21C小学校新教育課程のコンセプト解説5課題選択学習の方法

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個に応じた指導の具体策としての選択履修幅の拡大。小学校における課題選択学習はその方向の中で新たに打ち出された。今後の実践モデルを網羅。


復刊時予価: 2,387円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-031212-3
ジャンル:
学習指導要領・教育課程
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 136頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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21C小学校教新育課程のコンセプト解説
まえがき
1章 課題選択学習導入のねらいは何か
§1 個性を生かす教育の充実
1 教育課程の基準の改善のねらいと個性重視の教育
2 個性重視の教育と課題選択学習
§2 主体的な学習の充実
1 個性的な学び
2 個性的な学びと課題選択学習
§3 選択能力の育成
1 〔生きる力〕と選択能力
2 学校間の接続と選択能力
2章 課題選択学習にどう取り組むか
§1 子どもの興味・関心に応じた構想と展開の工夫
1 子どもの興味・関心に応じる…
2 自分らしさの発揮を求める
3 選択課題に応じた展開を工夫する
4 運営の仕方を工夫する
3章 課題選択学習にチャレンジ 実践プランと展開法
§1 国語科課題選択学習の実践プランと展開
1 5年・課題選択学習の構想と展開
2 6年・課題選択学習の構想と展開
§2 社会科課題選択学習の構想と展開
1 5年・課題選択学習の構想と展開
2 6年・課題選択学習の構想と展開
§3 算数科課題選択学習の実践プランと展開
1 5年・課題選択学習の構想と展開
2 6年・課題選択学習の実践プランと展開
§4 理科課題選択学習の実践プランと展開
1 5年・課題選択学習の構想と展開
2 6年・課題選択学習の構想と展開
§5 音楽科課題選択学習の実践プランと展開
1 課題選択学習指導の考え方
2 課題設定の工夫
3 授業の計画
4 展開例
§6 図画工作科課題選択学習の実践プランと展開
1 5年・課題選択学習の構想と展開
2 6年・課題選択学習の構想と展開
§7 体育科課題選択学習の実践プランと展開
1 5年・課題選択学習の構想と展開(器械運動)
2 6年・課題選択学習の構想と展開(水泳)
§8 家庭科課題選択学習の実践プランと展開
1 5年・課題選択学習の構想と展開
2 6年・課題選択学習の構想と展開

まえがき

 ここ20年ほど,我が国においては,個性重視の教育,個性を生かす教育の充実が叫ばれてきています。今回の教育課程の改訂でも,このことが根底にあるように思われます。

 しかし,この間,各学校において,子ども一人一人の個性を生かす教育が十分に実践されてきたと言えるでしょうか。この問いに対する答えは,一律に出せるものではありませんが,「十分,実践されている」と答えることのできる学校は,そう多くはないようにも感じられます。

 その理由としては,数々の要因が考えられますが,まだまだ一斉画一的な教育活動が行われていることが指摘されます。特に,各教科の授業においては,全員の子どもに同一の教材を用い,同一の指導方法を用いれば,同一の分かり方をするものと思い違いをして,ついつい子ども一人一人の存在を見失ってしまうということが繰り返されているのではないでしょうか。

 要するに,子どもを同一にとらえ,どの子も同じようにすることが優先され,子ども一人一人のよさや取り柄,得意なことなどが生かされていないのです。これからは,各教科等の授業づくりにも,「総合的な学習の時間」の展開に際しても,子ども一人一人の興味・関心等を生かし,個に応じた指導の一層の工夫改善を図ることが極めて重要となります。

 教育課程審議会の答申(平成10年7月)においては,小学校高学年から,選択能力の育成を重視し課題選択などを取り入れ,中学校においては,学年段階に応じ漸次選択幅の拡大を図るようにすることが提言されています。

 この提言を待つまでもなく,子ども一人一人が自分なりの興味・関心等を生かし,学習課題や学習活動,学習の仕方,資料などを選択して学ぶことができることは極めて重要なことです。学ぶ子どもにとっては,こうして学習課程に選択できる場や機会があるということは,自分らしさを思い切り発揮できることになります。これこそ,個性を生かす教育を実践する上で最も重視されなければならないことです。

 本書は,特に,課題選択に重点をおき,課題選択学習の成立を目指し,すべての教科の実践例を載せてあります。まだまだ不十分の面が多々あると思われますが,本書をきっかけとして一人でも多くの教師が日々の教育活動や授業を一層充実・発展させ,真に子ども一人一人の個性を生かす教育の実践が行われるならば,編者としてこの上ない喜びとするところです。

 終わりに,本書の出版に当たって,明治図書の安藤征宏氏にひとかたならないお世話になったことを心から感謝申し上げます。


  平成11年4月   /羽豆 成二

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