- ○発刊によせて―久留米市教育委員会教育長 /桑野 善吾
- ○序―福岡教育大学教授 /寺尾 慎一
- ○まえがき―編著者 /黒岩 壽臣
- 第1章 総合学習へのステップ
- 視点1 総合学習への発想の転換と条件整備
- 視点2 「領域別教科学習」から「主題別総合学習」へ
- 視点3 総合学習のカリキュラム編成
- 視点4 学校行事を授業化しよう
- 第2章 TTの実践を通した授業改革
- 視点5 今、なぜ授業改革か?
- 視点6 TTによる授業改革
- 視点7 TTで生徒はどう変わるか?
- 視点8 だれにでもできる効果的なTTとは?
- 視点9 これからのTTは
- 第3章 総合学習へつながる効果的なTTの要件
- 視点10 いつ・どこでTTを行うのか?
- 視点11 だれがTTをするのか?
- 視点12 だれに対してのTTか?
- 視点13 どんなTTがどう発展するのか?
- 視点14 TTでどんな効果があるのか?
- 第4章 学習主題別総合学習への切り口
- 視点15 「環境問題」を主題とした総合学習―(野崎)
- 視点16 「国際理解」を主題とした総合学習―(荒巻)
- 視点17 「進路」を主題とした総合学習―(本村)
- 視点18 「社会福祉」を主題とした総合学習―(高田)
- 視点19 「情報」を主題とした総合学習―(本村)
- 第5章 学級経営をTTで!
- 視点20 学級担任をTTで
- (1)学級担任複数制への転換
- (2)「学級担任TT(複数制)」推進の視点
- (3)学級担任TTの具体的構想
- 視点21 道徳の時間のTT
- 視点22 学級活動でのTT
- ○参考文献
- ○あとがき―久留米市教育研究所次長 /金子 祐幸
- ○研究同人
発刊によせて
私どもは,2年後に21世紀を迎えます。
21世紀は,豊かな成熟社会をめざすと言われています。個性が尊重され,自己責任の下に多様な選択を行うことができる社会です。また,国際化,情報化,科学技術の進展,少子・高齢化,環境問題などといった急激な社会の変化に直面する,先行き不透明な時代であるとも言われます。
したがって,これからの教育は,社会の急激な変化に柔軟かつ的確に対応できる力や多様な個性や価値観を認め合う態度など,人間性豊かなたくましい生徒の育成が重要になっています。
久留米市教育研究所では,このような時代の変化に備え,自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育む教育の重要な柱である「一人ひとりの個性を生かす教育の改善」をテーマに,指導方法の改善として「TTの方策」を研究し,それを「横断的・総合的な学習」へと発展させてきました。
本書は,本市教育研究所の4年間の研究・実践に基づきまとめられたものです。その中では,時代の変遷とともに増大する国際化,情報化などの様々な課題を「学習者である生徒の多様な価値観」として受け止め,全編を通してそれに対する学校・教師の的確な対応を求めています。そのため,援助者である教師一人ひとりの研修の充実はもとより,相互の協力や情報交換,援助者自身の個性の発揮を迫っています。
特に,従来の「学習領域別教科学習」から,「学習主題別総合学習」へと学習の考え方を変換させた「第三次教育改革」の提案は,21世紀の教育を予言するものと注目しています。
本書が,多くの学校や先生方に活用いただき,今後の教育実践に寄与することができればたいへん幸甚に存じます。
久留米市教育委員会教育長 /桑野 善吾
-
- 明治図書