21C小学校新教育課程のコンセプト解説6学校と家庭・地域連携の方法

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今次教育課程の改訂では学校と家庭・地域の連携が重視されている。完全5日制を背景にした教育展開の新方向をコンセプトと事例で示す決定版。


復刊時予価: 2,332円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-031410-X
ジャンル:
学習指導要領・教育課程
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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まえがき
1章 家庭・地域との連携は何がねらいか
§1 「生きる力」の育成
1 子どもの現状をみれば
2 「生きる力」を育む
§2 学校のスリム化
1 量的スリム化
2 学校教育の責任は
§3 体験活動の重視
1 発達的課題を直視して
2 地域の人材,地域の環境
§4 開かれた学校づくり
1 学校に残る体質のようなもの
2 これからの学校
2章 家庭・地域との連携をどう進めるか
§1 学校運営組織の改善
1 地域の特性を生かした学校運営組織を確立する
2 校長・教頭・教諭の役割と学校運営協議会の構想
§2 PTA活動の充実
1 開かれた学校とPTA活動
2 PTA活動の活性化と学校
§3 学校協議会の運営
1 学校運営の理解と協力を得る提言をする
2 学校協議会の意見を学校運営に反映させる
§4 学校の広報活動
1 学校の教育方針や実態を伝える学校通信
2 学校と家庭の接点を自覚した学年(学級)通信
3 学校と家庭・地域の連携を深める広報活動
3章 家庭・地域との連携を図る実践プラン
§1 開かれた学校づくり
1 解説/開かれた学校づくりの考え方と対応
2 事例/竹原市立仁賀小学校の実践
§2 特色ある教育活動の展開
1 解説/特色ある教育活動展開の考え方と対応
2 事例/家庭・地域との連携をふまえた「ふれあい体験活動の展開」〜「ふれあい体験活動カード」から〜
§3 「総合的な学習の時間」の展開
1 解説/「総合的な学習の時間」の展開の考え方と対応
2 事例/海老根和紙探しの旅(4年)
§4 生徒指導上の問題への対応
1 解説/生徒指導問題の考え方と対応
2 事例/生徒指導に関わる実践事例
§5 教科指導の充実
1 解説/教科指導充実の考え方と対応
2 事例/『学習参加』を取り入れた教科指導
§6 道徳・特別活動の充実
1 解説/道徳・特別活動の充実の考え方と対応
2 事例/父母・地域の活動に広がったピカリン大作戦
3 事例/鮭稚魚の飼育・放流&鮭ふれ合い学習
§7 スクール・ボランティアの実施
1 解説/スクール・ボランティアの考え方と対応
2 事例/スクール・ボランティアの実際
§8 地域人材の活用
1 解説/地域人材活用の考え方と対応
2 事例/地域人材の活用事例(木更津市立畑沢小学校の事例)
§9 PTA活動の改善
1 解説/PTA活動改善の考え方と対応
2 事例/家庭での体験活動
3 事例/学校におけるふれあい体験
4 事例/地域と係わる体験

まえがき

 21世紀の学校をどうするか,教育課程はどう在ったらいいか。それが,各学校の課題となっている。当然ながら,わが国の子どもの現状と将来を考えれば,「生きる力」をはぐくむことが,教育課程編成と学校運営の主軸となる。

 しかも,学校,家庭,地域の実態や課題に即して,それぞれの学校の創意工夫が必要とされている。学校は地域に君臨して,子どもに教育を施す場と,長い間だれもが思ってきたろう。しかし,学校の役割は変わった。学校は,良質の教育サービス(実践・業務)を提供する場になっていく。こうした目標達成を第一に考えることこそ大事で,構成員(教職員)中心の組織維持にばかり目が奪われるようなことがあってはなるまい。

 更に,「生きる力」をはぐくむことは,学校と家庭・地域が連携しなければできるはずもない。それも三者が上下,垂直の関係でなく,水平の関係で手を携え,力を合わせなければならない。学校の御都合主義のようにでも受け取られたら,連携などできるはずもない。学校(家庭・地域)の意識改革が必要だし,言動に心を配り合うことがだれにも求められている。号令をかければだれもが動くなどと,考えてはならないことでないか。

 また,三者の連携と協力は,学校,地域,家庭の実態,状況,課題によって異なってくる。だれかの指示に従えばできることでないし,どこかの真似をすれば実践できるものでもない。各学校の創意工夫が求められるし,自前の計画を学校は立てなければならない。それこそ,学校の本領発揮の時が到来したのである。そうした理解と把握が,この際ぜひとも望まれる。

 全国各地で,このことについてどのような実践が展開されているか。それを真似るのでなく,そこから示唆を得たり,着想を見出したりすることこそ大事である。そうした面で本書は多くの学校で利用いただけるし,貴重な資料ともなり得るものである。

 これからの学校は,創意と工夫発揮の時代に突入するとも言えよう。但し,それは思いつきであってはならないし,地域と手を結び,それに立脚したものでなければならないはずである。そうした点で,学校は知恵を働かせたい。また,地域をよく知ることも,とても大事になっている。連携をお題目にしないことが,そうした点ですべての人の課題となっている。


 本書の企画の段階から上梓に至るまで,明治図書編集部の安藤征宏様,勝村千賀子様には格別のお世話をいただいた。執筆者ともども厚く御礼申し上げる。


  平成11年5月   /飯田 稔

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