「できたー!」を共有 指導ポイントがわかる器械運動の授業

「できたー!」を共有 指導ポイントがわかる器械運動の授業

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指導が見えてくる、子どもができるようになる授業づくり

小学校期の子どもが体育授業で望むのは「できる」ようになることですが、授業現場からは「器械運動の指導は難しい」「個に応じた場を用意するのが大変」という声があります。本書は、器械運動を誰でも指導できる、誰でもできるようになる方法を具体的に示しました。


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電子版価格: 2,376円(税込)

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PDF
ISBN:
978-4-18-038322-1
ジャンル:
保健・体育
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
1 「器械運動」の魅力と価値
1 体をコントロールする力が身につく
2 「できる」喜びが生まれる
3 「運動観察力」が身につく
2 誰にも「できる」喜びを保証する授業づくりの基本・秘訣
1 基礎感覚づくりがポイント
2 基礎感覚の定着はゲーム化で楽しく
3 ステップbyステップで
4 課題の発展性がある教材を
〜個に応じ,誰もが満足する共通の学習内容がある教材〜
5 組み合わせ単元で子どもが伸びる
〜細く・長くが力をつける〜
6 単元構成の基本=授業づくりのプロセス
7 仲間とのかかわりを深める授業方略
8 教師にも子どもにも「やさしい」場づくりを
9 お手伝い(補助)が大切
10 すぐに使える用具・そろえておきたい用具
3 この授業で子どもができる
マット運動
1〈1〜2年生〉おりかえしの運動
2〈1〜2年生〉前回り・後ろ回り・ブリッジ(前転がり・後ろ転がり)
3〈1〜2年生〉頭つき逆立ちから引っ張り逆立ち
4〈1〜3年生〉川わたりから大の字回り(支持での川跳び・腕立て横跳び越し)
5〈2〜4年生〉壁逆立ち(壁倒立)
6〈3〜6年生〉側転(側方倒立回転)
7〈3〜4年生〉開脚前転・開脚後転
8〈5〜6年生〉側転前ひねりからハンドスプリング
9〈5〜6年生〉シンクロマット
鉄棒運動
1〈1〜2年生〉鉄棒遊び
2〈2〜5年生〉だるま回り(かかえ込み回り)
3〈3〜6年生〉だるま後ろ回り(後方かかえ込み回り)
4〈3〜4年生〉ひざかけ後ろ回り(後方ひざかけ回転)
5〈4〜6年生〉ひざかけ前回り(ひざかけ前方回転)
6〈4〜6年生〉空中逆上がり(後方支持回転)
7〈4〜6年生〉こうもり振り下り
8〈4〜6年生〉組み合わせてみよう
跳び箱運動
1〈1〜2年生〉馬跳び・手押し車
2〈2〜3年生〉高いところでの前回り(台上前転)
3〈3〜4年生〉開脚跳び
4〈5〜6年生〉開脚跳び
5〈4〜6年生〉かかえ込み跳び
6〈5〜6年生〉台上前転
7〈5〜6年生〉頭はね跳び

はじめに

 小学校期の子どもが体育授業で何より望むことは「できる」ようになることです。一方で「できない」ことから体育が嫌いになる子もいます。私たち現場の教師は,こうした事実を常々実感しているのではないでしょうか。

 さまざまな領域の中で,器械運動は「できたー!」「やったー!」という声が一番響く領域です。私たちは,こうした声が聞こえてくる学習の成果がある授業を目指すべきでしょう。

 授業現場から「器械運動の指導は難しい」「個に応じた場を用意するのが大変」という声をこれまで何度か聞きました。こうしたことが言われる背景には,3つの問題が存在していると考えます。

 1つ目は,各学年で段階的に指導しておかなければならないことが抜け落ちてしまっているという点です。「ここまでは」という最低限の指導内容を学年毎に決める必要があるでしょう。

 2つ目は,個に応じた技を指導すべきという理念が全面に出ている点です。一時期,技能差に応じた指導を強調するあまり,個の学習内容がまったく異なった「技」を学ばせる指導が求められました。これを算数の授業で考えてみたらどうでしょう。30人以上の教室でかけ算九九を学んでいる子と分数を学んでいる子がいたら,教師は同時に指導することが可能でしょうか。個の技能だけを高めることを目標にするならば,体操教室に行けばより効率的に学べるでしょう。共通の学習内容を含んだ運動を指導することが協同的な学びを生みます。

 3つ目は,個に応じるという観点から準備や片付けの時間を度外視した場の設定をしようとする点です。多くの教科を日々指導しているのですから,「無理」「無駄」のない,「誰もが指導できる安全な場」を用意すべきでしょう。

 本書は「誰でも指導できる」「日々の授業でできる」と同時に,「誰もができるようになる」ことを意図した指導内容・方法を示しています。本書の特色は次のとおりです。


1.ステップを踏めば誰もが身につけることが容易な運動を示す

2.器械運動の授業づくりのあり方を簡潔に示す

3.授業実践に基づき,誰もができるようになるプロセスや時間配当を単元計画として示す

4.技術的なポイントが視覚的に明確になるよう写真で示す

5.効率的な隊形,すぐに用意できる場,必要な用具を図や写真で示す


 本書で示した内容が,実態を踏まえた授業の充実に役立ち,子どもたちが目を輝かせて器械運動の授業に取り組んでくれることを願っています。

 最後に,本書の出版にあたりご尽力いただいた明治図書の三橋由美子氏,橘亜希氏に心よりお礼を申し上げます。


  2012年12月   /木下 光正

著者紹介

木下 光正(きのした みつまさ)著書を検索»

1955年 東京に生まれる

1977年 立教大学社会学部卒業

埼玉県志木市立志木第二小学校,志木市立宗岡第二小学校,志木市立志木第四小学校を経て,1994年より筑波大学附属小学校教諭。現在に至る。

・筑波学校体育研究会理事長

・体育授業向上を志す会会長

・授業ベーシック研究会副会長

・NHK「やってみよう体育シリーズ」監修

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 体育の器械運動の指導法を具体的に学ぶことができました。
      2020/4/2240代・小学校教員
    • 系統的な指導方法と対応した動きの写真が多数掲載されて説明されているので、大変分かりやすかったです。
      2019/3/2640代・小学校管理職
    • 学年ごとに指導内容が体系的にまとめられており、大変わかりやすかったです。器械運動の指導前には必ず参考にしています。
      2015/5/1530代・小学校教員

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