教職を歩む方の考えるヒントとなり,道標となれば幸いです。
最後になりましたが,明治図書編集部の石塚嘉典さんには,本にまとめる機会を与えていただいたこと,そして細部にわたりお導きいただいたことに感謝いたします。また,校正では,同じく編集部の五十嵐裕さんにとてもお力添えをいただきました。ありがとうございました。
2008年7月 /福永 敬
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明治図書
















