- 発刊にあたり
- まえがき
- 第1章 北国の子供からの発信!『総合自由学習』
- ―創造「みのりプラン」―
- T 笑顔の学校の教育課程
- 1 笑顔を原点とした教育
- 2 「生きる力」とは
- U 教育課程「みのりプラン」の構想
- 1 私をつくる教育課程
- 2 教育課程「みのりプラン」とは
- 3 学びの一体化を目指して
- V 総合自由学習
- 1 子供側からのアプローチ
- 2 体験の重視
- 3 ねらいとキーワード
- 4 学年・学級経営年間プログラム
- 5 見えてきた「笑顔の学び」
- W 子供の側に立った各教科の学習
- 1 子供主体の学習を目指して
- 2 個を生かす四つの学習場面と学び方
- 3 学習案内書「みのり」の作製
- 4 基礎・基本の明確化
- 5 各教科における自己評価について
- 第2章 総合自由学習の展開
- ―自分が貫かれる学習―
- T 本校の総合自由学習がめざすもの
- 1 「自分」が貫かれる学習
- 2 子供の学びのリズムを捉える
- U 総合自由学習を子供から立ち上げるために
- 1 子供の力を信じ,子供から出発する
- 2 常に子供とのかかわりの中から理解につとめる
- 3 環境の中の素材をよく知る
- 4 他の場面での学びが発揮できるように
- 総合自由学習
- 低学年 みつけよう,つくってみよう 附小の森はぼくらの庭
- T 子供の学びのリズムをとらえる
- 1 環境の中から活動を創り出す子供
- 2 畑に行ってみよう
- 3 目的意識をもった働きかけの中に多様な活動が統合される
- 4 子供にとって必然性のある年間計画
- U 実践例 単元名/子供ひろばをつくろう(2年生)
- 1 単元について
- 2 単元目標
- 3 「子供ひろばをつくろう」にかかわる学びの経験
- 4 展開計画
- 5 展開の実際
- 中学年 楽しいな,私ののぞみがかなえられる総合って
- T 中学年の総合自由学習
- U 学習の展開
- 1 総合自由学習を立ち上げる段階で
- 2 子供の学びのリズムを生かす
- 3 子供の追究活動における教師の支援
- V 総合自由学習で期待するもの
- 高学年 挑戦,そしてより深く,自分らしく
- T 高学年で目指す子供の姿
- U 学習の実践
- 1 子供の思いや願いをかなえるために
- 2 自分で企画する追究活動
- 3 人間関係を形成する交流
- 4 より深く,自分らしい追究への自己評価
- 5 子供たちが動き出した
- 第3章 各教科の学習展開
- 国語科 個性を輝かせ,子供が伸びる言葉の学び
- T 確かで豊かな言葉の力を高めていく子
- U 言語運用能力を育む国語科の学習
- V 国語科の学習の実践
- 1 学びにおける子供の姿と支援のあり方
- 2 6年間の学びの育ち
- 社会科 子供が主体的に発信する提案型授業
- T 広い視野から社会生活を切り拓く力を高める子
- U 提案型の社会科の学習とは
- V 社会科の学習の実践
- 1 提案活動を促す問題場面の設定
- 2 事実認識へ向かう体験的な活動の保障
- 3 価値判断を高め,新たな課題を生み出す相互交流の場
- 算数科 いつでも・どこでも算数ランド!日常からの挑戦
- T 試行錯誤しながら問題解決力を高めていく子
- U 数学的な体験を重視した算数科の学習
- V 算数科の学習の実践
- 1 見積もりを立て,解決の見通しが持てる問題場面
- 2 見積もりをもとに見通しを修正しながらの追究活動
- 3 数学的な見方・考え方を身に付ける相互交流
- 理科 自然の素晴らしさに自ら迫る子供の学び
- T 自然にかかわり,自ら追究・解決する子
- U 自ら追究・解決する理科の学習
- V 理科の学習の実践
- 1 自分の問題をもつ
- 2 自分なりの考えをもとに追究・解決する
- 3 互いにかかわり合いながら自分に問い返す
- 4 理科の学びを生かす
- 音楽科 音楽との出会い
- ―《感動》ある授業を目指して!
- T 音楽を楽しみ,自ら音楽とのかかわりを深める子
- U 音楽科の授業像
- V 音楽科の学習展開
- 1 子供の心をゆさぶる音楽との出会い
- 2 子供の思いや願いを生かした追究活動
- 3 思いや願いをつなげる学習のまとめのあり方
- 図画工作 科 遊び心いっぱいで,夢をどんどんふくらまそう
- T 夢をふくらませ,遊び心いっぱいに表現する子
- U 遊び心から始まる図画工作科の学習
- V 図画工作科の学習の実践
- 1 遊び心いっぱいの図画工作科を構築するための四つの視点
- 2 遊び心いっぱいの活動における支援のあり方
- 家庭科 『楽しさ』のある学びから家庭実践へ
- T よりよい家庭科を目指して 豊かな心で実践する子
- U 『楽しさ』のある家庭科の学習
- V 家庭科の学習の実践
- 1 『楽しさ』を感じ主体的に学ぶ活動
- 2 生活に生きる力を確かに獲得するために
- 3 より実践的な力とするために
- 体育科 生き生き笑顔で挑戦!
- T 運動の楽しさを知り,主体的に工夫しながら運動に親しむ子
- U 心とからだを育む体育科の学習
- 1 体育学習における基本的な活動の柱
- 2 体育科の学習の構想図
- V 体育科の学習の実践
- 1 子供の学びを捉える四つの姿
- 2 四つの姿を通してみた子供の学び
- 3 子供の活動を支える支援の準備
- 4 基礎・基本となり得る内容の分析
- 5 生き生き笑顔で挑戦する体育の学習
- 第4章 道徳
- T 生きる力と心の育成
- U 道徳年間プログラムの作成
- V 道徳の時間
- 1 指導計画を捉え返す
- 2 発達段階に応じた内容項目の重点化を捉え返す
- 第5章 特別活動
- T 集団の中で自己を生かし,互いに協力し合い,助け合って活動する子
- U 目標実現のための具体的な手だてとして
- V 学校行事をとらえ返す
- 1 学校行事の重点化
- 2 学校行事のプログラム化
- 3 体験的な活動を重視する
- W 集団の中の自己を生かす学校行事
- 1 個の活動が生きるみどりの学校
- 2 集団としてのよさが生きるみどりの学校
- 第6章 パソコンの活用
- T 発信することは,自分を知ること
- 1 パソコンの活用による学習効果の広がり
- 2 インターネット発信に向けてのコンピュータ活用ステップ
- U パソコンの活用はアイデアしだい
- 1 一つのことから広がる世界
- 2 実践例
- V パソコンの活用で子供の「必要」を表現する
- あとがき
まえがき
近年,核家族化,少子化傾向が進み,地域における近隣関係も希薄化の社会環境下で子育てが行われています。国勢調査(1995年)では,7割が親子2代の核家族とあります。かつては地域ぐるみで子育てをしており,近所の先輩ママやお姑さんらがサポートしてくれましたが,そのような手助けは受けにくく,かわって母親は,必然的に育児書に頼らざるを得なくなります。子育てが,マニュアル通りにいかない場面が極めて多いのは当然で,新米ママは大いに不安になります。母親の精神的不安は,当然その子供にも様々な見えざる影響が予想されます。このような今日の社会は,子供のみならず親(大人)も社会の急激な変化と多様化にさらされており,親としての教師もまた例外ではありません。複雑化した社会状況の下,自立できる子供の育成を目指さざるを得ない現状であります。家庭で学校で,各々が責務を確かにし,時には相互に密接な連携のもとに子供の健全な育成に配慮することが,一層望まれ,有意義で大切なことになってきています。
学校教育は,子供の生活を主体として,本来持っている子供一人一人のその子らしい個性,感性の自覚を促し育成することが期待されています。子供にはそれぞれの育ちがあり,学習で,生活行動で,それぞれのリズム・ペースがあり,教師は,そのリズム・ペースをよく認識し配慮した支援をする必要があります。そこで,本校では「子供の笑顔」を原点とした,子供自らが「私をつくりあげる」学びを展開するための教育課程「みのりプラン」を創り出しました。新教育課程の「総合的な学習」(本書では総合自由学習としている)と,各学校の創意工夫を生かし特色ある教育を展開することとある点で,来る21世紀に向けて,子供の「生きる力」を確かなものとするために,学校教育に託された期待は,一層大きく重いものになりました。
本書が,「生きる力」にいささかなりとも寄与できれば幸いに存じます。
平成11年5月 校長 /中谷 弘
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- 明治図書